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29 処分
証言が全て終わり審議の結果いよいよ処分が下されることとなった。
「それでは処分を言い渡す」
陛下が重々しく口を開いた。メアリは神妙にするどころか私は無罪だと叫び続けている。
「まず、アダムス・アッシュフォード。
オースト家の重要性を知りもせず王国法を破りエバンジェリンを裏切り、ルミナーレ王国とゼオマ帝国の関係を危うくした罪は非常に重く極刑に値する。
しかし心優しいエバンジェリンから極刑は望まぬとの意向を受け取っている。よってアダムスは悪女メアリに騙されていた件も勘案し、アッシュフォード男爵家は爵位剥奪、財産没収の上婚約破棄の違約金とし、一家全員島流しとする」
「し、島流し!??そんな──」
アダムスは脳天を突かれるようなショックを受けた。島流しは王国では重罪人が受ける刑罰の一つだった。減刑してもらえるなら禁錮5年くらいかなとアダムスは軽く考えていたのにこの結果は命を取られないだけマシということだった。
エバンジェリンがアダムスを見た。その視線は哀れみをたたえ同時にアダムスに「さよなら」を言っているようだった。
「次にメアリ・キャシー。
これまで多くの者に迷惑をかけエバンジェリンの婚約者であるアダムスをたぶらかし婚約破棄に追い込んだばかりか、従者仲間のデイジーを騙して川におびき寄せ口封じに殺害を試みた罪は極めて重い。
また国の食糧庫を何度も空にし多大な国費を無駄にした上、これまで犯した罪を顧みないどころか常に自身を正当化し罪を認めない態度は非常に由々しきものがある。
よってメアリに囚人および家畜の残飯喰らいの刑に処す。一皿も残す事は許さぬ!!」
下された刑にメアリは不服を唱えた。
「汚れた囚人と家畜の食べ残しですって!!か弱い私に残飯なんていくら何でも酷すぎます!私は悪くありません!全てオースト家の陰謀です!」
「この期に及んでまだ言うか!エバンジェリンの温情で死罪を免れただけでも有り難く思わねばならんのだぞ!」
全く懲りない態度に怒った陛下を見てメアリははっと何かを思いついた顔をした。
「待って!財産は!?私のウエディングドレスや王室御用達の食器家具類に王都一等地の新居なんかはそのまま私のものになるんですよね?」
「こんの愚か者がっっ!そんなものとうに解約済みになっておるわ!!」
陛下の雷神のような怒号に広間の壁がビリビリと揺れた。一同がびくりと身を固くする。普段は民にとても優しく温厚な陛下が額に青筋を立て鬼の形相で憤怒している。それでもメアリはどうして怒られたのか理解ができずキョトンとしている。
「そうだ、忘れておったわ。エバンジェリンの名を語り合計100億リラもの高額商品を買おうと目論んだ詐欺の罪も加えねばな。引っ立てよ!!!」
陛下の号令で兵たちに腕を掴まれたメアリは抵抗して暴れた。
「助けてアダムス様あっ!これは国の横暴です!私とアダムス様を引き裂くための卑怯なオースト家の陰謀です!!」
メアリはアダムスに精一杯手を伸ばした。
「う……っ」
汗と涙にまみれ髪を振り乱したメアリがアダムスにはひどく醜く感じられアダムスは手を差し伸べもせずメアリからついっと目を逸らした。
「え?」
当然のようにアダムスが自分の味方をしてくれると思っていたメアリは目を疑った。
「私のこと、妻にしてくれるんですよね?」
「……」
アダムスは押し黙ったままそっぽを向いている。
嘘よ。
私、見捨てられた──?
