ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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閑章2

第110話「応援する人が強力過ぎる」

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カフェBINGO!で、店長に許可をもらい、お客さんが少ない間、テスト勉強をする珠美と、勉強を教える守里。



守里: それで、珠美はなんの教科が苦手なの?


珠美: 珠美はですね、理系科目が苦手です!


守里: そっか…



やっぱ、みんな苦手科目は似るんだな。

日向子も祐希も、理系科目苦手だから。


あ、でも紗耶ちゃんは、理系の方が得意って言ってたような…



珠美: 何からやればいいですか?


守里: うん。教科書持ってきたでしょ。その教科書の問題を解いてこうか。


珠美: はい!分かりました!!



珠美は机に教科書とノートを開き、問題を解き始める。

守里はその様子を見つつ、自分も数学の問題を解き始めた。


思ってた通り、珠美はスラスラと解けてる。

元々、そんな頭が悪いイメージもないし。


これは、僕の出番も少ないかな。



珠美: 先輩、これはどういうことなんですか?



そう言って珠美が、化学の教科書を見せる。



守里: イオン化エネルギーとかのところか。


珠美: はい。色々とあって、どれがどんなやつなのか、分かりません。


守里: うん。ここはちゃんと整理しとかないと分かんなくなるよね。



そう言って、守里は教え始める。



珠美: あぁ、なるほど!イオン化エネルギーは、買い手で、電子親和力は売り手ってことですか!!


守里: うん。イオン化エネルギーは原子が電子を放出する時に必要なエネルギーで、電子親和力は原子が電子を貰う時に必要なエネルギーってことね。それで、原子がイオンの状態を、それぞれが商品を売買した状態で、必要なエネルギーの大きさが商品の値段…


珠美: 買い手は、値段が安い商品ほど、買いたいって思うし、売り手は値段が高い商品ほど、売りたいって思う…


守里: そうそう。原子は、イオン化エネルギーが小さいほど、陽イオンになりやすくて、電子親和力が大きいほど、陰イオンになりやすいってこと。


珠美: めちゃくちゃ分かりやすいです!!


守里: ちなみに、電気陰性度は似てるけど、違うやつだから、気をつけて。


珠美: それは分かってますよ!電気陰性度は電子を引き寄せる力ですよね。それによって極性が出てくるみたいな。


守里: うん。ちゃんと理解してる。その調子で頑張ってこう!


珠美: はい!!



こんな感じで、2人の勉強会は進んだ。




2時間後…



奈々未: よし、私の1時間も終わりだ。


珠美: 奈々未先輩、ありがとうございました!


奈々未: いえいえ。私も珠美ちゃんとお喋りできたから楽しかったよ。守里君の話も聞けたし。


珠美: そうですか?


奈々未: うん。


珠美: なら、良かったです!


奈々未: 笑、これからも頑張ってね。


珠美: はい!勉強頑張ります!


奈々未: 違う違う笑、それもだけど…


珠美: だけど?


奈々未: 守里君へのアプローチ。


珠美: へ?!///


奈々未: 私も店長も応援してるよ。


珠美: は、はは、はい!頑張ります!!



珠美の顔が一気に赤くなる。



奈々未: 笑、じゃあラスト1時間は、全員で表に出とこう。


珠美: わ、分かりました。



2人は席を立つ。



店長: あれ?もう、お勉強は終わり?


珠美: はい!今日は終わりです!


店長: 進んだ?


珠美: もちろんです!守里先輩と奈々未先輩のおかげで。あと、店長のおかげでもあります!!ありがとうございます!!


店長: え?僕?


珠美: はい!珠美がここで勉強することを、店長が許してくれなかったら、勉強することもできなかったですから!


店長: そうだね笑


珠美: 改めて、ありがとうございます!!


店長: 笑、中村さんの助けになれたのなら良かった。


奈々未: 守里君、どうだった?


守里: 変わらず、お客さんは数人しか来なかったです。


奈々未: でも、いつもよりは多いね。


守里: はい。多分ポスター効果ですよ。


奈々未: 作った甲斐があったわ笑


守里: ですね笑


奈々未: もうちょっと増やしても良いかも。


守里: 増やした場合、どこに貼ります?


