ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

文字の大きさ
78 / 340
第4章 白仮面編

第78話「取引の流れ」

しおりを挟む
風紀委員室


ガラガラ



日向子: 失礼します!!


守里 美月 西条: 失礼します。


若月: 来たな、西条。


西条: はい、色々と手間をかけさせてしまい、すみませんでした。


若月: 笑、別に良いさ。それが私達の仕事だから。


櫻宮: いや~にしても、早めに来てくれて助かったよ。生徒会もちょっと忙しくてさ。


守里: とか言いつつ、櫻宮さんは来てるんですね。


櫻宮: まぁまぁ笑、この件については、生徒会も話を聞いとかないとだし。仕事もなぁちゃん達に任せてきたから、問題なし!


守里: 七星さんも大変だ。


日向子: 七星先輩なら大丈夫だよ!!


櫻宮: だよね!日向子!


日向子: はい!


守里: 今日は葵波さん達は、いないんですか?


若月: あぁ。今は守里と美月の代わりに、校外の見回りをやってもらってる。


美月: え?でもそれだと、何かあった時に駆けつけにくいんじゃ…


若月: それは問題ない。葵波、愛衣、梅はいつもの見回りコース、他の3年には、2つのコースに近い場所を回ってもらってるから、何かあってもすぐに現着できる。


美月: そうなんですね。


若月:じゃあ、早速、初めから説明してもらってもいいか?西条。


西条: はい。まず、私が初めて、白い仮面の男と取引したのは、先週の土曜日のお昼頃です。第三高校の同級生に、この薬のことを教えてもらって…


◆◆◆◆◆


先週の金曜日



西条: え、それ本当?


友達: うん。私も使ってるし、実際に効果があったんだよ!


西条: 効果って…


友達: 好きだった先輩と付き合うことができたんだ~


西条: この前言ってた先輩?


友達: うん!なんか、この薬を使い始めてから、ちょっと風邪気味にはなったんだけど、すごい先輩が見てくれるようになって、思い切って告白したら、なんと成功したの!!


西条: へ、へぇ…


友達: 美咲は、あの二高のバスケ部の先輩のこと、好きなんでしょ?


西条: …うん。


友達: だったら、使うべきだよ!!実際に私が実験台として、成功してるんだから、大丈夫だって!!


西条: う~ん…


友達: 明日、買える日だからさ、一緒に行こ!!


西条: それって、勝手に行って、すぐに買えるものなの?


友達: 多分!だって、白い仮面の人、たくさん薬持ってたし。


西条: いくら?


友達: 高校生だと3000円。ちなみに中学生だと1000円。


西条: え?それはどのくらいの量で?


友達: 1日1錠で、5日分だよ!!


西条: …(どう考えたって、怪しいよな…)


友達: 良いじゃん!!1回行ってみようよ!


西条: でも…


友達: このままだと、あの先輩と付き合えないかもよ!!


西条: …そ、それは…


友達: 薬使えば、付き合えるかもね。


西条: …


友達: それに、1回お試しでやったら、良いじゃん!効果無かったら、それ以降、買いにいかなきゃ良いだけだし。


西条: お金だけ?


友達: うん。名前とかそんなのも言わなくて良いし、お金を渡せば、薬をくれるから。ほんとそれだけ。


西条: (こっちの個人情報を渡さなくて良いなら、1回だけ試すのもアリか…)


友達: ね、行こ!


西条: …分かった。行く。


友達: よし!なら、明日は…12時半ぐらいに、三角公園に集合ね。


西条: うん。


友達: ちゃんと、3000円持ってくるんだよ!


西条: 分かったって。


◇◇◇


翌日


三角公園



友達: あ、もう着いてたんだ。


西条: うん。



待ち合わせの時間に、少し遅れて友達が合流する。



友達: じゃあ、行こっか。って言っても、時間は13時だから、そんな急がなくても良いんだけどね。


西条: その時間ピッタリに行かないといけないの?


友達: そういうわけじゃないと思うけど、なんか早く来過ぎないでくれっては言われたよ。それに、取引が終わったら、すぐに帰るようにっても。


西条: へぇ。


友達: 取引の場所はすぐ近くだから、ゆっくり行こ。



携帯のマップを見ながら言う。



西条: 分かった。



そうして、西条達は公園を出て、目的地へ。



西条: もうそろそろ13時だけど、まだつかないの?


友達: もうちょっとだよ。そこ曲がったら目的地の空き地。


西条: そっか…


友達: うん、まだ来てないね。


西条: その例の人が来るまで待ち?


友達: まぁね。でも時間ちょうどに来るから、そろそろ…



すると、西条達が通って来た道とは、別の道から白い仮面をつけた人が現れる。



友達: どうも~今日はお友達を連れてきました!この子も大丈夫ですか?


白仮面: はい。


西条: よ、よろしくお願いします。


白仮面: では、注意事項を…まず、1日1錠は必ず守って下さい。そして、この薬のことをあまり周りに話さないこと。ただ、仲の良い友達1人になら問題ないです。あと、薬を飲んだら、風邪のような症状が出ると思いますが、それは誰にでも起こることなので安心して下さい。かまわず薬を飲むことをおすすめします。


友達: はい!


白仮面: あなたも理解していますね。


西条: はい…


白仮面: 次に、次回の取引についてお話しますので、まずはあなたの方から。



そう言って、白仮面は友達を指す。



友達: 了解です。



そして、2人で西条に聞こえないように話し始める。


少しして…



白仮面: 次は、あなたの番です。


西条: は、はい。


白仮面: 次回の取引は、水曜日の17時。場所はここです。



そう言って、白仮面は携帯に表示されたマップを見せる。



白仮面: 写真で撮ってください。


西条: はい。



西条は言われた通りに、マップを写真で撮る。



白仮面: 取引時間よりも早く来過ぎないようにして下さい。あと、取引後はすぐに帰るように。分かりましたね。


西条: 分かりました。


白仮面: では、取引に移ります。お金を…


友達: はい!


