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3 雨
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「ねえ、祠って他にもある!?」
「ああ、そういえば、この近くにもう一つあったっけなあ」
農夫の言葉を頼りに、私たちは急いでもう一つの祠へ向かった。
その祠も朽ちて蔦に覆われていた。
「ここも綺麗にするわよ!」
私は急かされるように掃除を始めた。
綺麗になった祠に安置されていたのは、風にたなびくマントを羽織った女神の石像だった。
「もしかして風の女神!?」
私の脳裏にひとつの答えが帰結した。
雲は風によって運ばれて雨を降らす。
だから、水と風の女神、両方が必要なのでは?
「祈りましょう!」
力強い私の言葉に、一同は素直に従った。
「風の女神よ、雲を運び、この地に雨を呼んでください!どうか、みんなを助けて──」
一同が無になって祈った数分後、遠くからごろごろと雷の音が聞こえてきた。
はっとして空を見上げる。
ぽつ。
ふいに私の頬に、一粒の雨が落ちた。私は頬が濡れているのを手で確かめた。
「雨…?」
すぐに農夫たちの歓喜の声がはじけた。
「雨だ!奇跡だ!!」
「やったあ!これで助かる!!お嬢様のおかげです!!」
「よかった…」
涙を流して喜ぶ農夫たちの姿に私まで嬉しくなった。
私の祈りによって雨が降った件は瞬く間に王宮に伝わった。
王宮に着くなり王が直々に私を迎えてくれた。
「さすが伝説の令嬢、そなたがいてくれて本当に助かった。厚く礼を言う」
「そんな…も、もったいないお言葉です…」
初めて王に謁見し極度に緊張した私は何とかそれらしい受け答えをしてみせた。
誰もが私を賛美したが、その場にいた王太子だけは様子が違った。
私は王太子に別室に呼び出された。
「何…でしょう…か?」
今ここで婚約破棄なのかな?
私はその時を待ち望み、どきどきしながら王太子の言葉を待った。
「私に恩を売ったつもりか?」
予想外のセリフに私の目は点になった。
「はい?」
「君は豊穣の力を見せつけて、王室に必要不可欠な令嬢だと知らしめた。私はもう君を婚約破棄できなくなった」
え、話が違う。
いいのに、婚約破棄してくれても。
伝説とか豊穣とか、私に何か力があるみたいだけど…
「そんな、遠慮なさらず、どうか破棄なさってください」
「は?」
今度は王太子のほうが予想外のセリフに驚く番だった。
「破棄しろというのか?君はそれでいいのか?将来の王妃になるために死ぬほど頑張ってきたのではないのか!?」
「ああ、いや、それほど頑張っては、ない──」
「え?それほど??」
「ごほん、ささ、早く破棄のほうを…」
私は胸に手を当て、王太子のセリフを待った。
しがらみからの解放。私は自由になるのだ。
だが、王太子はしばらく絶句した後、破棄を告げないまま去ってしまった。
「ああ、そういえば、この近くにもう一つあったっけなあ」
農夫の言葉を頼りに、私たちは急いでもう一つの祠へ向かった。
その祠も朽ちて蔦に覆われていた。
「ここも綺麗にするわよ!」
私は急かされるように掃除を始めた。
綺麗になった祠に安置されていたのは、風にたなびくマントを羽織った女神の石像だった。
「もしかして風の女神!?」
私の脳裏にひとつの答えが帰結した。
雲は風によって運ばれて雨を降らす。
だから、水と風の女神、両方が必要なのでは?
「祈りましょう!」
力強い私の言葉に、一同は素直に従った。
「風の女神よ、雲を運び、この地に雨を呼んでください!どうか、みんなを助けて──」
一同が無になって祈った数分後、遠くからごろごろと雷の音が聞こえてきた。
はっとして空を見上げる。
ぽつ。
ふいに私の頬に、一粒の雨が落ちた。私は頬が濡れているのを手で確かめた。
「雨…?」
すぐに農夫たちの歓喜の声がはじけた。
「雨だ!奇跡だ!!」
「やったあ!これで助かる!!お嬢様のおかげです!!」
「よかった…」
涙を流して喜ぶ農夫たちの姿に私まで嬉しくなった。
私の祈りによって雨が降った件は瞬く間に王宮に伝わった。
王宮に着くなり王が直々に私を迎えてくれた。
「さすが伝説の令嬢、そなたがいてくれて本当に助かった。厚く礼を言う」
「そんな…も、もったいないお言葉です…」
初めて王に謁見し極度に緊張した私は何とかそれらしい受け答えをしてみせた。
誰もが私を賛美したが、その場にいた王太子だけは様子が違った。
私は王太子に別室に呼び出された。
「何…でしょう…か?」
今ここで婚約破棄なのかな?
私はその時を待ち望み、どきどきしながら王太子の言葉を待った。
「私に恩を売ったつもりか?」
予想外のセリフに私の目は点になった。
「はい?」
「君は豊穣の力を見せつけて、王室に必要不可欠な令嬢だと知らしめた。私はもう君を婚約破棄できなくなった」
え、話が違う。
いいのに、婚約破棄してくれても。
伝説とか豊穣とか、私に何か力があるみたいだけど…
「そんな、遠慮なさらず、どうか破棄なさってください」
「は?」
今度は王太子のほうが予想外のセリフに驚く番だった。
「破棄しろというのか?君はそれでいいのか?将来の王妃になるために死ぬほど頑張ってきたのではないのか!?」
「ああ、いや、それほど頑張っては、ない──」
「え?それほど??」
「ごほん、ささ、早く破棄のほうを…」
私は胸に手を当て、王太子のセリフを待った。
しがらみからの解放。私は自由になるのだ。
だが、王太子はしばらく絶句した後、破棄を告げないまま去ってしまった。
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