15 / 48
第1部 第1章 勘当旅編
14話 情報収集といえば
しおりを挟む
宿屋に戻ろうとしていると、ある看板を見つけて立ち止まった。泡が溢れているグラスの絵。
「酒場……ここにもあるんだ」
『だいたい町にはあるんじゃねぇのか?特に船乗りたちにとっちゃ憩いの場だろ。
そういやまだ何も情報集めてねぇな。今のうちにしとくか?』
「うーん……でもなぁ……」
正直、酒場の雰囲気は舞踏会を思い出して苦手だ、しかしラディウスの言うことも最もで、土地勘が全くない私は情報収集をしないといけない。
気は乗らないがドアを押して中に入ると胸元が開いた服を着たお姉さんが声をかけてくる。室内は会話が飛び交っているのはノレトスと一緒だが、
騒がしさはこちらの方が上だ。
「あら、いらっしゃ~い。好きなとこに座ってね~」
『うわ、露出の高い服だな。寒そうだ』
「こ、こんにちは。あの、この辺りに詳しい人っていますか?
初めて来たばかりでわからなくて……」
お姉さんは困ったように眉を下げて唸っていたが、笑顔を作ると私の肩に手を置く。
「じゃあ私が教えてあげる。こう見えてもそこそこ世間には詳しいのよ」
「ありがとうございます!」
「さ、座って座って」
促されるままカウンター席に腰かけて膝の上にラディウスを置いた。
するとお姉さんも隣に座ってニコニコ笑う。
「あら、かわいいぬいぐるみ。
さ、何から話しましょうか?」
「えっと……有名な物ってありますか?」
「有名……有名ねぇ……。
まずこの大陸にはホワイトドラゴンっていう魔物が――」
「詳しく教えてください!」
ドラゴンの言葉に反応して思わず身を乗り出すと女の人は小さく飛び上がった。
「へ?え、ええ……いいけど……ドラゴン好きなの?」
「はい!」
「そうだったの。でも残念ね。けっこう前にホワイトドラゴンは息絶えたっ噂で聞いたわ」
「息絶えた……?」
ビックリして言葉が出てこない私をよそにお姉さんは淡々と話を続ける。
「そうみたいなのよ。でも不思議なのよね。だって20年ここに住んでるけどホワイトドラゴンの被害なんて聞いたことがないもの」
「好きな話の内容にそっくり……」
もちろん『ドラゴニアメモリーズ』のことだ。特に何も悪いことはしていないのに倒されてしまっという部分が。
しかしお姉さんの表情は特に変わっていないので話を知らないのかもしれない。何事もなかったかのように話を続けることにした。
「住処ってわかりますか?」
「ごめんなさいね、わからないわ。
でもどこだったかしら、ドラゴン討伐に協力した所があるって。そこだったら知ってる人がいるかもしれないわ」
「協力した所……」
「そうよ。なんでもドラゴンをおびき寄せるのに――あ!思い出したわ!
リル村よ!リル村!」
「ここから近いですか?」
「微妙な距離ね。近いとも遠いともいえないのよ」
行きたいという気持ちが湧き上がってきたが、宿をとっているし今日は昼も回っているので後ろ髪を引いてはいるが諦めるしかない。
ふと、お姉さんがドラゴンを怖がっていないことに気づいた。クラルハイト大陸では言葉を出しただけでも避けられていたのに。
「お姉さんはドラゴンを怖がっていないみたいですけど、大丈夫なんですか?」
「ええ。だって実物を見たことがないし、何か被害を受けたわけでもないもの。私だけじゃなくて他の人たちもそんな感じよ」
「そうなんですね。話題にしちゃいけないのかと思ってました」
「少なくともここは大丈夫よ。他の場所では被害が出ているところもあるみたいだけど」
「他にもドラゴンがいるんですか⁉」
「そりゃあねえ。生息地が限られているだけで沢山いるんじゃないかしら。私も詳しくは知らないけどドラゴンの中でもとっても強いドラゴンたちがいるって。
ホワイトドラゴンもその1体に数えられてたとか……」
ますますホワイトドラゴンがすでにこの世からいないことが信じられなくなる。いったい何に負けてしまっただろうか。リル村の人たちだったら知っているかもしれない。
「わかりました。ありがとうございます」
「あら、もう帰っちゃうの?ゆっくりしていったらいいのに」
「たくさん歩いたから疲れて――」
その時、私のお腹が盛大に鳴った。お姉さんが上品に笑い、私は顔を合わせるのが恥ずかしくて下を向く。
ラディウスはお姉さんを気にしているのか無反応だった。
「お腹空いてるのね?何か食べていって。
あ、もちろんお代はいただくわよ」
このまま帰っても小さくなったパンしかないので、ドラゴンについて教えてもらったお礼も兼ねて銀貨1枚の魚介スープを注文した。
料理がくるまでの間が暇だったので改めて室内を見回すと様々な人が大声でで楽しそうに会話している。中には顔を真っ赤にして酔っぱらっている人もいた。
「は~い、おまたせ~」
お皿からは湯気がモクモクと上がっていて、表面にギッシリ魚の切り身と野菜がスープに浮かんでいる。
