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59 女王
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「まずい…まずいわっ」
計画失敗。自分が持ち込んだ話がとんだ間違いだったとわかったら親子共々破滅するかもしれない──
追い込まれ我を失ったデルタは、突発的に地面に落ちている太い棒を手に取り、ローザリアの後頭部に叩きつけようと思い切り振り上げた。
ガツ!
棒が宙を舞う。女アンデッドが剣で弾き飛ばした棒は数秒後、がらん、と地面を鳴らした。
「次はその腕を切るぞ」
女アンデッドが威嚇するように牙をむいた。
「ひいいいいっ!」
デルタは恐怖のあまりへたり込んだ。
「ローザリア危ない!こっちに!!」
ようやくローザリアのところまでたどり着いたユークリッドは素早く剣を構えた。ユークリッドにはアンデッドたちがローザリアをさらおうとしているように見えた。
女アンデッドがユークリッドに今にも襲い掛かろうと体をかがめた。
「ダメ!仲間!」
なんとローザリアが手を上げ、そのアンデッドを制した。アンデッドは静止したまましばらくユークリッドを凝視していた。
ローザリアがユークリッドの手を取り、「大切、殺さないで!」と念を押すように言うと、女アンデッドはようやく戦闘体勢を解き大人しくなった。
「どういう、ことだ…?」
その場にいた誰もが我が目を疑った。凶暴なはずのアンデッドがローザリアの言葉に従ったのだ。
「あの人たち、さらわれた私、助けてくれた」
「何だって!?それじゃ、本当にバルクレーを殺したのは──」
アンデッドたちに視線を移したユークリッドを肯定するように、ローザリアはこくんとうなずいた。
もう誰も言葉を発しなかった。静まり返った広場を見渡した後、男女のアンデッドは揃ってローザリアの前で首を垂れた。
「また会えて光栄だ。我が女王よ──!」
計画失敗。自分が持ち込んだ話がとんだ間違いだったとわかったら親子共々破滅するかもしれない──
追い込まれ我を失ったデルタは、突発的に地面に落ちている太い棒を手に取り、ローザリアの後頭部に叩きつけようと思い切り振り上げた。
ガツ!
棒が宙を舞う。女アンデッドが剣で弾き飛ばした棒は数秒後、がらん、と地面を鳴らした。
「次はその腕を切るぞ」
女アンデッドが威嚇するように牙をむいた。
「ひいいいいっ!」
デルタは恐怖のあまりへたり込んだ。
「ローザリア危ない!こっちに!!」
ようやくローザリアのところまでたどり着いたユークリッドは素早く剣を構えた。ユークリッドにはアンデッドたちがローザリアをさらおうとしているように見えた。
女アンデッドがユークリッドに今にも襲い掛かろうと体をかがめた。
「ダメ!仲間!」
なんとローザリアが手を上げ、そのアンデッドを制した。アンデッドは静止したまましばらくユークリッドを凝視していた。
ローザリアがユークリッドの手を取り、「大切、殺さないで!」と念を押すように言うと、女アンデッドはようやく戦闘体勢を解き大人しくなった。
「どういう、ことだ…?」
その場にいた誰もが我が目を疑った。凶暴なはずのアンデッドがローザリアの言葉に従ったのだ。
「あの人たち、さらわれた私、助けてくれた」
「何だって!?それじゃ、本当にバルクレーを殺したのは──」
アンデッドたちに視線を移したユークリッドを肯定するように、ローザリアはこくんとうなずいた。
もう誰も言葉を発しなかった。静まり返った広場を見渡した後、男女のアンデッドは揃ってローザリアの前で首を垂れた。
「また会えて光栄だ。我が女王よ──!」
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