西条も、友達と同じように3000円を取り出し、白仮面に渡す。


白仮面: ちょうど頂きます。



そうして、白仮面は受け取ったお金を懐に入れ、代わりに薬を2袋取り出す。



白仮面: どうぞ。


友達: ありがとうございます!


白仮面: あなたも。


西条: は、はい。ありがとうございます…


白仮面: では、これで……あなた、1回試してみてください。必ず効果はありますから。



白仮面は西条を見ながらそう言い、立ち去った。



西条: …


友達: もう見えなくなった…ほら、行かないと。


西条: うん。


◆◆◆◆◆


西条: その後、家に帰ってから、その薬を飲んだんです。


若月: それで、どうだったんだ?


西条: その日は特に何も無くて、次の日、その先輩と会う機会があったんですけど、確かに薬を飲む前よりも、私を見てくれるようになった気はしました。


櫻宮: ふ~ん…


若月: その時、副作用は?


西条: 若干出ていたと思います。体が少し熱かった気がしますし。


守里: …


日向子: その先輩とはどうなったの?!


西条: それ以降会えてないよ。まぁ別の高校だから。連絡先は交換してるけど…


美月: そうなんだ。


西条: その翌日からは知っての通り、風邪の症状がちょっと酷くなったから、学校を休んで、水曜日までは家から出てない。


守里: で、白仮面に言われた通りに、水曜日に取引に向かったところ、僕達と偶然会ったって感じか。


西条: うん。


若月: なるほどな、説明ありがとう。


西条: いえ。


櫻宮: ちなみになんだけど、途中で誰かに相談しようとか思わなかったの?


西条: 初めは、そう思ってたんですけど、薬を使い始めてからは、全くでした。


若月: そうか…


櫻宮: 次は、その白仮面の特徴について、話して欲しいんだけど。その前に、例のモテ薬を渡して貰える?


西条: はい。



西条は持っていた薬を櫻宮に渡す。



櫻宮: これが…


守里: 薬の分析ってどうやってするんですか?


若月: 能大の研究所に頼もうって思ってるよ。


守里: それって、時間かかりません?


若月: まぁそうだが…それ以外に方法が無いからな。


守里: そっか…


日向子: なら、パパに頼んでみましょうか?


若月: え?


日向子: パパに頼めば、すぐに色々やってくれるはずです!!


櫻宮: 日向子のお父さんって確か…


守里: 警察ですよ。


美月: え、そうなの?


日向子: うん!ほら、警察にあるじゃん、かそ、かそう…仮装パーティー!!


守里: 科捜研な。


日向子: そうそう!科捜研!!パパに頼めば、そこですぐに調べてもらえるはずです。


守里: 確かにそうかもな。


若月: うーん…


櫻宮: まぁ良いんじゃない?でも、こっちの事情は話さずにいける?まだ、警察にこの事を話すのは…


日向子: 問題なしです!


守里: 日向子のお父さんは、かなり日向子に甘いですから。僕も大丈夫だと思いますよ。


若月: なら、頼んでもいいか?


日向子: 了解です!!



そう言って、日向子は携帯を取り出し電話をかける。



美月: 私、初耳なんだけど。


守里: そういえば言ってなかったか。


美月: ほんと、びっくり…


守里: 笑、まぁ予想つかないよね。でも、日向子のあの正義感はお父さん譲りだよ。



プルルルル


ピ



日向子: もしもしパパ!!!




to be continued
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります

チャビューヘ
ファンタジー
いいね、ブックマークで応援いつもありがとうございます! ある日突然、クラス全員が異世界に召喚された。 この世界では「職業ガチャ」で与えられた職業がすべてを決める。勇者、魔法使い、騎士――次々と強職を引き当てるクラスメイトたち。だが俺、蒼井拓海が引いたのは「情報分析官」。幼馴染の白石美咲は「清掃員」。 戦闘力ゼロ。 「お前らは足手まといだ」「誰もお荷物を抱えたくない」 親友にすら見捨てられ、パーティ編成から弾かれた俺たちは、たった二人で最低難易度ダンジョンに挑むしかなかった。案の定、モンスターに追われ、逃げ惑い――挙句、偶然遭遇したクラスメイトには囮として利用された。 「感謝するぜ、囮として」 嘲笑と共に去っていく彼ら。絶望の中、俺たちは偶然ダンジョンの最深部へ転落する。 そこで出会ったのは、銀髪の美少女ダンジョン主・リリア。 「あなたたち……私のダンジョンで働かない?」 情報分析でダンジョン構造を最適化し、清掃で魔力循環を改善する。気づけば生産効率は30%向上し、俺たちは魔王軍の特別顧問にまで成り上がっていた。 かつて俺たちを見下したクラスメイトたちは、ダンジョン攻略で消耗し、苦しんでいる。 見ろ、これが「外れ職」の本当の力だ――逆転と成り上がり、そして痛快なざまぁ劇が、今始まる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

なんか人類滅亡直前の世界で勇者召喚にて大ハズレみたいな顔をされた【弱体術師】の俺ですが、実は人生4周目にて過去には【勇者】の実績もある最強

ルシェ(Twitter名はカイトGT)
ファンタジー
なんか人類滅亡直前の世界で勇者召喚にて大ハズレみたいな顔をされた【弱体術師】の俺ですが、実は人生4周目にて過去には【勇者】の実績もある銀河最強レベルの【調停者】

処理中です...