ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

文字の大きさ
100 / 340
第4章 白仮面編

第100話「白仮面捕獲作戦Final Last」

しおりを挟む
ギフトモール地下駐車場


東側



白仮面β: クソッ…なんなんだよ、お前…


若月: あ?



東側の戦場では、白仮面βがボロボロになって、地面に膝をついていた。



白仮面β: この俺が…こんな…


若月: ったく、憂さ晴らしになるかと思ってれば、全然大したことがない。


白仮面β: チッ…


若月: 鍛え方が足りん。


白仮面β: うるせぇ!!!!!



白仮面βが若月に向かって跳び、足を突き出す。



若月: だから、お前はバカかって。



その足を若月は簡単にいなす。



白仮面β: クッ


若月: 一直線に来てどうする。


ドンッ



若月のカウンターの蹴り上げが、白仮面βの腹に決まる。



白仮面β: グハッ


若月: 勢いだけだな。私が全力を出す必要、なかったんじゃないか?


白仮面β: 女の癖に…


若月: …


ドスッ!!!!



若月の横蹴りが白仮面βの胸に入り、白仮面βが吹き飛ばされる。



若月: 女の癖に、ってなんだよ。女は喧嘩が強いとおかしいのか?喧嘩が強かったらダメなのか?


白仮面β: …


若月: 答えろ。


ドンッ



若月は倒れる白仮面βに、足を振り下ろす。



白仮面β: グッ…知らねぇよ。


若月: 喧嘩の強い弱いに性別は関係ない…ただ、お前が倒れ、私がこうやって足を乗せてる事実の上で、私の方がお前よりも強いってだけだ。


白仮面β: …



白仮面βが若月を睨みつける。



若月: そんな睨みつけても何も変わらない。体を動かさないと。



そう言って、若月は白仮面βを足で転がす。



若月: ほら、動いてみろ。


白仮面β: …お前を倒して、地面に頭を擦り付けさせてやる…



白仮面βが立ち上がり、構える。



若月: まだ目が死んでなくて嬉しいよ。私の憂さ晴らしに、まだまだ付き合ってくれ。


白仮面β: オラ!!



白仮面βが高速の蹴りを、若月に撃ち込むが…



若月: 良いスピードだ。



簡単にその蹴りを避ける。



白仮面β: クソがーーー!!!!


ビュンビュン



回し蹴り、後ろ回し蹴り、飛び回し蹴り、後ろ回し踵落とし、前蹴りと蹴り技を連続で放つが…



若月: その蹴り技は敵ながら見事。



難なく全て避ける。



若月: だが、なんだろう…軽いな。


ドスンッ!!!



蹴り技の途切れ目で、若月の横蹴りが白仮面βの腹に入る。



白仮面β: ガハッ



そして、白仮面βの体はくの字となりつつ、吹き飛ぶ。



若月: ちなみにだが、お前が強くあろうとする理由はなんだ?



地面に倒れる白仮面βに、遠くから問いかける。



白仮面β: …グッ…理由なんかねぇよ…


若月: 理由がない…成り行きということか…


白仮面β: だったらなんだ!!理由がないといけねぇのかよ!!!



限界の体から力を振り絞って、白仮面βは叫ぶ。



若月: いや、さっき私が言った性別と同じように、理由の有無は強さに関係ないかもしれない。


白仮面β: …


若月: ただ…今の感じだと、関係あるのかもな笑


白仮面β: あ?…


若月: 私はな、危なっかしい相棒を守るために、強くあろうとしているんだ。


白仮面β: …だからなんだよ…


若月: 少なくとも、お前と私の違いは、この強くあろうとする理由の有無だ。そして現状、私の方がお前より圧倒的に強い。


白仮面β: …


若月: お前も、その理由を見つければ、もっと強くなれるんじゃないか?


白仮面β: うるせぇ…センコーみたいに言ってんじゃねぇよ…


若月: そうか笑



倒れたままの白仮面βに近づく。



若月: ま、刑務所でゆっくりと考えるんだな。


ドスン



若月が白仮面βの腹に拳を振り下ろす。



白仮面β: グハッ…


若月: さて…警察の皆さん。コイツをよろしくお願いします。


警察2: は、はい。


警察4: よし、手錠かけるぞ。


警察9: お、おう。



一部始終を見ていた警察達が、慌てて白仮面βの所に向かう。



葵波: あれ?もう終わった?


愛衣: アイツ伸びてんじゃん。


若月: そっちも無事終わったんだな。


愛衣: もちろん。


葵波: 楽勝よ笑


若月: そうか笑、東側は見た感じ終わったみたいだから…


愛衣: 南側も適当に倒しながら来たから、ほとんど残ってないよ。


若月: なら、あとは北と西側か。


葵波: よし!行こう!!