アダムスに捨てられたことにメアリはようやく気づいた。
「あ、アダムス様っ!アダムス様ああああ!!!」
獣のようにまだわめき散らしているメアリは問答無用に兵たちに連行されて行った。
「さよなら、メアリ」
アダムスはそっとメアリの背中にささやいた。後には吠えまくっていた猛獣が急に居なくなったかのようにしんとした静寂だけが残った。
「それでは処分を言い渡す」
陛下が重々しく口を開いた。メアリは神妙にするどころか私は無罪だと叫び続けている。
「まず、アダムス・アッシュフォード。
オースト家の重要性を知りもせず王国法を破りエバンジェリンを裏切り、ルミナーレ王国とゼオマ帝国の関係を危うくした罪は非常に重く極刑に値する。
しかし心優しいエバンジェリンから極刑は望まぬとの意向を受け取っている。よってアダムスは悪女メアリに騙されていた件も勘案し、アッシュフォード男爵家は爵位剥奪、財産没収の上婚約破棄の違約金とし、一家全員島流しとする」
「し、島流し!??そんな──」
アダムスは脳天を突かれるようなショックを受けた。島流しは王国では重罪人が受ける刑罰の一つだった。減刑してもらえるなら禁錮5年くらいかなとアダムスは軽く考えていたのにこの結果は命を取られないだけマシということだった。
エバンジェリンがアダムスを見た。その視線は哀れみをたたえ同時にアダムスに「さよなら」を言っているようだった。
「次にメアリ・キャシー。
これまで多くの者に迷惑をかけエバンジェリンの婚約者であるアダムスをたぶらかし婚約破棄に追い込んだばかりか、従者仲間のデイジーを騙して川におびき寄せ口封じに殺害を試みた罪は極めて重い。
また国の食糧庫を何度も空にし多大な国費を無駄にした上、これまで犯した罪を顧みないどころか常に自身を正当化し罪を認めない態度は非常に由々しきものがある。
よってメアリに囚人および家畜の残飯喰らいの刑に処す。一皿も残す事は許さぬ!!」
下された刑にメアリは不服を唱えた。
「汚れた囚人と家畜の食べ残しですって!!か弱い私に残飯なんていくら何でも酷すぎます!私は悪くありません!全てオースト家の陰謀です!」
「この期に及んでまだ言うか!エバンジェリンの温情で死罪を免れただけでも有り難く思わねばならんのだぞ!」
全く懲りない態度に怒った陛下を見てメアリははっと何かを思いついた顔をした。
「待って!財産は!?私のウエディングドレスや王室御用達の食器家具類に王都一等地の新居なんかはそのまま私のものになるんですよね?」
「こんの愚か者がっっ!そんなものとうに解約済みになっておるわ!!」
陛下の雷神のような怒号に広間の壁がビリビリと揺れた。一同がびくりと身を固くする。普段は民にとても優しく温厚な陛下が額に青筋を立て鬼の形相で憤怒している。それでもメアリはどうして怒られたのか理解ができずキョトンとしている。
「そうだ、忘れておったわ。エバンジェリンの名を語り合計100億リラもの高額商品を買おうと目論んだ詐欺の罪も加えねばな。引っ立てよ!!!」
陛下の号令で兵たちに腕を掴まれたメアリは抵抗して暴れた。
「助けてアダムス様あっ!これは国の横暴です!私とアダムス様を引き裂くための卑怯なオースト家の陰謀です!!」
メアリはアダムスに精一杯手を伸ばした。
「う……っ」
汗と涙にまみれ髪を振り乱したメアリがアダムスにはひどく醜く感じられアダムスは手を差し伸べもせずメアリからついっと目を逸らした。
「え?」
当然のようにアダムスが自分の味方をしてくれると思っていたメアリは目を疑った。
「私のこと、妻にしてくれるんですよね?」
「……」
アダムスは押し黙ったままそっぽを向いている。
嘘よ。
私、見捨てられた──?
アダムスに捨てられたことにメアリはようやく気づいた。
「あ、アダムス様っ!アダムス様ああああ!!!」
獣のようにまだわめき散らしているメアリは問答無用に兵たちに連行されて行った。
「さよなら、メアリ」
アダムスはそっとメアリの背中にささやいた。後には吠えまくっていた猛獣が急に居なくなったかのようにしんとした静寂だけが残った。
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