必要ないと言われたので、元の日常に戻ります

黒木 楓

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62話 ディオン視点

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 城に戻ってきたディオンと父ルドロス王は奇襲を受け、護衛が全滅する。

 奇襲してきたのは城に居た騎士隊と魔法士で、賢者ラーゴアの姿もある。

 理解できず縛られた状態から王の間に連行されて床に叩きつけられ……宰相ライオスが、2人を見下していた。

「ライオス!? 冗談にしては性質が悪すぎるぞ! 今すぐに拘束を解け!!」

 父ルドロスが叫ぶも、ライオスは見下したまま告げる。

「……どうやら、最初から説明しないと納得しなさそうですね」

「なんだと!?」

「まず、周囲をご覧ください」

 そう言われて――縛られているディオンとルドロス王は、体を動かして周囲を眺める。

 そこには貴族達や騎士隊や魔法士達が膝をつき、ライオスに対して頭を下げる姿があった。

「な、なんだこれは……」

 ルドロス王が茫然としていると、ライオスが告げる。

「今までありがとうございました……これでこの国は、私のものです」

「貴様……最初から、このつもりだったのか!?」

 ライオスの力を認めて宰相の地位を与えたからこそ、父ライオスが激昂して叫ぶ。

 そんなルドロス王を、ライオスはどうでもよさそうに眺めながら。

「そうなりますかね……私の策を聞き入れたことでルドロス国の戦力を削いでいき、最終的に頂く計画でしたが、ここまで予想通り進むとは思いませんでしたよ」

 今まで不安になっていたディオンだからこそ、ライオスの発言が正しいと理解することができる。

 父ルドロス王の発言の「最初から」とは、エレナを追い出した時ではない。

 もっと前――宰相になった時からだと考えたディオンが、茫然としながらライオスに尋ねる。

「聖女候補を追い出すようこちらに有利過ぎる交渉にしたのも、聖域が完成したと推測したのも……全て……」

「そうなります。まだまだありますが、先に言っておきましょうか……国を襲撃したワイバーンは、私の契約獣です」

「なっ……」

 エレナを追い出して4日目で現れたワイバーンの襲撃は早過ぎると、ディオンは考えていた。

 運が悪く、追い返してから襲撃がないのは運がいいと思い……対処していない間にエレナを連れ戻すべきだと考えさせた。

 そしてライオスの策は成功率が高そうだと判断して、ルドロス国は、ライオスの思い通りに動かされている。

 国を襲撃したワイバーンがライオスの契約獣……そもそもワイバーンを契約獣にしているライオスが、とてつもなく異質だった。
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