亡命聖女─アンデッドを祓える力は内緒だけど、隣の大陸の王陛下が溺愛してくる

nanahi

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46 捜索

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翌朝、ローザリアの顔を見にきたユークリッドが惨殺された警護兵の遺体を発見した。しかも、どこを探してもローザリアの姿が見つからなかった。


「一体どこに行ってしまったのだ、ローザリア…!」


ユークリッドは不覚の事態にえらく取り乱していた。


「きっとすぐ戻ってきますよ」


レオはユークリッドを慰めるふりをしながら、ローザリアが事件に巻き込まれた可能性に嬉々としていた。ザーラ王国の者たちがローザリア欲しさに強硬手段に出たのだろうと薄々見当がついていた。

ユークリッドから指令を受けた宰相ネイブは、すぐさま捜索隊を結成し、王都中に派遣した。


「ザーラ王国の兵たちにさらわれた可能性がある!まだ遠くへは行っていないはずだ、草の根を分けても探しだすのだ!!」

「僕も手伝います!」


城の一室に居住していた一之進が捜索隊に加わることを申し出た。ユークリッドは城に待機しているのを断り、一之進と行動を共にすることにした。




王都は今月行われる祭りの準備でいつも以上に賑わっていた。


「昨晩、異国の兵士を見なかったか!?」

「えー?そんなのいたっけなあ?」


武器屋の主人は首をひねる。


「見たら王宮に知らせてくれ!」


そう言って走り去ったユークリッドの背中を見ながら「あれっ?今のって、へ、陛下!??」と、主人が腰を抜かした。


一之進は大通りの真ん中に立ち、研ぎ澄ませた目と耳で辺りを観察した。


いらっしゃい!新鮮な野菜だよ~
お母さん、あれ食べたい!
お兄さん、ちょっと寄ってかない?
金欠で困ったなあ。


様々な人物の声が一之進の耳元を通り過ぎていく。


「娘、運んだ」

「船、準備」


一之進の耳がある声をつかんだ。ローザリアがしゃべる言葉とよく似たイントネーションだ。人目を気にしながら移動するザーラ王国の兵士たちだった。


聖女様と同郷の者か…!?


一之進は二人の兵士が裏道に入ったところで、後ろから声をかけた。振り返った二人は声をかけてきたのが幼顔の少年だったので「何の用か」と油断した顔で答えた。


「聖女様、どこ、いる?」


兵士たちの顔色がさっと変わる。「お前、敵?」と剣を抜いた。一方がいきなり切り掛かってくる。一之進は難なく身をかわし、勢い余ってよろけた兵士の首の後ろを手刀で叩き、気絶させた。


「殺す!」


睨みつけてきたもう一方の兵士が一之進の頭上に思い切り剣を振りかざした。


ギン!


瞬時に抜いた和音刀で剣を受ける。


「ぐぐ!小僧!!」


負けまいとさらに力を込めた兵士の剣をあっさりと受け流すと、一之進は瞬く間に兵士の背後を取り、喉元に刀を突きつけた。


「ひい!」

「話すか、死ぬか」


透き通った少年の声が問答無用の選択を突きつける。徐々に兵士の喉元に近づいてく刃が冷たい光を放った。





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