ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第4章 白仮面編

第101話「有名な生徒達」

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25時


森田: じゃあ、車で送りますね。


守里: 森田さん、ありがとうございます。


梅澤: ありがとうございます。



森田に連れられ病院に来た守里と梅澤は、色々な検査と手当を受け終わり、それぞれの家へと帰ろうとしていた。


バタン



守里: はぁ…



車に乗った途端、ため息をつく守里。



梅澤: どうした?


守里: いや、どう家族に説明しようか、って悩んでて…


梅澤: 美月に?


守里: うん。家を抜け出す算段は考えてたけど、家に帰る時のことを考えるのを忘れてた。


森田: そういうのは、正直に話すしかないですよ。


守里: ですよね。こんな格好だから誤魔化しきれないだろうし…


梅澤: まぁ頑張れ。


守里: 香蓮の方は大丈夫なの?


梅澤: 私?私は一人暮らしだから、問題ない。


守里: あ、そうなんだ。


梅澤: それに、もう両親はいないし。


守里: え?


梅澤: 施設育ちなんだ。


守里: …ごめん。


梅澤: 笑、別に構わねぇよ。気にもしてないから。


守里: 一人暮らしって大変?


梅澤: うーん…まぁ大変ではあるけど…長いこと1人だから、もう慣れた。


守里: そっか…


梅澤: そんなこと言ってるけど、守里も美月と家族になる前は、一人暮らしだったんだろ?


守里: うん。


梅澤: じゃあ、逆にさ。一人暮らしだったのが、いきなり家族で暮らすことになるのは、大変?


守里: うちの場合は、全員が女性だったから、初めは大変だったよ。色々と。


梅澤: へぇ、そんなもんか…ちなみに、守里のお姉さんが、あの白城結真さんって本当か?


守里: ?本当だよ。


梅澤: やっぱ、そうなのか!


守里: なに?急にテンション上がって。


梅澤: い、いや…


守里: もしかして、香蓮も結真姉さんのファンだったりする?笑


梅澤: …あぁ///


守里: え?マジ?冗談のつもりで言ったんだけど…


梅澤: おいおい!白城結真さんは凄い人なんだぞ!!


守里: そ、そうなのか…


梅澤: 家族なのに、そんなことも知らないなんて!


守里: 結真姉さんって有名なの?能高の元生徒会長ってことは、知ってるけど。


梅澤: 白城結真さんはな、御三家と呼ばれる方々の1人で~~~



その後、梅澤によるマシンガントークが展開された。



守里: わ、分かった、ありがとう。教えてくれて。



香蓮は熱狂的なファンだな…


倉田さんと、どっちが…

いや、それを考えるのはよしとこう。



梅澤: ハァハァ…分かったなら、いい…



めちゃくちゃ息切れてる笑



森田: 私も白城結真さんは知ってましたよ。坊ちゃんが御家族になる前から。


守里: え?そうなんですか?


森田: はい。坊ちゃんが学校に通ってるのに、私達はその付近で護衛ができませんので、ここら辺の学校の情報は集めていたんです。


守里: へぇ。それで、結真姉さんを。


森田: 確かに、そこのお嬢さんが言う通り、白城結真さんは有名ですよ。御三家の名前で。


守里: 御三家…ということは、結真姉さんの他に2人いるんですか?


森田: 白城結真さんが生徒会長の時の、副会長と風紀委員長です。


守里: っ!!!!ま、まさか…あとの2人って…


森田: 橘奈々未さんと、羽村小百合さんです。


守里: …奈々未さん…


梅澤: 橘奈々未さんも、守里は知ってるのか?


守里: うん…残念ながら…ってか、香蓮は1回会ってるでしょ。


梅澤: へ?


守里: 奈々未さん、香蓮のこと知ってたし。


梅澤: え、え~?!!だ、誰?


守里: あれ?香蓮は奈々未さんの顔を知らないの?


梅澤: うん。見たことがあるのは、白城結真さんだけ。遠目からチラッとだけど。


守里: あ、そうなんだ…


梅澤: で、誰なの?!!


守里: この前、僕のバイト先のカフェに行ったでしょ?


梅澤: うん。


守里: あそこに、怖そうな女性店員いたじゃん、あの人。


梅澤: そ、そうだったのか…



梅澤はカフェに行った時の記憶を、隅々まで思い出し始める。



守里: ちなみに、森田さんが能高で知ってる人って、誰がいるんですか?


森田: 坊ちゃんの親しいお友達以外で知ってるのは、今の生徒会長、副会長、風紀委員長である「七月櫻」や、風紀委員の「双鬼」とかぐらいです。


守里: 七月櫻…七星さんに若月さん、櫻宮さんか…あと、双鬼というのは?


梅澤: それは、葵波さんと愛衣さんだよ。



奈々未との記憶を、じっくりと堪能し終えた梅澤が答える。



守里: あの2人ってそう呼ばれてるんだ。


森田: そういえば、双鬼が白仮面の1人を倒したみたいですよ。あと若月桐子さんも。


守里: へぇ、さすが。


梅澤: あの3人は本当に強いからな。


守里: 香蓮よりも?


