亡命聖女─アンデッドを祓える力は内緒だけど、隣の大陸の王陛下が溺愛してくる

nanahi

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45 陰謀

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ユークリッドが左手に包帯を巻いて戻ってきたので、レオは何事かと問いただした。


「剣の稽古でちょっと怪我をしただけだ」


レオの心配をよそにユークリッドはどこか白々しく答えた。汚れた包帯をレオが取り替えようとしても、ユークリッドは「ローザリアに頼むからいい」と言ってすぐ離れに足を向けてしまう。

ローザリアに包帯を替えてもらっている時のユークリッドの気恥ずかしそうな表情がレオを以前にも増して焦らせた。


前より仲が深まっているのでは。


レオは見守るふりをして、疑いと嫉妬の目を二人に向ける。ローザリアはユークリッドに心を許したように花のような微笑みを返すようになっていた。


もう時間がない。結婚でもされたら取り返しがつかない。
二人を引き離す何かいい手はないか──


頭を悩ますレオの元に驚くべき知らせが舞い込んできた。


「ザーラ王国のバルクレー王が、先ほど港に到着されたとのことです!」


王宮は騒然となった。ザーラ王国の使者への返事を曖昧にしたまま数日が過ぎていた。ローザリアを返すつもりがないと判断した使者がバルクレー王にその旨を報告したのだ。

あちらが一方的に押しかける形ではあったが、一国の王を港に足止めするわけにも行かない。「王をもてなす準備があるので」と程のいい言い訳で、王都の一角にある迎賓館に行ってもらうよう勧めた。

バルクレー一行は大人しく従ったかにみえた。だが、その夜、彼らは迎賓館から密かに姿を消した。




夜陰に紛れ離れに忍び込む数人の影。
警護兵たちが後ろから口を押さえられ、次々と喉元を掻き切られる。
ベッドで眠っていたローザリアは問答無用に袋の中に詰め込まれる。

そうしてローザリアが入った袋を影たちが音もなく王宮の外に運び去った。





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