「わぁ、おいしそう!」
「ここのオススメ料理よ。最初から頼むなんて目のつけどころがいいわね」
『またウマそうなモンを……』
「いただきまーす!」
一応貴族なので食事マナーには気をつけた。
味付けはしていないようだったが魚と野菜からいいスープが出ていて全く気にならず、あっという間に完食する。
「は~、ごちそうさまでした!」
「よほどお腹が空いてたのね。でも完食してくれて嬉しいわ」
「とってもおいしかったです!」
「それはよかったわ。また来てちょうだいね」
「はい。ありがとうございました!」
ところが酒場を出た私は首を傾げた、てっきり夕方になっていると思っていたのに空は真っ青だったからだ。
「あれ?そんなに時間経ってなかったっけ?」
『経ってるぞ』
ラディウスはそう答えて黙ってしまった。原因を考えているのかもしれない。
クルリと体の向きを逆にして酒場に戻りお姉さんに突っ込んでいく。
「お姉さーん!」
「あら、忘れ物?」
「いいえッ!
今、何時ですか?」
「今?そうねぇ、まだ鐘が5回しか鳴っていないから午後6時は過ぎていないわ」
お姉さんは不思議そうに私を見ていたが、ハッとして大きく頷いた。
「ああ!そういうことね!
ここはね、夜がこないのよ」
「夜がこない……?」
『白夜か……』
「そうなの、白夜って言ってね。
夜がこないからこの町には街灯がなかったでしょう?」
「言われてみれば……」
町の街灯もそうだが、さっき寄った雑貨屋にもロウソクやランタンのような物は見かけなかった。
気にする余裕もなかったが、夜がこないのなら必要ない。
「いつ寝てるんですか?」
「それはもちろん他の大陸の夜と同じ時間よ。ずっと起きてたら体に悪いし」
「そ、そうなんですね」
「明るいと眠りにつきにくいかもしれないけど、頑張ってね」
「はい……。ありがとうございまず」
お姉さんは呼ばれて、バタバタとお客さんのところへ行ってしまった。
用事も済んだのでおとなしく酒場を出る。
「白夜かぁ。遊び放題だね」
『お気楽娘が。夜がこないってのもなかなか大変だと思うぞ』
「そうなの?」
『少なくとも俺はな』
「ふ~ん」
私には何が大変なのかわからなかった。
ヴァイスア大陸で暮らし始めたらわかるのだろうか。
「酒場……ここにもあるんだ」
『だいたい町にはあるんじゃねぇのか?特に船乗りたちにとっちゃ憩いの場だろ。
そういやまだ何も情報集めてねぇな。今のうちにしとくか?』
「うーん……でもなぁ……」
正直、酒場の雰囲気は舞踏会を思い出して苦手だ、しかしラディウスの言うことも最もで、土地勘が全くない私は情報収集をしないといけない。
気は乗らないがドアを押して中に入ると胸元が開いた服を着たお姉さんが声をかけてくる。室内は会話が飛び交っているのはノレトスと一緒だが、
騒がしさはこちらの方が上だ。
「あら、いらっしゃ~い。好きなとこに座ってね~」
『うわ、露出の高い服だな。寒そうだ』
「こ、こんにちは。あの、この辺りに詳しい人っていますか?
初めて来たばかりでわからなくて……」
お姉さんは困ったように眉を下げて唸っていたが、笑顔を作ると私の肩に手を置く。
「じゃあ私が教えてあげる。こう見えてもそこそこ世間には詳しいのよ」
「ありがとうございます!」
「さ、座って座って」
促されるままカウンター席に腰かけて膝の上にラディウスを置いた。
するとお姉さんも隣に座ってニコニコ笑う。
「あら、かわいいぬいぐるみ。
さ、何から話しましょうか?」
「えっと……有名な物ってありますか?」
「有名……有名ねぇ……。
まずこの大陸にはホワイトドラゴンっていう魔物が――」
「詳しく教えてください!」
ドラゴンの言葉に反応して思わず身を乗り出すと女の人は小さく飛び上がった。
「へ?え、ええ……いいけど……ドラゴン好きなの?」
「はい!」
「そうだったの。でも残念ね。けっこう前にホワイトドラゴンは息絶えたっ噂で聞いたわ」
「息絶えた……?」
ビックリして言葉が出てこない私をよそにお姉さんは淡々と話を続ける。
「そうみたいなのよ。でも不思議なのよね。だって20年ここに住んでるけどホワイトドラゴンの被害なんて聞いたことがないもの」
「好きな話の内容にそっくり……」
もちろん『ドラゴニアメモリーズ』のことだ。特に何も悪いことはしていないのに倒されてしまっという部分が。
しかしお姉さんの表情は特に変わっていないので話を知らないのかもしれない。何事もなかったかのように話を続けることにした。
「住処ってわかりますか?」
「ごめんなさいね、わからないわ。
でもどこだったかしら、ドラゴン討伐に協力した所があるって。そこだったら知ってる人がいるかもしれないわ」
「協力した所……」
「そうよ。なんでもドラゴンをおびき寄せるのに――あ!思い出したわ!
