【R18】一目惚れされた俺！恋人は俺だけに甘いスパダリだった！

# 41ー友情ー

「ただ単に、今まで桜井さんの担当は俺だったって話したら、変わってくれただけだよ。今までの入院と関係してたからな」

　自分の部屋に戻ると、望は電気をつけて仕事を始めた。

「関係？　え？　今回は何があったんだ？」

「あー……それな。簡単に言うと、桜井さんには坂本さんっていう親友がいただろ？　そいつが自殺しようとして、桜井さんが止めに入ったところで誤って刺さってしまったらしいんだよな」

「へぇー、そうだったんだ……で、その坂本さんはどうなったんだ？」

「さっき警察の人が来てたみたいだから、今頃は警察署の中なんじゃねぇのかな？　そこまで俺も詳しくは聞いてないや」

「そっか……それなら、俺が奴に聞いてやってもいいぜ」

「え？　いいよ……お前に頼むとろくな事にならないからさ」

　望は半分冗談のつもりで、和也を睨むように見る。

「フフ……俺の行動はバレバレだってかー！」

　和也は笑いながら軽口を返す。

「別に……もうそういうのは無し！　無し！　そうそう！　俺は望の側で働けるっていうだけで十分幸せなんだからさ」

　そう言うと和也は、望との間にある電話を取って知り合いの白井に連絡を入れた。
　そして少しして電話を切ると、望の方へ振り向きながら言う。

「うん……事情は分かった。桜井さんは、自殺しようとしていた坂本さんを止めに入って、腹に包丁が刺さった。でもな、加害者の方も焦ったらしいんだよ。そう、今まで桜井さんにしてたことは“脅し”だけで、本気で殺すつもりはなかったって。だから桜井さんが刺された後、救急車を呼んで、自分も自首したらしいぜ」

「そうだったのかー……やっと、今までの話が繋がったよな。はぁー、これで一安心だなっ！　とりあえず犯人は捕まったみたいだし、仕事も終わったし！　さてと、帰るかな？」

　と、その時。
　部屋の電話が突然鳴り響いた。どうやら内線のようだ。望はすぐに受話器を取る。

「はい！」

『今すぐに桜井さんの病室までお願いします！』

「え！？」

　言葉を聞くやいなや、もう電話は切れていた。

「ちょ、俺、桜井さんのとこに行ってくるわぁ！」

「……へ？　今の電話、桜井さんに何かあったのか！？」

「いや、分からない。あっちも急ぎだったのか、すぐに電話切っちゃってたからさ！」

「そっか……じゃなくて！　俺も行くって！」

「ああ……おう、そうだったな」