裏切られた俺(勇者)よりも魔王の方が闇が濃かった件について

白猫サイコー!

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「それで、罪人ではなく大罪人とはどう言うことですか?」

 背後からズゴゴゴッと音がしそうな暗雲を背負っているように見える魔王に苦笑いが浮かぶ。

「落ち着け、順を追って説明してやるから」

 早くしろ、とでも言うよいに見てくる魔王に俺は簡潔に伝えることにした。

「何でも…魔王の霊がトドメを刺した俺に乗り移って大魔王としてこの世界を手に入れようとしているらしい!」

 わざと大振りな動作をしながら簡潔に伝えると、魔王は手で顔を覆い俯いたまま動かなくなった。

 仕方ないか、本人魔王にしても風評被害だろうし。日々冷吟閑酔をモットーに生きてるような奴がそんな面倒そうな事を考える筈もないしな。
 まあ、酒や詩の変わりに魔法の詠唱を口ずさんで、馬や馬車で酔ってるような奴だったから他人に迷惑をかけていないかと聞かれたら否だけど。

「つまり…、私の魂は二つに分裂していて勇者に入り込んでしまったと?しかも、もう一人の私は世界征服を目論むような勤勉さがあるなんて…。っ、返してください勇者、そいつもう一人の私に魔王業務を委任しますから!」

「アホか」

「いふゃい!」

 悲しんでるのかと思ったら、言ったコッチが驚くとんでも発言してんじゃねえよ魔王。どんな思考をしたらそんな答えを思い付くんだよ!しかも、こいつならあり得そうで怖ええし。

 バカ発言をした魔王の頬をつねりながらバカでも分かりやすいように簡単に説明した。



「ああ、そういうことですか。ようは人間の王による冤罪と言う事ですね」

「そういうこと。まったく、何でお前まで信じんだよ」

 態度が変わったりはしないとは思ったけれどこれは予想外だわ!

 説明が終ったから、つねるのをやめると魔王は赤くなった頬を擦りながら少し可笑しそうにしながら言った。

「いえね。私ならあり得そうだなっと思ったんですよ。貴方にもよく怠惰が服を着ているって言っていましたし。何処かに預けてしまったのかなって…」

「…」

 え、やめてくんない?本気で心配になるような事を言うのマジでやめろ。

「ちょっと聞きたいんだが、別にそんなことしてないよな?俺は俺のままだよな?」

「…」

 心配になって聞くも魔王は困ったように小首を傾げてきただけでなにも言わなかった。

 沈黙は肯定。そんな言葉が俺の脳裏に過った。

「えっ、何で黙ってんの?もしかしてマジで何かやってのか?待てコラァ、何で逃げやがるんだ!」 

 俺が問い詰めようと慌てて近付くと魔王は音も無く部屋から出ていった。

 どう言うことだ魔王!
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