見た目が地味で聖女に相応しくないと言われ追放された私は、本来の見た目に戻り隣国の聖女となりました

黒木 楓

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44話

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 今回の白龍は、私を狙うだけで殺意はなかった。

 伝承だと……神龍は人類最悪の存在で、人の恐怖心と魔力を取り込む存在だったはず。

 殺さないのは恐怖心を取り込むためと考えられるけど、今回の件を思い返すと人類最悪の敵とは思えない。

 私がエグニースに尋ねると、返答の前にゼスタが私の発言に頷いて。

「そのことだが、エグニースよ……お前は何か、神龍について知っているのではないのか?」

「……どうして、そう思ったのですか?」

 ゼスタの質問に対して、エグニースが驚いている辺り、推測は当たっているのかもしれない。

「発言と行動からだな……もし本当に白龍が俺を殺す気なら、騎士として試すことはしなかったのではないか?」

 確かに、エグニースはどこか余裕があったけど……それは、殺意がないと最初から知っていたから。

 伝承通り人類最悪の存在だと知っていれば、王子の安全のために同行すら許さなかったかもしれない。

 ゼスタは恐らく推測で尋ねただけだと思うけど、エグニースは微笑みながら。

「鋭いですね……確かに私は、冒険者ギルドの上層部は神龍について詳しく知っています。陛下の前では言い辛かったので黙っていました」

「父上の前では言い辛いだと? どうしてだ?」

 ゼスタが困惑していると、エグニースは私に目をやって。

「神龍の目的には聖女の力が必要になり――聖女は犠牲となり、命を落すとされています」

 私が……命を落すことになる?

 サリナが私を連れてくるように言ったのは、犠牲になりたくなかったからなのかもしれない。

 いきなりエグニースにそんなことを言われて、私は呆然とするしかなかった。
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