ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第4章 白仮面編

第77話「西条との協力」

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西条: この薬使ってみない?


日向子: …


西条: 森崎君に振り向いてもらえるかもよ。



西条は日向子に薬を使うよう勧める。


ここは、保留にしとくべきかな…

なんに使えるか、分からないし。



日向子: ちょっと待っててくれない?


西条: そ、そうだよね。


日向子: また今度、答えるから。


西条: …次の取引が月曜日だから、それまでに答えてくれると嬉しい。


日向子: うん!


西条: 私も日向子には、幸せになって欲しいんだ。


日向子: 笑、ありがとう!!


西条: うん笑


日向子: じゃあ、そろそろ私、帰る!


西条: 分かった、今日はありがとう。答え待ってる。


日向子: うん!!



こうして、日向子は西条の家を後にした。


◈◈◈◈◈


翌日


風紀委員室



若月: じゃあ、報告を聞こうかな。


櫻宮: よろしく、日向子。



風紀委員室には、昨日の面々に加えて、生徒会長である櫻宮と、議長の灰崎が来ていた。



日向子: はい!!まず、例の薬ですが、美咲ちゃんが言うには、モテ薬らしいです。


美月: モテ薬?


日向子: なんか、人のふぇ、ふぇ、フェスティバル!


葵波: 祭りでも開くの?笑


日向子: いや、なんだっけな…


守里: フェロモンかな。


日向子: そうそう!フェロモン。人のフェロモンをちょっとだけ増やす薬だそうです。


若月: ほう。


櫻宮: それは、本当なのかな。


日向子: あと、副作用で風邪みたいな症状が出るみたいなんです。


愛衣: それで西条さんは欠席しているのか。


日向子: 実際に、少し気ダルそうにしていたので、それは本当だと思います。


若月: 分かった。それで他には?


日向子: その薬は、守里が見たって言ってた、白い仮面をつけた人との取引で、貰うことが出来るみたいです。


灰崎: 取引ということは、お金を渡しているのかな?


日向子: うん。なんか、毎日飲まないといけないらしくて、1日1錠、5日分で3000円だって。


葵波: それは…高いのか?本当にそんな効果があったとして。


愛衣: う~ん…まぁどちらにしろ、高校生には出せない金額ではないね。


灰崎: 取引というのは、どういった形で行われるか聞いた?


日向子: 詳しくは分からないけど、取引の時に次の取引の時間と場所を伝えられるみたい。


守里: なるほど。取引場所は、人目につかず、監視カメラもない場所かな。


美月: 一昨日も人がいない路地裏だったし。


櫻宮: いや~まさか、モテ薬とはね。


葵波: いかにもって感じだな。


若月: 新たな情報はこのぐらいか?


日向子: あ、あと、次の取引は月曜日だそうです。


灰崎: 3日後…


櫻宮: う~ん…そのモテ薬の効能を調べないことには、こちら側の正当性が取れないよね。


若月: うん。もし本当に、その薬が西条が言ってた通りの効能を持っていた場合、私達がその西条の行動を止めることはできない。


守里: やっぱり、西条さんに協力してもらうしかない。


愛衣: だね。


日向子: 美咲ちゃんから薬を分けてもらうんてすか?


若月: うん。そして、その薬を調べて、もし西条が聞いた効能を持っていなかった場合は、白仮面を捕らえる。


櫻宮: 薬の効能次第だけど、これは警察案件になるかも。


灰崎: ですね。今の風邪の流行が、この薬の影響である可能性もありますし。


守里: 確かに。


葵波: じゃあ、今風邪で欠席してるヤツらは、そのモテ薬を使ってるかもしれないな。


若月: それも調べよう。あと、校外の見回りも、さらに強化しないとだ。


櫻宮: 早速、今日から動く?


灰崎: できればそうですね。


日向子: なら、今日また、美咲ちゃんのところにいってきます!!


守里: うん、けど今日は僕もついて行くよ。こちら側に協力してもらわないといけないから。


美月: 私も行く。


若月: 頼んだ。


愛衣: 梅はどうする?


梅澤: …私は…


葵波: 梅はやめといた方がいいかもね笑、同級生だけど、圧感じるから笑


梅澤: フンッ……


守里: で、でも、白仮面を捕まえることになった時は、お願いね。


梅澤: …あぁ、もちろんだ。


櫻宮: ってことで、作戦開始!!


◇◇◇◇


放課後


西条の部屋



西条: 4回目のお見舞い、ご苦労様。


日向子: し、心配でさ~


西条: それで、答えが出たから、来たんだよね?


