ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第5章 夏休み編

第133話「小悪魔属性vs妹属性」

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守里: zzzzz



夏休みの第一週、朝早くに起きなくても良い守里は、自然と目が覚めるまで、1人スヤスヤと眠っていた。


もちろん守里自身も、そうし続けたいと、願っていたのだが…


ガチャ



??1: 失礼しま~す。まだ寝ていらっしゃいますね~笑



守里の部屋にこっそりと入ってきた??1は、守里の寝顔を確認しつつ、ベッドの中に入る。



??1: フフフ…いい匂い…




数十分後…


ガチャ



??2: お兄ちゃん?寝てる?



再び、誰かが守里の部屋へ。



??2: 笑、やった。



??2も、守里のベッドに近づき、寝顔を眺める。



??2: あれ?なんか…



布団を少しだけめくる。



守里: zzzz


??1: …



??2は視界の中にある違和感を指で突く。



??1: …ん、もう、くすぐったい…



??1は??2の指から逃げるように、眠る守里に抱きつく。

その時、??1にかかっていた布団が剥がれ、気持ちよさそうに眠る??1の顔が、さらけ出される。



??2: はっ!!な、な…


守里: zzzz


??2: 何やってるの?!!お姉ちゃん!!!



 守里の部屋に響く??2の声。



守里: うわっ!!



その声に驚き、飛び起きる。



守里: って、え?



そして、体を起こした守里は、すぐに自身の体に回っている腕に気づいた。



??2: 早く、お兄ちゃんから離れて!!


??1: んもう…うるさいよ、蓮花…笑


守里: ちょ、美月。蓮花も。


蓮花: 美月お姉ちゃんが、そんな、やってるからでしょ!


美月: 笑、そんなって何?


蓮花: お兄ちゃんと一緒に寝てるだなんて!


美月: それが、どうしたの?笑


守里: 美月、また勝手にベッドに…


蓮花: って、お兄ちゃんも、また?


守里: あ、あぁ、前にも1回…


美月: 確か、彩芽ちゃんと玲衣ちゃんが来た時だったよね?


守里: うん…


蓮花: あの時…蓮花達がリビングで遊んでる間に、そんなことを…


美月: そんなことって蓮花、別に笑


守里: ねぇ、美月。やっぱり家族でも一緒に寝るのはさ。


美月: 笑、大丈夫だって。


守里: でも…


美月: 守里は私のこと、大事な家族って思ってないの?


守里: そりゃあ思ってるよ。


美月: だったら、問題ない笑


ギュッ



守里の腕に美月が抱きつく。



守里: はぁ…



今度、なぁちゃんに聞いてみるか。

あと、春時にも。



蓮花: お姉ちゃんがそうやって言うなら、蓮花だって、お兄ちゃんの妹なんだから問題ないよね!


守里: う、うん。


美月: え~蓮花にはまだ早いんじゃない?笑


蓮花: そんなことないもん!蓮花だって!


ギュッ



蓮花は空いている方の腕に抱きつく。



守里: まぁまぁ、とにかくリビングに行こう。


蓮花: ムー



蓮花は美月を睨みつける。



美月: 笑(いつかは、もっと別の…)


守里: ねぇ2人とも、歩きにくいから一旦離れてくれない?


美月 蓮花: 嫌!!


守里: そ、そっか…



朝から息も揃って元気なことで。

さすが姉妹…


そうして守里達はリビングへ。


ガチャ



守里: おはよう。


結真: おはよう、守里…って、2人も笑。おはよう。


美月: おはよう!お姉ちゃん。


蓮花: おはよ…


結真: まぁ守里の腕に抱きついてることには、もうツッコまないけど、なんで蓮花は不機嫌そうなの?笑


蓮花: ねぇ聞いてよ!お姉ちゃん!!


美月: 蓮花、ちょい待ち。


蓮花: …何?



