必要ないと言われたので、元の日常に戻ります

黒木 楓

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49話 ディオン視点

 ディオンは、賢者ラーゴアが戻ってくるのを、心待ちにしていた。

 王の間には父ルドロス、貴族達が集まっているのは……早ければ戻ってくる日程になったから。

「頼むぞラーゴア……早急に、エレナを連れ戻してくれ……」

 あの杖の力なら、流石に失敗することはないとディオンは確信していた。

 もしエレナ達が対処することができるのなら、この国に住まう大半の人々の魔力と意志、それを利用しての国土に宿る魔力をも凌駕することとなる。

 少数では絶対に抗えない力なのは間違いないも、ディオンは不安になるしかない。

 もう後戻りはできない……もしこれが失敗したら、ルドロス国は確実に終わる。

 そして――賢者ラーゴア戻ってきて、王の間に居た者は全員安堵していた。

 ラーゴアは満面の笑顔で王の間に入ってきたことから、ライオスの策は遂に成功したのだと確信する。

「上手くいったのだな! エレナはどこだ?」

 父ルドロス王が喜びながら聞くと、ラーゴアが叫ぶ。

「無理でした!!」

「は……」

 賢者ラーゴアの発言を聞いて、全員が何も言えなくなっていた。

 失敗したのなら、どうして満面の笑みで、満足そうにしているのか。

 全員が慌てている中、宰相ライオスだけは動揺していないのが、どうも気になってしまう。

 そしてラーゴアが、部屋に居る人々に報告をした。

「まさか杖、国が持つ膨大な魔力を受け流すことで対処するとは‥…素晴らしかった!!」

「なっっ……!?」

 どうやら抗うことができないから受け流すことで無力化したらしいも、ディオン達は信じられない。

 ラーゴアが満足げに宣言している中、ライオスは晴れやかな表情を浮かべていた。

 それを見たディオンはまだ策があるのだと安堵するも……すぐに絶望することとなっていた。

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