10 / 13
8
しおりを挟む
「それで、罪人ではなく大罪人とはどう言うことですか?」
背後からズゴゴゴッと音がしそうな暗雲を背負っているように見える魔王に苦笑いが浮かぶ。
「落ち着け、順を追って説明してやるから」
早くしろ、とでも言うよいに見てくる魔王に俺は簡潔に伝えることにした。
「何でも…魔王の霊がトドメを刺した俺に乗り移って大魔王としてこの世界を手に入れようとしているらしい!」
わざと大振りな動作をしながら簡潔に伝えると、魔王は手で顔を覆い俯いたまま動かなくなった。
仕方ないか、本人にしても風評被害だろうし。日々冷吟閑酔をモットーに生きてるような奴がそんな面倒そうな事を考える筈もないしな。
まあ、酒や詩の変わりに魔法の詠唱を口ずさんで、馬や馬車で酔ってるような奴だったから他人に迷惑をかけていないかと聞かれたら否だけど。
「つまり…、私の魂は二つに分裂していて勇者に入り込んでしまったと?しかも、もう一人の私は世界征服を目論むような勤勉さがあるなんて…。っ、返してください勇者、そいつに魔王業務を委任しますから!」
「アホか」
「いふゃい!」
悲しんでるのかと思ったら、言ったコッチが驚くとんでも発言してんじゃねえよ魔王。どんな思考をしたらそんな答えを思い付くんだよ!しかも、こいつならあり得そうで怖ええし。
バカ発言をした魔王の頬をつねりながらバカでも分かりやすいように簡単に説明した。
「ああ、そういうことですか。ようは人間の王による冤罪と言う事ですね」
「そういうこと。まったく、何でお前まで信じんだよ」
態度が変わったりはしないとは思ったけれどこれは予想外だわ!
説明が終ったから、つねるのをやめると魔王は赤くなった頬を擦りながら少し可笑しそうにしながら言った。
「いえね。私ならあり得そうだなっと思ったんですよ。貴方にもよく怠惰が服を着ているって言っていましたし。何処かに預けてしまったのかなって…」
「…」
え、やめてくんない?本気で心配になるような事を言うのマジでやめろ。
「ちょっと聞きたいんだが、別にそんなことしてないよな?俺は俺のままだよな?」
「…」
心配になって聞くも魔王は困ったように小首を傾げてきただけでなにも言わなかった。
沈黙は肯定。そんな言葉が俺の脳裏に過った。
「えっ、何で黙ってんの?もしかしてマジで何かやってのか?待てコラァ、何で逃げやがるんだ!」
俺が問い詰めようと慌てて近付くと魔王は音も無く部屋から出ていった。
どう言うことだ魔王!
背後からズゴゴゴッと音がしそうな暗雲を背負っているように見える魔王に苦笑いが浮かぶ。
「落ち着け、順を追って説明してやるから」
早くしろ、とでも言うよいに見てくる魔王に俺は簡潔に伝えることにした。
「何でも…魔王の霊がトドメを刺した俺に乗り移って大魔王としてこの世界を手に入れようとしているらしい!」
わざと大振りな動作をしながら簡潔に伝えると、魔王は手で顔を覆い俯いたまま動かなくなった。
仕方ないか、本人にしても風評被害だろうし。日々冷吟閑酔をモットーに生きてるような奴がそんな面倒そうな事を考える筈もないしな。
まあ、酒や詩の変わりに魔法の詠唱を口ずさんで、馬や馬車で酔ってるような奴だったから他人に迷惑をかけていないかと聞かれたら否だけど。
「つまり…、私の魂は二つに分裂していて勇者に入り込んでしまったと?しかも、もう一人の私は世界征服を目論むような勤勉さがあるなんて…。っ、返してください勇者、そいつに魔王業務を委任しますから!」
「アホか」
「いふゃい!」
悲しんでるのかと思ったら、言ったコッチが驚くとんでも発言してんじゃねえよ魔王。どんな思考をしたらそんな答えを思い付くんだよ!しかも、こいつならあり得そうで怖ええし。
バカ発言をした魔王の頬をつねりながらバカでも分かりやすいように簡単に説明した。
「ああ、そういうことですか。ようは人間の王による冤罪と言う事ですね」
「そういうこと。まったく、何でお前まで信じんだよ」
態度が変わったりはしないとは思ったけれどこれは予想外だわ!
説明が終ったから、つねるのをやめると魔王は赤くなった頬を擦りながら少し可笑しそうにしながら言った。
「いえね。私ならあり得そうだなっと思ったんですよ。貴方にもよく怠惰が服を着ているって言っていましたし。何処かに預けてしまったのかなって…」
「…」
え、やめてくんない?本気で心配になるような事を言うのマジでやめろ。
「ちょっと聞きたいんだが、別にそんなことしてないよな?俺は俺のままだよな?」
「…」
心配になって聞くも魔王は困ったように小首を傾げてきただけでなにも言わなかった。
沈黙は肯定。そんな言葉が俺の脳裏に過った。
「えっ、何で黙ってんの?もしかしてマジで何かやってのか?待てコラァ、何で逃げやがるんだ!」
俺が問い詰めようと慌てて近付くと魔王は音も無く部屋から出ていった。
どう言うことだ魔王!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)
子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ
喰われるなんて聞いてないんだが(?)
俺はただ、
いちご狩りに誘われただけだが。
なのに──
誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に
なぜか俺が捕まって食われる展開に?
ちょっと待てい。
意味がわからないんだが!
いちご狩りから始まる
ケンカップルいちゃらぶBL
※大人描写のある話はタイトルに『※』あり
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる