ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

文字の大きさ
89 / 340
第4章 白仮面編

第89話「生徒会長と風紀委員長への報告」

しおりを挟む
翌日

昼休み


中庭



日向子: あれ?今日、さぁちゃんとやんちゃんは?


柿谷: やんちゃんは、委員会で呼び出されて、さぁちゃんはゲーム部の子と一緒に食べるそうです。


春時: 紗耶はなにかやらかしたんだろうか…


柿谷: そんな感じはしなかったですけど、どうですかね。


飛香: なんか、やらかしてないかな~笑


守里: そんな顔しない。ほんと、飛香は人の不幸が好きなんだから。


飛香: そんなんじゃないって笑


美月: 嘘っぽい笑


春時: さくちゃんとかっきーも、友達と昼飯食べたい時とか、用事がある時とか、全然そっちを優先して良いからな。


柿谷: はい!


桜: はい。


飛香: あれ、春時ってかっきーのこと、あだ名呼びだっけ?


春時: うん、とうとうあだ名呼びに強制された…


柿谷: だって、ずっとかっきーって呼んでくれないんですもん!!


美月: さぁちゃんにも?


春時: うん。


日向子: これで、全員あだ名呼びになった!!


飛香: かっきーって、意外と押しが強いよね。


守里: うん、僕も会った時から思ってた。


柿谷: え?なんです?


桜: 笑


美月: かっきーは面白い!


柿谷: そうですか?笑


日向子: うんうん!!ね、あっしゅん。


飛香: 笑、まぁ確かに。


柿谷: え~なんか、照れますね~笑


守里: 笑



ブーブー



守里: っ!!ごめん、ちょっと用事ができたから、先に行くね。



そう言って、守里は中庭を走って出て行く。



春時: おう…って、もう姿が見えない。


飛香: 最近ああいうの多いよね。


柿谷: どうしたんでしょう?


桜: 昨日も帰ってくるの遅かったんですよ。


飛香: 変なことに首突っ込んでないと良いけど。


日向子: 守里なら大丈夫!!!


春時: まぁ、そうだな。悩んでる感じはしないし。


飛香: うん。


美月: …



守里は人がいないところを探し、特別教室校舎の屋上までやってくる。


ガチャ



守里: 誰もいないな…



人が居ないことを確認し、携帯を取り出す。


ピ



守里 T: もしもし、森田さん。


森田 T: 坊ちゃん。終わりましたよ。


守里 T: 早かったですね。


森田 T: すみません、お昼休みの時間に、連絡してしまって。


守里 T: いえ、僕も連絡が来ないかと、ずっと待ってましたから。


森田 T: そうですか笑、それでどうしましょうか。


守里 T: 警察と学校側への報告は、早い方が良いでしょうから…


森田 T: それなら、こちら側から警察に報告しときますよ、白仮面の身柄も渡して。


守里 T: それが手っ取り早いですね。


森田 T: 吐き出させた情報に関しては、まとめて坊ちゃんにも連絡しときます。


守里 T: ありがとうございます。でも重要なことだけは、今伝えてもらっても良いですか?


森田 T: もちろんです。まず、白仮面とその他のアンチは、全員中位で、捕獲時に白仮面が言っていた上というのは、上位で間違いないようです。


守里 T: 上位ですか…


森田 T: はい。今回捕まえた白仮面以外の中位は、その上位の紹介で、白仮面と共に行動してたみたいです。


守里 T: ちなみに、上位というのは、どのくらい強いんですか?


森田 T: 中位とは桁が1つ違います。まず、矢口は勝てないですね。


守里 T: マジですか…



そんな奴が…



森田 T: ただ、存在を確認できている上位は少なく、アンチの中でも少数であると考えられています。なので、今回の件に上位が複数人関わってる可能性は低いです。


守里 T: そうですか…


森田 T: あと、ここが1番重要なんですが、白仮面は複数人いるようです。


守里 T: アイツだけじゃなかったんですね。


森田 T: はい。それで、上位の指示で白仮面が全員集まり、薬を補充するタイミングがあるそうなんです。


守里 T: …ということは、次のそのタイミングを狙えば、白仮面達と上位を一気に捕まえられる可能性があると…


森田 T: はい。しかし、次のタイミング、集会としましょうか。捕まえた白仮面は、次の集会については、まだ連絡が来ていなかったらしく、知らないと。


守里 T: 白仮面のアジトの方は?


森田 T: アジトの場所を吐き出させた後、すぐに団員を向かわせましたが、既に何も残っていない状態でした。


守里 T: 先に手を回されたのか…


森田 T: おそらく。


守里 T: ということは、次の集会がいつどこで行われるかが分からないと…


森田 T: はい。


守里 T: なら、まずはそれから調べないとですね。


森田 T: こちらも引き続き、調査していきます。


守里 T: よろしくお願いします。


森田 T: では…



ピ



守里: よし、若月さん達に情報共有をしないとだな。



そして、もう1つの携帯を取り出し、若月に連絡した。


◇◇◇◇


放課後


風紀委員室



若月: それで、報告とはなんだ。白仮面のことだと聞いたが。


守里: はい。



風紀委員室には、完全に状況を把握している人の内、守里達の代わりに見回りに行った葵波と愛衣、生徒会の仕事で忙しい七星を除いた、若月、櫻宮、梅澤、美月、守里の5人が集まっていた。



櫻宮: 白仮面については、私達に任せてって言ったはずだけど?


守里: すみません、やっぱり諦められなくて。


若月: はぁ…危ないことはやってないんだろうな?


守里: 怪我はしてませんよ。


美月: それは、見れば分かるけどさ。


櫻宮: 白仮面についての報告ということは、まさか接触したの?