リル村よ!リル村!」
「ここから近いですか?」
「微妙な距離ね。近いとも遠いともいえないのよ」
行きたいという気持ちが湧き上がってきたが、宿をとっているし今日は昼も回っているので後ろ髪を引いてはいるが諦めるしかない。
ふと、お姉さんがドラゴンを怖がっていないことに気づいた。クラルハイト大陸では言葉を出しただけでも避けられていたのに。
「お姉さんはドラゴンを怖がっていないみたいですけど、大丈夫なんですか?」
「ええ。だって実物を見たことがないし、何か被害を受けたわけでもないもの。私だけじゃなくて他の人たちもそんな感じよ」
「そうなんですね。話題にしちゃいけないのかと思ってました」
「少なくともここは大丈夫よ。他の場所では被害が出ているところもあるみたいだけど」
「他にもドラゴンがいるんですか⁉」
「そりゃあねえ。生息地が限られているだけで沢山いるんじゃないかしら。私も詳しくは知らないけどドラゴンの中でもとっても強いドラゴンたちがいるって。
ホワイトドラゴンもその1体に数えられてたとか……」
ますますホワイトドラゴンがすでにこの世からいないことが信じられなくなる。いったい何に負けてしまっただろうか。リル村の人たちだったら知っているかもしれない。
「わかりました。ありがとうございます」
「あら、もう帰っちゃうの?ゆっくりしていったらいいのに」
「たくさん歩いたから疲れて――」
その時、私のお腹が盛大に鳴った。お姉さんが上品に笑い、私は顔を合わせるのが恥ずかしくて下を向く。
ラディウスはお姉さんを気にしているのか無反応だった。
「お腹空いてるのね?何か食べていって。
あ、もちろんお代はいただくわよ」
このまま帰っても小さくなったパンしかないので、ドラゴンについて教えてもらったお礼も兼ねて銀貨1枚の魚介スープを注文した。
料理がくるまでの間が暇だったので改めて室内を見回すと様々な人が大声でで楽しそうに会話している。中には顔を真っ赤にして酔っぱらっている人もいた。
「は~い、おまたせ~」
お皿からは湯気がモクモクと上がっていて、表面にギッシリ魚の切り身と野菜がスープに浮かんでいる。
「わぁ、おいしそう!」
「ここのオススメ料理よ。最初から頼むなんて目のつけどころがいいわね」
『またウマそうなモンを……』
「いただきまーす!」
一応貴族なので食事マナーには気をつけた。
味付けはしていないようだったが魚と野菜からいいスープが出ていて全く気にならず、あっという間に完食する。
「は~、ごちそうさまでした!」
「よほどお腹が空いてたのね。でも完食してくれて嬉しいわ」
「とってもおいしかったです!」
「それはよかったわ。また来てちょうだいね」
「はい。ありがとうございました!」
ところが酒場を出た私は首を傾げた、てっきり夕方になっていると思っていたのに空は真っ青だったからだ。
「あれ?そんなに時間経ってなかったっけ?」
『経ってるぞ』
ラディウスはそう答えて黙ってしまった。原因を考えているのかもしれない。
クルリと体の向きを逆にして酒場に戻りお姉さんに突っ込んでいく。
「お姉さーん!」
「あら、忘れ物?」
「いいえッ!
今、何時ですか?」
「今?そうねぇ、まだ鐘が5回しか鳴っていないから午後6時は過ぎていないわ」
お姉さんは不思議そうに私を見ていたが、ハッとして大きく頷いた。
「ああ!そういうことね!