愛衣: うん!!


若月: 笑、元気が良いな。



そうして3人は残る戦場に向かった。





ギフトモール内



上位: もう動けねぇのか…なら通らせてもらう。



そう言って、上位は1歩踏み出す。



梅澤: (クソッ…動けねぇ…もう、どうしようもないのか…)


守里: …


上位: あ?まだやるのか?



守里が立ち上がる。



梅澤: (っ!!!守里…)


守里: 俺が止める。


上位: っ!!!


梅澤: っ!!



守里がそう言った瞬間に、ものすごいオーラが、体から放たれる。



上位: (コイツ…なんていうプレッシャーだ…)


梅澤: (守里…?)


上位: …そうかよ!!!



再び上位が守里に突っ込み、拳を放つ。



守里: 甘めぇよ。


パシッ


ドスン!!!


上位: グハッ!!!



上位の拳を受け止めた守里が、カウンターを決める。



守里: 吹っ飛べ!!!



そして、硬直した上位の顔面を守里が殴り飛ばす。



上位: チッ…お前、ほんとに今さっきまでの奴かよ。全然別人じゃねぇか。


守里: 俺は俺だ。


梅澤: (あれは…守里なのか?…)


上位: そうか…まぁなんにせよ、俺はお前を倒す。


守里: 絶対に通さねぇ。


上位: オラッ!!



上位が瞬時に接近し、前蹴りの態勢に入る。



守里: フンッ



繰り出された蹴りを守里は下に弾き落とす。



上位: …



すぐさま上位は、少し下がった守里の頭目掛けて拳を振るう。



ビュン



それを守里は体を反らして避け、やり返しとばかりに、守里も上位の顔面目掛けて、拳を突き出す。



上位: …


バシッ



その拳を上位は払い、半歩分後ろに下がるが…



守里: …


上位: っ!!!



守里はそれを見るや、体を捻って手を地面につき、その回転の勢いで、後ろ回し蹴りを放つ。


守里がいきなり視界から消えたことに動揺した上位は、急に視界の下方から現れた足に反応できず、顎に踵をモロに食らってしまう。



上位: ブヘッ


守里: これで決める!!


上位: やられてたまるか!!!



上位は、持ってかれそうになった意識を気合で留める。


上位: オリャーーー!!!!!!


守里: ハァ!!!


バコン!!!



守里に向かって伸びてきた上位の拳を、守里はギリギリで避けつつ、上位の顔面に拳をぶつける。



守里: 俺の大切なもんに手を出すんじゃねぇ!!!


ブンッ!!


ドスン!!!



守里はその拳を振り切り、上位は地面に叩きつけられる。


そして上位は、地面に背中を着け、動かなくなった。



守里: ハァハァ…さすがにキツい…


梅澤: 終わったのか…


守里: っ!!香蓮!!大丈夫なのか?!


梅澤: 笑、あぁ。なんとかな。


守里: 良かった…


梅澤: ってか、お前、守里で合ってる?


守里: もちろん。俺は森崎守里だよ。


梅澤: ふーん…一人称が僕から俺に変わってるし、ソイツにも自分から攻撃したみたいだけど。


守里: まぁ色々あんだ。


梅澤: はぁ…そんなにできるんなら、初めからやれっての笑


守里: すまん…


梅澤: 笑、いいよ。なにか事情があったんだろ。それに私も良い経験ができたし。


守里: 次は、こうならないよう頑張るから。


梅澤: 次って笑、こういうのが起こらないようにするのが、風紀委員の役目なんじゃないか?笑


守里: 確かに笑。じゃあこうなる前に止められるよう、努力するよ。


梅澤: だったら、私も同じだ。こんな不甲斐ない姿にならないよう、若月さん達に稽古つけてもらお。


守里: そうか。あの3人の扱きはキツイだろうけど、頑張れ笑


梅澤: あぁ。お前に負けないようにな笑


守里: おう…あ、すぐに病院に連れて行くから。


梅澤: なっ、私だけ…


守里: 良いから、結構ダメージ入ってるんだろ。無理すんな。



そう言って守里は、ポケットからインカムを取り出す。



守里: 森田さん?


森田: 坊ちゃん?!!!今まで何してたんですか?!


守里: すまん、モールに入ったら、すぐに例の上位アンチと交戦したから、連絡する余裕が無かった。


森田: (敬語じゃない…ということは…)そうですか…


守里: 急で悪いが、こっちに車を回してくれ、今すぐに病院に運んで欲しい奴がいる。


森田: 了解しました。地下駐車場の方もあらかた終わったみたいなので、私が行きます。


守里: 分かった。



インカムを切る。



梅澤: 誰?