日向子: うん。


西条: 薬使う?


日向子: 使わないよ、もちろん。



即答する日向子。



西条: ちなみに、なんでか聞いてもいい?


日向子: まず、私は守里と付き合おうとか、そういうのが、う~ん…分からない?


西条: え?


日向子: 確かに、守里のことは大好きだよ。でもそれが、付き合いたいとか、そういうものじゃないと思うんだよ!


西条: そ、そうなんだ…


日向子: あ、でも守里とはずっと一緒にいたい!!


西条: …なら、少しでも見てもらえるように…


日向子: 私は守里といる時が1番、私のままでいれる気がするんだ。まぁ小さい頃からずっと一緒だからね。


西条: …


日向子: だから、私は私で守里にぶつかっていきたいんだ!!


西条: …


日向子: ん?ぶつかるっていうのは違うのかな?いやでも、守里とは普通に話すってのも違うしな~


西条: 笑、そっか…


日向子: あ、そうだった。美咲ちゃん。


西条: なに?


日向子: 私達に協力してくれない?


西条: 協力…


日向子: うん。


西条: 具体的には?


日向子: 話聞いてくれる?


西条: 笑、もちろんだよ。それに今、改めて考えたら、あの時点でこうなるよね。


日向子: あの時点?


西条: 森崎君に、あの現場を見られた時だよ。


日向子: …


西条: あ~なんで、今気づいたんだろ。


日向子: それで、ここに連れてきたい人がいるんだ。


西条: 森崎君と白城さんじゃない?もしくは他の風紀委員。


日向子: 正解!!なんかいつもの美咲ちゃんみたい!!


西条: 私は私だよ笑


日向子: じゃあ呼んでもいい?


西条: いや、私が学校に行く。


日向子: え?


西条: どうせ、私の次の取引も利用するつもりなんでしょ。


日向子: う、うん。


西条: なら、早めに色々とやった方が良いから。それに、私から説明しないとだしね。


日向子: 分かった!なら早速、守里と美月ちゃん呼んで、学校に行こう!!



そうして、日向子と西条は家を出て、守里と美月と合流した。



守里: この前ぶり、西条さん。


西条: そうだね。森崎君。


美月: こんにちは。


西条: 笑、そんなに固くなくて良いよ。同級生なんだからさ、白城さん。


美月: そう?


西条: うん。だから、私のことは下の名前で呼んでよ。


美月: なら、私のことも下の名前で呼んで、美咲。


西条: 笑、分かった、美月。


日向子: よっしゃ!行くぞ!!


美月: 待ってよ、日向子。


守里: どうして、気が変わったの?


西条: …日向子のおかげ。


守里: そっか。


西条: 日向子の気持ちを聞いてね。自分の間違いに気づいたんだ。


守里: …


西条: 好きなら日向子の言う通り、自分自身でぶつかっていかなきゃね笑


守里: 笑


西条: というか、あなたもあなたで、しっかりしなさいよ笑!!


守里: え?急になに?


西条: はぁ…全く、日向子もだけど、森崎君も大概。


守里: にしても、さすが2年生バスケ部のまとめ役、いや次期バスケ部キャプテンだ。


西条: え?


守里: 日向子の後ろに僕達がいることに、すぐ気づいたんでしょ。だからこうして、学校に向かってるんじゃないの?


西条: いや、すぐじゃないよ。日向子の言葉を聞いてかな。なんか頭がスッキリして、気づいたんだ。


守里: 頭がスッキリしてか…


西条: まぁ、あの取引を森崎君達に見られた時点で、風紀委員が動きだすに決まってるのにね笑


守里: いや、そうでもないよ。あれだけじゃ、若月さんも動かなかったと思う。


西条: え?


守里: 日向子が西条さんのお見舞いに行ったから、こうなったんだ。


西条: 笑、日向子か。日向子がお見舞いに来てくれたから、私もこうして変われたんだよ。そうなると、何もかも日向子のおかげだね。


守里: 確かに、今回ばかりは、日向子に頭が上がらない笑


西条: なら、日向子とお出かけにでも行ってあげな笑


守里: う~ん、もう既にお願い1つ聞かないといけないんだよな~


西条: あら、そうなの?


守里: うん。まぁ、そのお願い聞くとしても、この件を解決してから。


西条: じゃあ、さっさとこの薬を持って、学校に行かないと。


守里: だね。


日向子: おーーい!守里!!美咲ちゃん!!!


美月: 早く来てよ!!!


守里: 笑、分かった。行こう西条さん。


西条: うん笑



こうして、守里達は学校へと戻った。



to be continued



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