ここはね、夜がこないのよ」
「夜がこない……?」
『白夜か……』
「そうなの、白夜って言ってね。
夜がこないからこの町には街灯がなかったでしょう?」
「言われてみれば……」
町の街灯もそうだが、さっき寄った雑貨屋にもロウソクやランタンのような物は見かけなかった。
気にする余裕もなかったが、夜がこないのなら必要ない。
「いつ寝てるんですか?」
「それはもちろん他の大陸の夜と同じ時間よ。ずっと起きてたら体に悪いし」
「そ、そうなんですね」
「明るいと眠りにつきにくいかもしれないけど、頑張ってね」
「はい……。ありがとうございまず」
お姉さんは呼ばれて、バタバタとお客さんのところへ行ってしまった。
用事も済んだのでおとなしく酒場を出る。
「白夜かぁ。遊び放題だね」
『お気楽娘が。夜がこないってのもなかなか大変だと思うぞ』
「そうなの?」
『少なくとも俺はな』
「ふ~ん」
私には何が大変なのかわからなかった。
ヴァイスア大陸で暮らし始めたらわかるのだろうか。
49
あなたにおすすめの小説
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
転生少女と黒猫メイスのぶらり異世界旅
うみの渚
ファンタジー
ある日、目が覚めたら異世界に転生していた主人公。
裏庭で偶然出会った黒猫に魔法を教わりながら鍛錬を重ねていく。
しかし、その平穏な時間はある日を境に一変する。
これは異世界に転生した十歳の少女と黒猫メイスの冒険譚である。
よくある異世界転生ものです。
*恋愛要素はかなり薄いです。
描写は抑えていますが戦闘シーンがありますので、Rー15にしてあります。
第一章・第二章・第三章完結しました。
お気に入り登録といいねとエールありがとうございます。
執筆の励みになります。
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
公爵令嬢やめて15年、噂の森でスローライフしてたら最強になりました!〜レベルカンストなので冒険に出る準備、なんて思ったけどハプニングだらけ〜
咲月ねむと
ファンタジー
息苦しい貴族社会から逃げ出して15年。
元公爵令嬢の私、リーナは「魔物の森」の奥で、相棒のもふもふフェンリルと気ままなスローライフを満喫していた。
そんなある日、ひょんなことから自分のレベルがカンストしていることに気づいてしまう。
「せっかくだし、冒険に出てみようかしら?」
軽い気持ちで始めた“冒険の準備”は、しかし、初日からハプニングの連続!
金策のために採った薬草は、国宝級の秘薬で鑑定士が気絶。
街でチンピラに絡まれれば、無自覚な威圧で撃退し、
初仕事では天災級の魔法でギルドの備品を物理的に破壊!
気づけばいきなり最高ランクの「Sランク冒険者」に認定され、
ボロボロの城壁を「日曜大工のノリ」で修理したら、神々しすぎる城塞が爆誕してしまった。
本人はいたって平和に、堅実に、お金を稼ぎたいだけなのに、規格外の生活魔法は今日も今日とて大暴走!
ついには帝国の精鋭部隊に追われる亡国の王子様まで保護してしまい、私の「冒険の準備」は、いつの間にか世界の運命を左右する壮大な旅へと変わってしまって……!?
これは、最強の力を持ってしまったおっとり元令嬢が、その力に全く気づかないまま、周囲に勘違いと畏怖と伝説を振りまいていく、勘違いスローライフ・コメディ!
本人はいつでも、至って真面目にお掃除とお料理をしたいだけなんです。信じてください!
普段は地味子。でも本当は凄腕の聖女さん〜地味だから、という理由で聖女ギルドを追い出されてしまいました。私がいなくても大丈夫でしょうか?〜
神伊 咲児
ファンタジー
主人公、イルエマ・ジミィーナは16歳。
聖女ギルド【女神の光輝】に属している聖女だった。
イルエマは眼鏡をかけており、黒髪の冴えない見た目。
いわゆる地味子だ。
彼女の能力も地味だった。
使える魔法といえば、聖女なら誰でも使えるものばかり。回復と素材進化と解呪魔法の3つだけ。
唯一のユニークスキルは、ペンが無くても文字を書ける光魔字。
そんな能力も地味な彼女は、ギルド内では裏方作業の雑務をしていた。
ある日、ギルドマスターのキアーラより、地味だからという理由で解雇される。
しかし、彼女は目立たない実力者だった。
素材進化の魔法は独自で改良してパワーアップしており、通常の3倍の威力。
司祭でも見落とすような小さな呪いも見つけてしまう鋭い感覚。
難しい相談でも難なくこなす知識と教養。
全てにおいてハイクオリティ。最強の聖女だったのだ。
彼女は新しいギルドに参加して順風満帆。
彼女をクビにした聖女ギルドは落ちぶれていく。
地味な聖女が大活躍! 痛快ファンタジーストーリー。
全部で5万字。
カクヨムにも投稿しておりますが、アルファポリス用にタイトルも含めて改稿いたしました。
HOTランキング女性向け1位。
日間ファンタジーランキング1位。
日間完結ランキング1位。
応援してくれた、みなさんのおかげです。
ありがとうございます。とても嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる