裏切られた俺(勇者)よりも魔王の方が闇が濃かった件について

白猫サイコー!

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 結局、進行方向に担ぐ向きを変えてもらっただけで担ぎ方は変わらなかった。

 担がれたまま部屋を出ると廃墟のようにボロボロだった魔王城とは違い豪華絢爛な様相の長い廊下に出た。

「ここ、魔王城じゃないだろ。どこだ?」

 魔王城はボロかったけどもっと落ち着いた雰囲気が出ていたから幻覚の類いでもないと思うし本当にどこだ?

「ここは魔族の城です。貴方の怪我は酷すぎたので、設備が整っているここに連れてきたのですよ」

 何て事ないように魔王が告げるが違いがわからん。

「魔族の城?魔王城と何が違うんだ?」

「貴殿方が魔王城と呼ぶのは私の城です。ですが、魔族の城は魔族の城です」

「うん、わからん」

 これは頭の作りが違うとかじゃなくて単純にこいつの説明が悪いと思う。どちらも魔族の城でこいつの城だろうに何が違うんだか。

「個人所有の城が魔王城、集団で所有しているのが魔族の城だと思ってください。まあ、この場所も魔族達は魔王城と呼んでいるので呼び方は一緒で構わないと思いますよ?」

「わかった」

 魔王城個人所有魔王城集団所有で扱いが違うんだと思うけどこの作りから考えて全ての魔族が使用できるって訳じゃないんだろうな。しかし…

「なあ、聞いて良いか?」

「何でしょう?」

 視線を寄越しながら聞いてくる魔王を確認すると俺は視線をさっきから気になる奴らへ向けた。

「さっきから話しかけている奴らがいるんだが無視していいのか?何かお偉いさんみたいだが?」

 そう、俺らの背後には今五、六人の高そうな服を着た奴らが魔王に話しかけながらついてきていた。

 しかも、魔王はそれを華麗にスルーして俺と話しているからさっきから視線が刺さりまくってたんだよな。

「そんな奴はいませんよ」

 キッパリといい放つ魔王。後ろを見ると泣きそうな魔族達。

 ちょっと、これは酷くね?若干震えてるんだが…。

「いやー」

「いません」

 いると、言おうとしたら被せるように否定された。

「そうか、いないのか…」

「はい」

 俺が諦めて同意すると魔王は満足そうに頷いた。

 すまんな、俺にこいつは止められん。
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