守里: はい、昨日。


美月: ってことは、バイト休んでまでの用事って、それだったのね。


守里: うん。


若月: じゃあ、その報告とやらを聞こうか。


守里: 分かりました。まず、昨日、白仮面の捕獲に成功しました。


若月: え?


櫻宮: 嘘でしょ?笑


梅澤: …


守里: 本当です。今頃警察に、捕まえた白仮面の身柄が引渡されていると思います。



その後、守里は鴨田との協力関係を結んだところから、白仮面を捕まえるまでの経緯を話す。


もちろん、防衛団のことは協力者ということにして。



若月: 能中か…


櫻宮: うちと三高の周りを集中的に捜索してたから。


若月: もう、二高や他の中学校にも、白仮面の影響が出ていると考えるべきだな。


守里: それで、白仮面達を捕まえたことで、さらに分かったことがあります。


若月: その感じだと、まだこの事件は終わらないのか?


守里: はい。白仮面は複数人いて、しかも白仮面達に指示を出している人物の存在が、明らかになりました。


美月: あの白仮面が他にもいるの?


守里: うん、捕まえた奴からの情報だと。


櫻宮: はぁ…まだ先は長そう…


若月: 確かにね。


守里: いえ、それが、一網打尽にできるチャンスがあるんです。


若月: なんだと?


守里: どうやら、その上の立場の人間から、白仮面達が、追加の薬を受け取る集会が、度々開かれているみたいなんですよ。


櫻宮: 守里が言いたいのは、次のその集会を狙えば、全員を一気に捕まえられるってことね。


守里: そうです。ただ、その集会がいつどこで開かれるか、ということが分からない状態なんです。それを知らされる前に、僕達が白仮面を捕まえたみたいで、捕まえた白仮面はその情報を持っていませんでした。


若月: なるほどな…つまり、私達は集会がいつどこで行われるか、という情報を掴まなければならないと。


守里: はい。


櫻宮: 笑、お手柄だね、守里。捜査を一気に進展させたじゃん笑


守里: いえ。僕の力では無いので…


若月: ま、お隣の御家族は不満があるようだが笑


守里: え?


美月: ムー



美月の体からオーラが溢れ出る。



守里: 美月?


美月: もう!!なんで、そう1人でやるかな!!協力者さんがいたとはいえ、かなり危なかったんでしょ!!!


守里: …ごめんなさい。


美月: ったく、次からはちゃんと言うんだよ!!


守里: はい!



美月、怖っ…

結真姉さんと似たようなプレッシャーだった…



若月: 笑、美月は怒らせると怖いタイプだな。


櫻宮: そうだね。なぁちゃんと一緒。


美月: 七星先輩とですか?


櫻宮: うん。あの子普段は、比較的ほんわかしてるけど、怒ると結構ヤバいんだよ。


若月: まぁ中々怒らないから、見る機会は少ないんだけどね。


守里: 僕も、七星さんが怒っているのを見たのは、数回しかないです。


美月: へぇ…って、守里!!ちゃんと反省してるの?!


守里: も、もちろん…ほんと、ごめん!!


美月: …(もっとちゃんと、守里を見とかないと。)


若月: 美月。許してやりな。結果的には、怪我なく、すごい成果を上げてきたんだから。


櫻宮: そうそう、小言を言うなら、せめて褒めた後じゃないと。長続きしないよ笑


美月: …そうですね。守里、良くやった…



美月は膨れっ面を保ちつつ、小さな声で言う。



守里: ありがとう…ございます。


櫻宮: 笑、ほんと見てて楽しい笑


若月: だな。



to be continued
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります

チャビューヘ
ファンタジー
いいね、ブックマークで応援いつもありがとうございます! ある日突然、クラス全員が異世界に召喚された。 この世界では「職業ガチャ」で与えられた職業がすべてを決める。勇者、魔法使い、騎士――次々と強職を引き当てるクラスメイトたち。だが俺、蒼井拓海が引いたのは「情報分析官」。幼馴染の白石美咲は「清掃員」。 戦闘力ゼロ。 「お前らは足手まといだ」「誰もお荷物を抱えたくない」 親友にすら見捨てられ、パーティ編成から弾かれた俺たちは、たった二人で最低難易度ダンジョンに挑むしかなかった。案の定、モンスターに追われ、逃げ惑い――挙句、偶然遭遇したクラスメイトには囮として利用された。 「感謝するぜ、囮として」 嘲笑と共に去っていく彼ら。絶望の中、俺たちは偶然ダンジョンの最深部へ転落する。 そこで出会ったのは、銀髪の美少女ダンジョン主・リリア。 「あなたたち……私のダンジョンで働かない?」 情報分析でダンジョン構造を最適化し、清掃で魔力循環を改善する。気づけば生産効率は30%向上し、俺たちは魔王軍の特別顧問にまで成り上がっていた。 かつて俺たちを見下したクラスメイトたちは、ダンジョン攻略で消耗し、苦しんでいる。 見ろ、これが「外れ職」の本当の力だ――逆転と成り上がり、そして痛快なざまぁ劇が、今始まる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

まほカン

jukaito
ファンタジー
ごく普通の女子中学生だった結城かなみはある日両親から借金を押し付けられた黒服の男にさらわれてしまう。一億もの借金を返済するためにかなみが選ばされた道は、魔法少女となって会社で働いていくことだった。 今日もかなみは愛と正義と借金の天使、魔法少女カナミとなって悪の秘密結社と戦うのであった!新感覚マジカルアクションノベル! ※基本1話完結なのでアニメを見る感覚で読めると思います。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...