亡命聖女─アンデッドを祓える力は内緒だけど、隣の大陸の王陛下が溺愛してくる

nanahi

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40 銀色

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「ローザリア!その髪っ!?」

「え?」


こちらに顔を向けた時、ローザリアの髪はさくら色に戻っていた。


気のせいか…


ネイブは思い切って気になっていたことを尋ねることにした。


「君はどこで生まれたのか?両親は?」

「わからない…私、孤児院、いた」

「そうだったのか…苦労したのだな」


ローザリアが寂しげに見えたのはそういう生い立ちがあったからなのだろう。ネイブは天涯孤独の自分とローザリアが重なる気がして、ぐっと近くに感じた。


「…クシュマトハという名前に聞き覚えはあるか?」


ネイブは大胆にも自分の素性に繋がるその名前をローザリアに問うた。期待に満ちた目がローザリアに向かう。


「…?」


ローザリアはしばらく首をかしげた後、首を左右に振った。ネイブは内心、落胆した。


「そうか…そうだな、知っているわけないか」


何を期待していたのだ、私は。
我が一族と繋がりがあれば名前だけでも知っているかもしれないと思ったのだが。
そもそも金眼の種族など、初めて見たわけだし。


「あなた、髪、目、銀…私、懐かしい」


悶々とするネイブの思考が一瞬停止した。


「今、何と言った?」


ネイブは思わずローザリアの両肩を掴んだ。びっくりしたローザリアが何か言おうとした時、ユークリッドの声が飛んできた。


「何をしている!」

「陛下…!」


ユークリッドはローザリアの肩に置かれているネイブの手に眉をひそめる。ネイブはユークリッドの視線を察してぱっと両手を離した。


「気晴らしに月を眺めていましたら、偶然ローザリア嬢がお出ましになったのです」


ネイブはすっと冷静な宰相の顔に戻り、ユークリッドに説明をした。


「そうだったか…心配したぞ、ローザリア。さあ戻ろう」


ユークリッドはローザリアの腰に手を回すと、後ろで控えているレオと合流し、離れへと戻っていった。ネイブはローザリアを奪われたような猛烈な悔しさに襲われた。


「さっきローザリアは何かを言いかけたのに。大事なところでお前は邪魔をする!」


ネイブのユークリッドへの敵意はより深まっていった。




--------------------




最近の陛下は一体どうされたのだ…


レオは離れまでお供をする中、ユークリッドのローザリアに対する病的な執着心に懸念を抱き始めていた。ほんの1時間ほど前に様子を見にきたはずなのに、ユークリッドは「心配だから」と、またもやローザリアの部屋へと足を運んだのだ。


単に恋に溺れているだけなのか?
それとも──


ユークリッドの変様には、まだレオしか気づいていなかった。





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