さくらのおぼえた言葉はありがとう。

木南 鷹

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高校一年生

第三話 入学式

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ホームルームを終えて入学式が始まる。
ゆきは保護者席でソワソワしながらさくらを待つ。

「新入生入場」

いよいよさくらが体育館に入場する。
みんなが緊張でカチコチになりながら歩みを進める中、さくらはルンルンで入場してきた。

(良かった……今の所問題なさそうだな)

少し安心したゆきはパイプ椅子にもたれた。

先生の名前呼びが始まる。元気よくはいっ!っと言っている子も居れば、かっこ付けてるのか、気の抜けた返事をしている子も居る。

いよいよ、さくらの座っているクラスの番。

(さくら頑張れ)

こういう時何となく応援したくなる兄心。

「続いて一年 三組」

 「相田 幸樹」 「はいっ!」

「飯村 孝」 「はい」

「井澤 真理」 「はいっ!」

「汐 瑞希」 「はいっ!」

「川奈 のの」 「あ、は、はいっ!」

(あの子緊張してるな座ってうずくまったぞ)
さくらも心配だが別の子の心配もするゆき。

「桐緒 彩」 「はぁ~い」

(いかにもヤンキー女子だな……避けては通れなさそうなだな……さくら……)

「久米 裕也」 「はい」

「佐藤 泉」 「はい!」

「島田桃也」 「ほーい」

(完全にアホだな……アホ故にさくらが変に絡まれないか心配だ……)

「白玉 由美」 「はぁ~い」

(穏やかそうな子だ、この子さくらの友達になってくれないかなぁ)

「鈴木 輝男」 「はい」

「高良 真也」 「はいっ!」

(たから……金持ちそう……偏見だが)

「田中 美菜子」 「はい!」

「筒村 翔平」 「う~す」

(さくら……こいつも難関だ!頑張れ!)

「冨原 絵里」「あんたちゃんと返事出来ないの!?あ、はい!!」

(絵里さん、さくらをこれから守ってくれ!)

「中川 康太」 「はいっ!」(隣の女こわっ……)

「根岸 海斗」 「はいっ!」(絵里さんには逆らわない様にしよう)

「野高 明菜」 「はーいな!」

(独特な子だな、ふざけてる様には見えないからあれが素なのか?さくらのいい友達になりそう?)

「陽山 和市」「ふぇ~い」

(あいつ、入学式に棒飴咥えながら返事しやがったぞ……あっ教師に連行されてく……)

「福田 紗季」 「はい!」

「細川 徹」 「はい」

(さくらの番だ!控え目に控え目にいい感じのボリュームでムーだぞ……入学式前に一週間、毎日練習したからな)

「真城 さくら」 「…………」

「真城 さくら」「…………」

さくらは名前を呼ばれるが、ウキウキしながら体を揺らしているだけだった。

(しまった!そうだよ!さくら言葉を理解出来ないんだよ!知り合いの理事長に任せっきりだった!何か対策を取ってくれてると勝手に思い込んでた!ヤバイぞ!……ん?さっきの緊張しまくってた女の子がさくらに向かって口パクしている……さくらの読唇術を知ってるのか!?)

のの、の口パクを見てさくらは思いっきり元気に返事をする。

「まし」 「ムーーーッ!!」

思いっきり教員と被り会場は変な空気に包まれた。

(ハハハ……さくら……楽しそうで何より……)

教員は何事も無かったかのように名前呼びを再開。

「目鷹 桃花」 「ムーーーッ!!」

(あれは!?理事長の娘さん!!さくらを庇ってくれたのか……ありがたい……)

再び謎の空気に包まれたが、直ぐに再開。

「八坂 誠」 「は、はい……」

(まぁ、そりゃ困惑するよな……)

「山田 梨々」 「はい」

「湯川 蛍」 「ムーーーッ!!」

(完全にあの子はノリで言ったな、周りも動じなくなってきてる……ありがたいことか)

「陸田 鉄雄」 「押守ッ!!」

(部活じゃないぞー、なんか自由になってきてないか?)

「若菜 真央」 「ふぁ~い」(ヤベ、あくびと被った)

(あくびで挨拶する子まで出てきたぞ)

「以上!一年三組28名」

その後、校長先生の挨拶やらなんやら定番の流れが終わった。新入生は退場し、教室に戻っていく。保護者も一緒にホームルームをやって終わりだ。

入学式を終えてゆきとさくらは帰り支度をする。
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