亡命聖女─アンデッドを祓える力は内緒だけど、隣の大陸の王陛下が溺愛してくる

nanahi

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48 来訪

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「いやあ!!」


どんなに暴れても、バルクレーから逃れられない。


これが私の運命なの?


ローザリアを絶望が襲った。


もっと早くに死んでしまえばよかったの?
こんなみじめな人生、もう、いらない…!


ローザリアの目から憎しみの涙が一気にあふれた。そしてバルクレーに向かって、えるように怨嗟えんさの声を浴びせた。




「誰でもいい…!誰か、誰かこの人を殺してえええ!!!!」







バリン!!




突然、窓ガラスが割れる音が鳴り響いた。


「何だ貴様らは」


バルクレーが手を止め、ベッドから起き上がった。
侵入者がこちらを見ている。黒っぽい肌、よどんだ目。二体のアンデッドだ。一人は男、もう一人は女のようだった。


「追い払ってやる」


バルクレーは腰の剣を抜き構えた。歴戦を勝ち抜いてきた猛者だ。バルクレーは剣の腕もかなりのものだった。


楽勝だ。これは聖水で清めた剣だ。
少し脅せばアンデッドは逃げ出すだろう。


「ローザリア、すぐそちらに行くからな」


バルクレーが蒼白な顔でこちらを見ているローザリアにそう声をかけた時だった。





ッシュパ。




「む?」



バルクレーは理解できなかった。
どうして景色が真横に見えるのか。
みるみるうちにローザリアの姿が遠ざかっていくのか。


「!!」


ローザリアはショックのあまり口元を抑えた。バルクレーの首がベッド近くまで転がってきて、ことりと止まった。


どおん…!


次いで、首を失ったバルクレーの大柄の胴体が血を吹き出しながら倒れ、床を揺らした。

バルクレーの死体を無機質な目で見ながら、女アンデッドが両手の短剣を一振りし、腰の鞘に収めた。

バルクレーを倒したアンデッドたちが今度はじーっとローザリアを見ている。


倒さなければ、アンデッドを倒さなければ。


突然の事態に混乱した頭を落ち着かせようと自分に言い聞かせていたローザリアは、この後さらに信じがたいものを見た。


アンデッド二人はすっと床に片膝をつき、こう言った。


「会えて光栄だ、女王よ──」






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