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第 18話 選択の時
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新しく手に入れた剣技スキルはめちゃ役に立つ、実際にダンジョンの中で使ってみてわかったことだが、このスキル、なんと衝撃波に必中効果が乗るのだ。
と、言うことは離れた間合いから相手にダメージを与えられると言うことで、先制できれば一方的にモンスターを攻撃できるのだ。
しかも、その先制も鈴音の探知スキルで容易にできるとあって、俺達はボスが待ち構えている5階層にあっという間に辿り着いた。
「このダンジョンに出るモンスターの強さってこの程度だったかしら」
そうサラが呟く
ここまでサラの出番はほとんどない、それは良いことなのだが、自分の役割を鈴音に取られたようで少しサラは不満ぎみ
「これからが本番だ、気を抜くな」
ボス部屋を前にいつもは人は人、自分は自分と余り口を出さない蒼志が珍しく激を飛ばす
「?」
最初から全開でボスと戦うつもりの俺達はいきなり出鼻を挫かれる
6階層の入り口を塞ぐ形で待ち構えている筈のボスの姿が見当たらない
「・・探知スキルにも引っかからない」
鈴音がボソッと呟く、蒼志を殺すのは自分であって他の者に手を出されるのは我慢できないらしい
とりあえずダンジョンの中では鈴音は俺達に協力してくれるよう
このまま、すんなり通してくれるならどんなに楽か、しかし、このダンジョンは甘くない、俺達はまわりを警戒しながら部屋を進む
皆がたびたび背後を振り返る
6階層の入り口に着いた途端に後ろからボスに襲い掛かられてはたまらないからだ。
何事もなく6階層の入り口に着いてしまった俺達だが、これはこれで困った事態、俺達がボス部屋を素通りでは後からくる輸送隊がボスの不意打ちを恐れてこの先ついてきてくれないだろう
俺達はボスの痕跡を探す為に無駄にこのボス部屋の中を歩き回り余計な時間を過ごすことになったが、これから起こる事を考えると穏やかな時だったのかもしれない
5階層まで来ている輸送隊にボス部屋は安全だと伝えるついでに輸送した食材を使って豪勢な食事をとった。
まさかダンジョンの中でこんな食事にありつけるとは、いつもは干し肉を茹で戻したスープぐらいな物しか口にできないサラは上機嫌で饒舌になり普段なら話さないことを喋り出す
「このダンジョンの攻略が終わる頃にはちょうど母さんの誕生日なの」
「プレゼント、何がいいかな」
食事をとっている最中にサラが不意に俺に話しかけてくる
「きみが無事に帰ってくる事が1番のプレゼントじゃないか」
俺はそれ(無事に帰ってくる)って死にフラグだぞと言う言葉を呑み込んでサラにありきたりの返事を返した。
この食事休憩は俺達の鋭気を養うには充分で一気に次のボス部屋と思われる階層までの攻略に役に立った
10階層、奴は再び俺達の前に現れた
「いい加減、やられてくれないかな」
サラが額の汗を拭いながら呟く
汗の理由は熱いからではない、ボスが放つ威圧のせいだ、ボスが放つオーラは俺達を黙らすには充分だった、蒼志は無言で刀を握りしめて戦闘態勢をとると鈴音に何やら合図を送っている
蒼志と鈴音、狙い狙われる立場とは思えない程、息が合っている
「なぁ、蒼志、お前たちって・・・」
「くるぞ!」
蒼志の言葉が俺の言葉を遮る、俺達はボスを中心に散開すると何度も話し合った作戦を実行する
俺がボスの正面に立ちボスの注意を引きつけて、その隙に鈴音と蒼志がボスの背後に回り込む、もしかしたらボスの一撃があるかもしれないが今の俺の盾なら問題ないしサラの補助魔法も効いている。
「こちらから仕掛けてみるか?」
このボスに衝撃波が効くとは到底思えないが蒼志と鈴音の助けになればやってみる価値はある
俺は盾を握り直すと半身に構え渾身の一撃を放った
ボスに衝撃波がまともに当たる、何らかのアクションをとるものと考えていた俺はなんだか面を食らってしまった。
「このまま倒せる?」
つい最近まで自分の弱さに嘆いていた男のセリフとは思えない言葉が口から出る
まだ体力は充分にある、このまま力押しだ!
