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22話
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私とゼスタは城下町から城に向かうけど、周囲の視線が気になってしまう。
今までは気にしなかったけど……やっぱり、この見た目は目立つのかもしれない。
「シーファ、周囲が気になるのか?」
「はい。聖女をしていた時は、皆の視線はサリナに集まっていましたから……」
私は誰にも注目されなくて、それでいいと思っていた。
今は違う――ゼスタの傍に居るためにも、聖女として振る舞う必要がある。
「そんなに気負う必要はないさ。聖女が来てくれるというだけでロウーラ国としては嬉しい、今までの活躍から大丈夫だと俺は確信している」
「ゼスタ殿下。ありがとうございます」
「シーファ、昨日も言ったが……」
どうやらゼスタとしては、ゼスタ殿下と呼ばれたことが気になっているようね。
「まだ聖女ではありませんし、ここは王都です」
「そうか……聖女になるまではゼスタ殿下か……」
複雑そうな表情をしながらも、私とゼスタは城の前まで到着する。
昨日の時点で門番から話を聞いていたのか問題なく城内に入ることができて……豪華な一室まで案内されていた。
どうやら王の間のようで、玉座に座る青年――恐らく、この人がゼスタのお父様なのでしょう。
「よく戻ってきた……そして、彼女が――」
「――父上、この国の聖女になってくれるシーファです。報告を聞いているのなら、聖女に相応しいのは間違いありません」
発言を聞いたゼスタの父上……ロウーラ王は、じっと私を眺めて。
「シーファ殿、今この周辺は神龍によって脅かされている……本当によいのか?」
心配した様子で尋ねてくれるけど、この時点でモルドーラ国とは全然違うわね。
モルドーラ国は強制的に聖女にしてきたけど……ロウーラ国王は危険だと伝えてくれて、その上で聖女になるのか聞いてくれる。
迷わず私は頷いて。
「はい。私はロウーラ国の聖女になります」
「わかった……ゼスタの頼みもあって、騎士はゼスタになるがよろしいか?」
「はい」
即答してしまったけど、ロウーラ王は嬉しそうにしている。
今までとは違いすぎる反応に、私は驚くしかなかった。
今までは気にしなかったけど……やっぱり、この見た目は目立つのかもしれない。
「シーファ、周囲が気になるのか?」
「はい。聖女をしていた時は、皆の視線はサリナに集まっていましたから……」
私は誰にも注目されなくて、それでいいと思っていた。
今は違う――ゼスタの傍に居るためにも、聖女として振る舞う必要がある。
「そんなに気負う必要はないさ。聖女が来てくれるというだけでロウーラ国としては嬉しい、今までの活躍から大丈夫だと俺は確信している」
「ゼスタ殿下。ありがとうございます」
「シーファ、昨日も言ったが……」
どうやらゼスタとしては、ゼスタ殿下と呼ばれたことが気になっているようね。
「まだ聖女ではありませんし、ここは王都です」
「そうか……聖女になるまではゼスタ殿下か……」
複雑そうな表情をしながらも、私とゼスタは城の前まで到着する。
昨日の時点で門番から話を聞いていたのか問題なく城内に入ることができて……豪華な一室まで案内されていた。
どうやら王の間のようで、玉座に座る青年――恐らく、この人がゼスタのお父様なのでしょう。
「よく戻ってきた……そして、彼女が――」
「――父上、この国の聖女になってくれるシーファです。報告を聞いているのなら、聖女に相応しいのは間違いありません」
発言を聞いたゼスタの父上……ロウーラ王は、じっと私を眺めて。
「シーファ殿、今この周辺は神龍によって脅かされている……本当によいのか?」
心配した様子で尋ねてくれるけど、この時点でモルドーラ国とは全然違うわね。
モルドーラ国は強制的に聖女にしてきたけど……ロウーラ国王は危険だと伝えてくれて、その上で聖女になるのか聞いてくれる。
迷わず私は頷いて。
「はい。私はロウーラ国の聖女になります」
「わかった……ゼスタの頼みもあって、騎士はゼスタになるがよろしいか?」
「はい」
即答してしまったけど、ロウーラ王は嬉しそうにしている。
今までとは違いすぎる反応に、私は驚くしかなかった。
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