亡命聖女─アンデッドを祓える力は内緒だけど、隣の大陸の王陛下が溺愛してくる

nanahi

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一度魔女の烙印を押されたローザリアは再び聖女として返り咲いた。しかも、古代王家の女王であるという付加価値を得て。


「ああ悔しい!ああ腹が立ちますわ!!」


どんなに吠えてもデルタに勝ち目はない。デルタ親子の力が到底及ばない領域にローザリアは登ってしまったのだ。




--------------------




「ちょっといいかな」


ユークリッドが離れのローザリアを訪ねた。


「ローザリア、いや、ローロミュケアー女王のほうが正解かな」


少し言いよどみながらユークリッドはローザリアに問うた。


「君は故郷に帰りたいかい?もしそうなら僕が責任を持って村まで送るよ」


ローザリアは決して自分を縛ろうとしない優しいユークリッドに心から愛おしさを感じた。


「陛下…私のこと、ローザリアと呼んで」

「でも君は女王なんだから…」

「陛下と初めて会った時、私名前、ローザリア。陛下、たくさん呼んでくれた名前、捨てたくない!」


ローザリアはユークリッドの前で初めてわがままを言った。


「それに──」


顔を赤らめ人生最大の勇気を出してローザリアはユークリッドに聞いた。


「平気…?私と離れる、平気??」

「…!」


潤んだ目でこちらを見つめるローザリアがどうにかなりそうな程かわいかった。


僕はバカだ。
自信がなくて、ローザリアを試すようなことをしてしまった。


ユークリッドは心のままゆっくりと伸ばした腕でローザリアを引き寄せた。ふわっと白百合のような高貴な匂いがローザリアを包んだ。


陛下の匂い…これが今の私にとって幸せの匂いなんだ。
故郷クシュマトハのことも大切だけど、今はこの人と一緒にいたい。


ローザリアは幸せの絶頂にいた。ユークリッドに抱きしめられながら、その背にそっと手を回した。


「決めた。もう離さない」


ユークリッドが意を決したようにそう耳元で囁き、ローザリアに改めて向き直った。


「僕の妃になってほしい」


ローザリアの答えは決まっていた。心の底から湧きあがる喜びでローザリアは目頭が熱くなった。互いが見つめ合う。


「陛──」


答えを待たないまま、ユークリッドはローザリアの唇を奪った。






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