守里: 香蓮も知ってる防衛団の人だよ。


梅澤: っ!!!


守里: 少し話すか?今から迎えに来るが。


梅澤: いや、良い。


守里: そうか。


梅澤: こんな状態じゃダメだ。もっと…




カチ




ここで、守里の意識が一瞬途切れる。



梅澤: …守里?


守里: はっ…どうしたの?香蓮。


梅澤: いや、急に黙り込んだから。


守里: 大丈夫だよ。


梅澤: そう…


守里: もうちょっとで迎えが来るはずだから。


梅澤: (雰囲気が変わった…というか元の守里に戻った?)


森田: 坊ちゃん!!


守里: あ、森田さん。


森田: ご無事…ではなさそうですね笑


守里: なんとか倒すことは出来ましたけど。


森田: コイツが例の…



森田は地面に倒れている上位を見る。



森田: さすが坊ちゃんです。


守里: いや、僕1人の力じゃないですよ。


森田: そうですか。それで、この子が?


守里: はい。よろしくお願いします。


森田: 分かりました。ですが、坊ちゃんも一緒にですよ。


守里: え?また病院ですか…


森田: 無茶したんですから、当たり前です。


守里: 駐車場の方は?


森田: ついさっき、矢口の方から、完全に終息したという報告を受けました。


梅澤: ホッ…


守里: そ、そうですか…


森田: さっ、行きますよ。そちらのお嬢さんも。


梅澤: は、はい。


守里: …分かりました。



守里と梅澤は車に乗り、森田と共に伊衛能病院へと向かった。


こうして、守里達と白仮面達との争いが終わった。




to be continued

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります

チャビューヘ
ファンタジー
いいね、ブックマークで応援いつもありがとうございます! ある日突然、クラス全員が異世界に召喚された。 この世界では「職業ガチャ」で与えられた職業がすべてを決める。勇者、魔法使い、騎士――次々と強職を引き当てるクラスメイトたち。だが俺、蒼井拓海が引いたのは「情報分析官」。幼馴染の白石美咲は「清掃員」。 戦闘力ゼロ。 「お前らは足手まといだ」「誰もお荷物を抱えたくない」 親友にすら見捨てられ、パーティ編成から弾かれた俺たちは、たった二人で最低難易度ダンジョンに挑むしかなかった。案の定、モンスターに追われ、逃げ惑い――挙句、偶然遭遇したクラスメイトには囮として利用された。 「感謝するぜ、囮として」 嘲笑と共に去っていく彼ら。絶望の中、俺たちは偶然ダンジョンの最深部へ転落する。 そこで出会ったのは、銀髪の美少女ダンジョン主・リリア。 「あなたたち……私のダンジョンで働かない?」 情報分析でダンジョン構造を最適化し、清掃で魔力循環を改善する。気づけば生産効率は30%向上し、俺たちは魔王軍の特別顧問にまで成り上がっていた。 かつて俺たちを見下したクラスメイトたちは、ダンジョン攻略で消耗し、苦しんでいる。 見ろ、これが「外れ職」の本当の力だ――逆転と成り上がり、そして痛快なざまぁ劇が、今始まる。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『25歳独身、マイホームのクローゼットが異世界に繋がってた件』 ──†黒翼の夜叉†、異世界で伝説(レジェンド)になる!

風来坊
ファンタジー
25歳で夢のマイホームを手に入れた男・九条カケル。 185cmのモデル体型に彫刻のような顔立ち。街で振り返られるほどの美貌の持ち主――だがその正体は、重度のゲーム&コスプレオタク! ある日、自宅のクローゼットを開けた瞬間、突如現れた異世界へのゲートに吸い込まれてしまう。 そこで彼は、伝説の職業《深淵の支配者(アビスロード)》として召喚され、 チートスキル「†黒翼召喚†」や「アビスコード」、 さらにはなぜか「女子からの好感度+999」まで付与されて―― 「厨二病、発症したまま異世界転生とかマジで罰ゲームかよ!!」 オタク知識と美貌を武器に、異世界と現代を股にかけ、ハーレムと戦乱に巻き込まれながら、 †黒翼の夜叉†は“本物の伝説”になっていく!

まほカン

jukaito
ファンタジー
ごく普通の女子中学生だった結城かなみはある日両親から借金を押し付けられた黒服の男にさらわれてしまう。一億もの借金を返済するためにかなみが選ばされた道は、魔法少女となって会社で働いていくことだった。 今日もかなみは愛と正義と借金の天使、魔法少女カナミとなって悪の秘密結社と戦うのであった!新感覚マジカルアクションノベル! ※基本1話完結なのでアニメを見る感覚で読めると思います。

処理中です...