好き勝手スローライフしていただけなのに伝説の英雄になってしまった件~異世界転移させられた先は世界最凶の魔境だった~

狐火いりす@商業作家

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第28話 銀行強盗事件発生!

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「銀行強盗発生了解。犯人と状況は?」

「犯行グループは“死神”。通報によると多数の市民が人質に取られているとのことです!」

 副署長は慌てることなく必要な情報を聞き出す。
 さすが副署長って感じだな。
 冷静だ。

 にしても、本物の銀行強盗が発生するとはなー。
 警察のイベントとかぶせるあたり相当な自信があるのだろうか。

「副署長、俺たちは帰ればいいのか?」

「イベントは中止だけどできればアンタたちには手伝ってほしいわ。神獣と、水竜王を倒せる実力者なんて即戦力すぎるからね」

「おうおうおう、俺を忘れてもらっちゃあ困るぜ。イベント中止なら俺も連れてってくれよ。たっけェ参加費払ったんだからよォ!」

 俺たちと同じく体験イベントに参加していた秀俊ひでとしが話に割って入ってきた。
 やっぱ態度デケェなコイツ。

「……仕方ないからアンタも連れてってやるわ。肉壁として頑張りなさい」

「俺はビッグだから肉壁なんてちっぽけな枠には収まらねェぜ! ところで銀行強盗対応なんだから武器は支給されないのかよ?」

「体験にいきなり銃器を渡すのは危険すぎてできないわ」

「では、君にはこれを与えよう。秀俊くん」

 1号が【アイテムボックス】から二メートル超えの巨大しゃもじを取り出した。

「警察専属メカニックの4号が作った武器、その名も“笹テックしゃもじ”だ!」「笹テックシリーズはどれも強力だぜ!」「アタシたちも使ってるんすよ! ちな、1号が笹テックソード、2号が笹テックメイス、アタシが笹テックアローっす!」

「ビッグな俺に相応しい武器だな。犯罪者全員、明日から米しか食えねェ体にしてやるよ!」

 秀俊は巨大しゃもじを気に入った様子で担いだ。
 それでいいのか……。

「副署長、俺たちのできることを伝えたいんだがどういう役割がこなせると嬉しいとかあるか?」

「そうね。普段警察の索敵追跡班してるやつが今日ちょうど非番で遠出してるから、索敵なんかができるとありがたいわ」

「そういうことならぴったりなのがあるぜ!」

 俺は警察署の外に副署長を連れていく。
 他の署員たちもなんだなんだとついてきた。

「テッテレー♪ 警察ヘリ~!」

 俺は警察ヘリを【創造】した。
 この前ラジコンヘリで釣りをした時に使ったやつを実用ヘリに改造してみたぜ!

 お前にはハンバーグステーキ定食号の名前を授けよう!

「カッコいいわね、これ。どういった用途で使うのかしら?」

「これは空を飛べる乗り物だ。静音プロペラ採用&光学迷彩ステルス機能によって高い隠密性を実現! サーマルで敵の位置もばっちり把握! ついでに機関銃も搭載しておいたぜ!」

「サーマルで敵を把握というのは具体的にどんな感じなの?」

「生物から発せられる熱を視認できるって感じだ。建物の中にいる相手でも場所を把握できるぜ」

「なるほど。わかったわ」

 ヘリの情報に加えて、俺たちができることも伝える。
 副署長は素早く情報を整理して指示を出した。

「いつも通りIGLは私が担当する。ヘリ部隊は私、零華、なぎさ、コンちゃん。ヘイヘイを高所に配置するから同乗するように。銀行周辺の敵見張り部隊&ラーク遊撃は、3号、シュラフ、ヘイヘイ、シロナ、ゴリマックスたちで対応」

 ヘリの運転は零華、俺はそのサポートだ。
 コンちゃんには警官たちのバフをしてもらう。

「銀行正面入り口から2号、スタイリッシュ横島、大トロモンスターたちが陽動として突入。本丸は1号、ふわっち、たけお、大介、龍之介の五人。隠し通路から突入して地下金庫まで進み敵を殲滅する。院長は後方待機。以上が作戦よ。後は現地で状況を見ながら適宜指示出しするわね」

「「「「「了解ッ!!!」」」」」

「なぎさたちにはこれを支給するわ。4号が作った無線通信機と呪いの手錠よ」

「サンキュー!」

 俺たちは即座に行動を開始。
 ヘリに乗り込んでブルーオーシャン中央銀行に向かう。
 その道中、銀行強盗犯について副署長に話を聞いた。

「死神ってのはこの国で一番巨大なギャング組織よ。王都がメインの活動場所で、私たち王都警察が唯一検挙できていない犯罪組織なの」

「強いのか?」

「直接ボスと対峙できればブチ殺してやれるんだけどね、実行犯の“NINZYA”って野郎がクソ面倒なのよ。【光学迷彩ステルス】、【完全隠密】、【無音移動】、【無臭】のせいでただでさえ居場所が掴めないのに、【短距離転移】とかいうスキルまで持っててさぁ」

「あー、扉とか開けなくても移動できるから気づかれずに逃げられるのか」

「そういうこと。ただ、サーマルの熱源感知ならNINZYAの隠密を破れるかもしれないわ」

 話しているうちに銀行に到着。
 周辺の建物の屋上などに銃を持って武装している人間の姿があった。

「このサーマルっての便利ね。敵の位置と様子が筒抜けだわ」

 銀行内のエントランスロビーに手を上げた市民が集められており、その周りには銃を構えたポーズの人間たちが立っている。
 地下の金庫エリアに人質はいなさそうだ。
 指示出しっぽい感じの動きをしているやつがおそらくNINZYAだろう。

「あいつは間違いなくNINZYAよ。体格のシルエットが前に遭遇した時と一緒だわ」

「地図と見比べてみた感じまだ金庫は突破されてなさそうだね」

「銀行周辺の敵の位置、把握完了。私は3号たちに位置取りの指示を出すから、その間にこの周辺で一番高い建物上にヘイヘイを配置して」

『了解! 我の運転にお任せあれ!』

 ヘイヘイをポジション取りさせている間に、シロナたちラーク対策班も配置が完了した。

 俺たちは再び銀行をサーマルで偵察する。
 NINZYAたちはちょうど金庫の中を漁っている様子だった。

「みんな準備はいい?」

「(敵の位置把握できました! ラーク対策班いつでもいけます!)」

「(陽動班も準備OK! 敵に気づかれることなく銀行付近の建物に潜伏しています!)」

「(制圧班、地下通路にて待機完了!)」

 副署長が尋ねると、すぐに無線から応答がきた。
 さあ、事件対応開始だ。


「死神の連中を今回こそブッ潰すわよ!!!」


 俺たちは一斉に動き出した!

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