梅澤: そりゃあそうだよ。私はあの人達に負けて、風紀委員にいるんだから。まぁ今となっては、それが良かったって思えるけど。


守里: 笑、そっか。



と、話していると…



森田: そろそろ、お嬢さんのご自宅に着きますよ。


梅澤: ありがとうございます。


森田: いえ。それで、1つお願いが…


梅澤: 防衛団のことは誰にも話さないように、ですよね。


森田: え、はい。


梅澤: 分かっています。絶対に誰にも話しませんから。


森田: …お願いします。


守里: 森田さん、香蓮なら大丈夫ですよ。


森田: そうですか、坊ちゃんが言うなら。



車が止まる。



梅澤: 本当にありがとうございました。


森田: お気をつけて。


梅澤: 守里も色々とありがと。


守里: うん。こっちこそ。また学校で。


梅澤: おう!じゃあな。


守里: じゃあね。



そうして、梅澤は家に帰って行った。



森田: さ、坊ちゃんも帰りますか。


守里: はい。お願いします。


◇◇◇


守里の家の前



守里: 今日はありがとうございました。


森田: いえいえ、こちらこそです。坊ちゃんのおかげで、上位をうちで捕まえることができたんですから。


守里: 香蓮の力があってこそです。


森田: 笑、そうですか。アイツからたんまり情報を貰いますよ。


守里: 頑張って下さい笑


森田: はい笑………坊ちゃん。



森田の雰囲気が変わる。



守里: なんです?


森田: 自分で使用できたんですか?


守里: え、何を?


森田: 根川雄斗を倒したあの力を使えたんですか?自分の意思で。



あぁ、あの力か…



守里: はい。使えました。


森田: そうですか…


守里: 森田さんは、アレがなんなのか知ってるんですか?


森田: いえ、私も詳しくは…


守里: 少しでも良いので、教えて下さい。


森田: すみません。教えることはできません。


守里: …


森田: 知りたいのなら、お父上にご自分で聞いて下さい。


守里: やっぱり、父さんは知ってるんですね。


森田: はい。


守里: 分かりました。では、また。


森田: お疲れ様でした。



バタン


守里が車を出る。



森田: 坊ちゃんがとうとう…団長に連絡しないと…



守里を見送った森田は、携帯を取り出し、電話をかけ始めるのだった。




守里: さて、どうやって帰ろうか。



玄関の前で立ち止まり、考える。



守里: 部屋の窓は開いてるから、壁を登って入るのも良いんだけど…音がうるさいよな。



ガチャ



守里: え…


奈々未: おかえり、守里君。


守里: 奈々未さん?


奈々未: 早く入りなさい。バレるわよ。


守里: は、はい。



ガチャ



守里: なんで帰ってくるのが分かったんですか?


奈々未: 勘。


守里: なるほど…



奈々未さんならありうる。



奈々未: 感謝してよ笑


守里: はい、ありがとうございます。


奈々未: 笑、にしてもボロボロね。


守里: でも、ちゃんと解決できました。


奈々未: そう。それなら良かった。


守里: 奈々未さんのアドバイスのおかげです。


奈々未: じゃあ、今度お礼よろしく。


守里: え?


奈々未: おやすみ。


守里: お、おやすみなさい。



奈々未は結真の部屋へと向かう。



守里: 奈々未さんへのお礼とか…しばらく考えないとダメだな。



そして、守里もこっそりと自分の部屋へ向かった。


◇◇◇◇◇


翌朝


ガチャ



桜: おはよう…


結真: おはよう、桜。


桜: うん…


奈々未: 笑、まだ眠たそうね。おはよう。


桜: あ、奈々未さん…そっか、昨日泊まっていったんでしたね…ふぁ~あ…


結真: 毎朝こんな感じよ笑


奈々未: へぇ。というか、桜が一番早いんだ。


結真: うん。桜、守里、美月、蓮花の順かな。


奈々未: 美月と蓮花が遅いのは分かってた笑


結真: 笑、桜、顔洗ってきなさい。


桜: うん…



洗面台の方に、とぼとぼと歩いて行く桜。



奈々未: それで、結真が毎朝、朝ご飯を作っていると。


結真: まぁね。


奈々未: 大変じゃない?


結真: 確かに大変ではあるけど、家族の中じゃ、私が一番時間があるし、料理も楽しいから。


奈々未: そっか。たまには守里君にも料理させてね笑


結真: 笑、私が忙しい時にはやってもらってるよ。なんなら私よりも上手だし。


奈々未: 私と店長で鍛えたから笑。それに、バイト始める前から料理上手だったし。


結真: そうなんだ。ま、守里は一人暮らし歴が長いから。


奈々未: それは聞いてたけど、どのぐらい前からだったの?


結真: 多分、守里が中学2年生の時からかな。


奈々未: ふ~ん。


結真: よし、朝ご飯できた!


奈々未: おっ!待ってました!!


結真: 笑、じゃあ先に食べようか。


奈々未: やった笑


桜: お姉ちゃん、できたの?


結真: うん。桜も一緒に食べよ。


桜: 分かった。



3人は会話を弾ませながら、朝食を食べ始めた。




to be continued
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