許したと思っていたのかしら?──学園に精霊のアイス屋さんを開いた伯爵令嬢

nanahi

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18 解雇勧告状

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「学園長先生に言いつけるわ。」

グリアが取り巻きたちとこそこそと話しています。

「あの女の素行が悪いからアイス屋を首にしてもらうのよ。」

「くすくすくす。」

グリアたちは愉快そうに忍び笑いをしました。

そうして数日後、私の会社に学園長先生からお手紙が届きました。

- - - - - - - 

○解雇勧告状

アイスクリーム販売店「ジュリーアイス株式会社」 代表取締役社長 殿

私はローゼンタール学園の運営を預かる学園長でございます。

さて、本日は貴店にて雇用されているジュリエットという娘について、我が学園としての公式な「懸念」をお伝えせねばなりません。

本学園の優等生であり、将来を嘱望されるグリア嬢より、ジュリエットの素行不良に関する詳細な報告を受けております。

複数の男子生徒に色目を使い、令嬢たちの悪い見本となっているとのこと。

これは学園の風紀を乱すのみならず、彼女が務める貴店の名誉をも著しく損なう事態であると推察いたします。

早急にしかるべき処置(解雇)を下し、その旨をご報告いただけるものと期待しております。

ジュリエットという「毒」を早々に取り除き、貴店が再び清廉な場所に戻ることを切に願っております。

ローゼンタール学園長 ジル・カレントンより

- - - - - - - 


「はあ…………。」

社長室の椅子に座ってこの手紙を読んだ私は深いため息をつきました。

表向きは代表取締役社長として私の名は伏せており、公表されているのは副社長のビジネスパートナーだけでしたので、学園長先生は私が社長だとは夢にも思っていないのでしょう。

「社長、どうなさいますか?」

秘書のユンが私に声をかけてきました。

「わたくしのことを”毒”とおっしゃっているわ。そこまでおっしゃるのならこちらにも考えがあるわ。」

私は鋭く視線を上げユンに命じました。

「副社長のディエル侯爵と事前打ち合わせを設けて頂戴。」
「かしこまりました。」

私は椅子から立ち上がり、高いビルの窓から外を眺めました。王都の一等地にあるジュリーアイスの本社ビル。遠くに王城とローゼンタール学園の尖塔が見えます。

ここは私の戦場です。一年前の絶望から立ち上がり、私はここまで参りました。

「わたくしはもう、あの時のようなただ泣くだけの令嬢ではありませんわ。」

そう、グリアの顔を思い浮かべながら強く一点を見つめておりました。



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