「一気に行くぞ」
俺は二撃目の衝撃波を放つとそれに合わせて蒼志と鈴音が動く、ボスの死角からの同時攻撃。
元々は俺が囮になってのボスの背後からの攻撃だったのが、今は俺の衝撃波が加わっての3方向からの攻撃である。
しかもこの攻撃の肝は鈴音にあった。
しいて言うなら俺はおろか蒼志でさえ囮なのである
鈴音の攻撃は技の威力こそないが状態異常攻撃で、この攻撃を食らった相手は毒や麻痺といったデバフ効果にかかってしまう。
毒や麻痺で相手を充分に弱らせてからトドメをさす、まさに忍者の鈴音に相応しい戦い方だ、しかも今回の毒はボスに合わせてのスペシャルブレンド、いくらボスとてこれを食らって無事な筈はない。
後は動きが鈍くなった所をサラが攻撃魔法で更に弱めて蒼志がボスの急所に一撃を入れて終わりだ。
ここまでは上手くいっている。
またしても俺の衝撃波はボスに当たり、ボスの背後から蒼志と鈴音がぐんぐんボスに迫る。
その時、ボスが初めて動く。
奴は俺を見据えたまま後ろを振り返りもせずに蒼志と鈴音に向かって空破斬を放った。
元々、蒼志も鈴音も防御タイプではない、しかも今回は攻撃に入ったタイミングでは避けようが無い。
蒼志は難なく床面に叩き落とされ、鈴音は俺の左横まで吹き飛ばされた。
「鈴音! 動けるか!」
俺の質問に返事は無い。
この後、ボスの攻撃がくるのは予想できる、俺が守らなければ鈴音は確実にやられる。
サラは?
俺は後方にいる筈のサラを目で探した。
その時、俺の右側に気配を感じる、サラだ。
サラは俺達の攻撃に合わせて魔法攻撃をするために魔法の射程までボスとの間合いを詰めていた。
ボスが大剣を上段に構える。
ボスの渾身の一撃が来る。
いつの世も順調に進んだ先には落とし穴があるもので、まさかこのようなかたちになるなんて。
あの剣撃は俺の盾以外では防げない。
サラと鈴音、2人同時には救えない。
選択の時
救うべきはサラか鈴音か?
と、言うことは離れた間合いから相手にダメージを与えられると言うことで、先制できれば一方的にモンスターを攻撃できるのだ。
しかも、その先制も鈴音の探知スキルで容易にできるとあって、俺達はボスが待ち構えている5階層にあっという間に辿り着いた。
「このダンジョンに出るモンスターの強さってこの程度だったかしら」
そうサラが呟く
ここまでサラの出番はほとんどない、それは良いことなのだが、自分の役割を鈴音に取られたようで少しサラは不満ぎみ
「これからが本番だ、気を抜くな」
ボス部屋を前にいつもは人は人、自分は自分と余り口を出さない蒼志が珍しく激を飛ばす
「?」
最初から全開でボスと戦うつもりの俺達はいきなり出鼻を挫かれる
6階層の入り口を塞ぐ形で待ち構えている筈のボスの姿が見当たらない
「・・探知スキルにも引っかからない」
鈴音がボソッと呟く、蒼志を殺すのは自分であって他の者に手を出されるのは我慢できないらしい
とりあえずダンジョンの中では鈴音は俺達に協力してくれるよう
このまま、すんなり通してくれるならどんなに楽か、しかし、このダンジョンは甘くない、俺達はまわりを警戒しながら部屋を進む
皆がたびたび背後を振り返る
6階層の入り口に着いた途端に後ろからボスに襲い掛かられてはたまらないからだ。
何事もなく6階層の入り口に着いてしまった俺達だが、これはこれで困った事態、俺達がボス部屋を素通りでは後からくる輸送隊がボスの不意打ちを恐れてこの先ついてきてくれないだろう
俺達はボスの痕跡を探す為に無駄にこのボス部屋の中を歩き回り余計な時間を過ごすことになったが、これから起こる事を考えると穏やかな時だったのかもしれない
5階層まで来ている輸送隊にボス部屋は安全だと伝えるついでに輸送した食材を使って豪勢な食事をとった。
まさかダンジョンの中でこんな食事にありつけるとは、いつもは干し肉を茹で戻したスープぐらいな物しか口にできないサラは上機嫌で饒舌になり普段なら話さないことを喋り出す