奈々未: お店の窓と、あとは商店街通りの掲示板に貼るのもあり。


守里: それって、誰かに許可取りしないとなんですか?


奈々未: う~ん、あの掲示板は、誰でも使っていいようになってるから大丈夫だと思う。まぁ一応、確認しとくよ。


守里: お願いします。


奈々未: 笑、お客さん増やすためにも頑張らないと。


守里: 増えすぎても…ですけど笑


奈々未: 確かに笑。今ぐらいの雰囲気が、私も好きかな。


守里: 僕もです笑


奈々未: だよね笑



その後、1時間全員で働き、数人のお客さんの対応もして…



店長: よし、今日は終わり。中村さん、表のアレひっくり返してきて。


珠美: はーい!


奈々未: 守里君、掃除するよ。


守里: 了解です。


店長: 橘さん、テーブル拭き終わったら…


奈々未: キッチンですね。


店長: よろしく。


奈々未: はい。



守里は床の掃除をし始める。


今日はこのまま帰って…

明日は祐希の勉強に付き合わないとだ。


どこでやろうか…

僕の家でも良いけど、祐希の家からは遠いしな。


できれば、駅前近くで…よし、図書館でやろう。



奈々未: 守里君。



守里が、明日の祐希との勉強会について考えていると、奈々未が話しかけてくる。



守里: なんですか?


奈々未: 今日さ、珠美ちゃんを家まで送ってよ。


守里: え?でも、いつもなら…



平日のバイトの時は、守里が奈々未と珠美を家まで送っているが、土曜日のバイトは、夕方には終わるため、各々で帰っていた。



奈々未: まぁまぁ、いいから、いいから。


守里: ?


奈々未: ほら、店長を見て。


店長: ウンウン笑



守里が店長を見ると、店長は守里の方を見て、微笑みつつ、ゆっくり頷いていた。



奈々未: 店長も任せたって言ってるんだから。


守里: え?あれって、そういう意味なんですか?


奈々未: そうだよ笑。だから、よろしくね。


守里: ま、まぁ送るだけなら、別に構いませんけど。



なんで急に…


もしかして、珠美の体調が悪いんじゃ…

昼も変な感じだったし…



守里: あの、もしかして、珠美って体調崩してるんですか?


奈々未: 笑、そういうわけじゃないって。


守里: そうですか?僕が気づけなかっただけで…


奈々未: 本当に大丈夫だから。いつもみたいな感じで、珠美ちゃんを家まで送ってくれれば良い。


守里: 分かりました…



一応、珠美の様子をちゃんと見とこう。




そして、店内の掃除も終わり…



奈々未: 2人とも帰ろっか。


守里: ですね。


珠美: はい!


店長: じゃあ、気をつけて帰ってね。



店長は守里を見ながら言う。



奈々未: 店長、お疲れ様でした。


守里: お疲れ様でした。


珠美: お疲れ様でした!


店長: みんなもお疲れ様。またね~



ガチャ



奈々未: じゃ、バイバイ。


守里: はい、お疲れ様でした。


珠美: 奈々未先輩!お疲れ様でした!


奈々未: 守里君よろしく。


珠美: ?


守里: 分かってます。


奈々未: じゃ。



奈々未が去っていく。



守里: よし、珠美帰ろう。


珠美: そうですね。



そう言って、珠美が歩き出す。


そして、それに守里もついていく。



珠美: あれ?守里先輩って、あっちじゃないんですか?


守里: ん?珠美聞いてないの?


珠美: 何をですか?


守里: 今日、奈々未さん達から、珠美を家まで送るように言われたんだけど。


珠美: え?そうなんですか?!


守里: うん。



いや、奈々未さんも店長も、珠美に言ってなかったんかい。


一体、何がしたいんだ。



珠美: (もう!奈々未先輩も店長も…でも…)


守里: まぁ、いいから帰ろ。珠美。


珠美: はい!!一緒に帰りましょう!!



珠美が守里のそばに寄る。



守里: なんか近くない?


珠美: そんなことないですよ!!


守里: そ、そう?


珠美: はい!ニコニコ



こうして、2人は仲良く話しながら帰った。




to be continued
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