「このダンジョンの攻略が終わる頃にはちょうど母さんの誕生日なの」
「プレゼント、何がいいかな」
食事をとっている最中にサラが不意に俺に話しかけてくる
「きみが無事に帰ってくる事が1番のプレゼントじゃないか」
俺はそれ(無事に帰ってくる)って死にフラグだぞと言う言葉を呑み込んでサラにありきたりの返事を返した。
この食事休憩は俺達の鋭気を養うには充分で一気に次のボス部屋と思われる階層までの攻略に役に立った
10階層、奴は再び俺達の前に現れた
「いい加減、やられてくれないかな」
サラが額の汗を拭いながら呟く
汗の理由は熱いからではない、ボスが放つ威圧のせいだ、ボスが放つオーラは俺達を黙らすには充分だった、蒼志は無言で刀を握りしめて戦闘態勢をとると鈴音に何やら合図を送っている
蒼志と鈴音、狙い狙われる立場とは思えない程、息が合っている
「なぁ、蒼志、お前たちって・・・」
「くるぞ!」
蒼志の言葉が俺の言葉を遮る、俺達はボスを中心に散開すると何度も話し合った作戦を実行する
俺がボスの正面に立ちボスの注意を引きつけて、その隙に鈴音と蒼志がボスの背後に回り込む、もしかしたらボスの一撃があるかもしれないが今の俺の盾なら問題ないしサラの補助魔法も効いている。
「こちらから仕掛けてみるか?」
このボスに衝撃波が効くとは到底思えないが蒼志と鈴音の助けになればやってみる価値はある
俺は盾を握り直すと半身に構え渾身の一撃を放った
ボスに衝撃波がまともに当たる、何らかのアクションをとるものと考えていた俺はなんだか面を食らってしまった。
「このまま倒せる?」
つい最近まで自分の弱さに嘆いていた男のセリフとは思えない言葉が口から出る
まだ体力は充分にある、このまま力押しだ!
「一気に行くぞ」
俺は二撃目の衝撃波を放つとそれに合わせて蒼志と鈴音が動く、ボスの死角からの同時攻撃。
元々は俺が囮になってのボスの背後からの攻撃だったのが、今は俺の衝撃波が加わっての3方向からの攻撃である。
しかもこの攻撃の肝は鈴音にあった。
しいて言うなら俺はおろか蒼志でさえ囮なのである
鈴音の攻撃は技の威力こそないが状態異常攻撃で、この攻撃を食らった相手は毒や麻痺といったデバフ効果にかかってしまう。
毒や麻痺で相手を充分に弱らせてからトドメをさす、まさに忍者の鈴音に相応しい戦い方だ、しかも今回の毒はボスに合わせてのスペシャルブレンド、いくらボスとてこれを食らって無事な筈はない。
後は動きが鈍くなった所をサラが攻撃魔法で更に弱めて蒼志がボスの急所に一撃を入れて終わりだ。
ここまでは上手くいっている。
またしても俺の衝撃波はボスに当たり、ボスの背後から蒼志と鈴音がぐんぐんボスに迫る。
その時、ボスが初めて動く。
奴は俺を見据えたまま後ろを振り返りもせずに蒼志と鈴音に向かって空破斬を放った。
元々、蒼志も鈴音も防御タイプではない、しかも今回は攻撃に入ったタイミングでは避けようが無い。
蒼志は難なく床面に叩き落とされ、鈴音は俺の左横まで吹き飛ばされた。
「鈴音! 動けるか!」
俺の質問に返事は無い。
この後、ボスの攻撃がくるのは予想できる、俺が守らなければ鈴音は確実にやられる。
サラは?
俺は後方にいる筈のサラを目で探した。
その時、俺の右側に気配を感じる、サラだ。
サラは俺達の攻撃に合わせて魔法攻撃をするために魔法の射程までボスとの間合いを詰めていた。
ボスが大剣を上段に構える。
ボスの渾身の一撃が来る。
いつの世も順調に進んだ先には落とし穴があるもので、まさかこのようなかたちになるなんて。
あの剣撃は俺の盾以外では防げない。
サラと鈴音、2人同時には救えない。
選択の時
救うべきはサラか鈴音か?
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