守里の背後で話す2人。



美月: お姉ちゃんに言ったら、守里と一緒に寝るのを止められるかもよ笑ボソッ


蓮花: はっ!確かに…分かった。秘密にしようボソッ


美月: うんボソッ


結真: 全く、どうしたの?


蓮花: いや、なんでもない!


結真: ふ~ん、そう。


美月: あ~お腹空いた~朝ご飯は?


結真: キッチンにあるから、持ってきて食べて。


守里: ありがとう、結真姉さん。


結真: いえいえ笑


蓮花: 早く食べよう!お兄ちゃん!


守里: うん。


結真: あ、今日は焼魚だけど、大きさが違うわよ笑


美月: なんだって!お先にえ~らぼ!



ここでようやく、美月が守里の腕から離れる。



蓮花: あ!お兄ちゃん!早く行こ!


守里: 笑、そうだね。


桜: あ、みんな起きてきたんだ。おはよう。



洗面台から歯ブラシを持った桜が、顔を出す。



守里: 桜、おはよう。


蓮花: お姉ちゃんおはよう!


桜: うん…(蓮花、良いな…さくも。)


守里: って美月、1番大きいやつ。


美月: 早い者勝ちだよ!



そうして、守里達は朝ご飯を食べ始める。



守里: 笑、にしても魚の大きさ違いすぎない?



守里は自身の前に置かれている魚と、美月の前に置かれた魚を見比べて言う。



結真: 朝に焼いてる時から、私も思ってたけど、たまには良くない?なんか面白いし。


守里: 笑、まぁね。でも結真姉さんが1番だったんなら、大きいの食べればよかったのに。


結真: さすがに朝からはキツいわ笑


守里: 桜も?


桜: うん。さくには大きい。


守里: そっか笑


美月: もう、守里がそこまで言うんなら、食べさせてあげるよ、私の魚。


守里: は?


美月: ほら、あ~ん。



美月は自分の箸で、ほぐした身を守里の口元に運ぶ。



守里: いや、美月。


美月: なに?美月ちゃんの想いを受け取れないの?


守里: そ、そんなことは…


美月: じゃあ、どうぞ!


守里: …パク


美月: おいしい?


守里: モグモグ…うん。


美月: 笑


桜: ///(大胆…)


結真: 笑(さすが、私の妹。小悪魔ね。)


蓮花: お兄ちゃん!!


守里: ど、どうした?蓮花



突然の大声に、再び驚く守里。



蓮花: 蓮花のも分けたげる!



そう言って、蓮花も美月と同じように、魚の身を守里の口へ持っていくが。



守里: もう、何言ってるの?蓮花。蓮花の魚は小さいんだから、無理して僕に分けなくて良いんだよ。


蓮花: でも~


守里: もしかして、食べ切れないの?


蓮花: そういうわけじゃなくて!別に蓮花はお腹減ってて…いや、だから…


守里: え…だったら、僕の分をあげるよ。



守里は蓮花の手を押し戻して、自分の魚を分け始める。


それを見た蓮花は…



蓮花: (これは…お姉ちゃんに勝つチャンスなのでは…)


守里: ほら、蓮花、お皿を…


蓮花: お兄ちゃん!あ~



蓮花は守里の方を向いて、口を大きく開ける。



美月: な…


守里: 笑、しょうがない妹だな。あ~ん。



口を開けて待つ蓮花の可愛さにやられた守里は、笑顔で蓮花の要望に応える。



蓮花: パク…おいしい!ありがとう!お兄ちゃん!!


守里: いえいえ。ほら、まだいる?


蓮花: うん!あ~


美月: …(やられた…妹の特権を。蓮花め、やりおる…)


結真: 笑(もはや餌付け…)


桜: (さくも、あぁやったら…)


美月: あ、守里。わ、私も守里の分けて欲しいな~


守里: いや、美月のは大きいじゃん。


美月: …


蓮花: お兄ちゃん!!あ~


守里: はーい。


美月: …チッ


結真: まぁまぁ笑(いや~ほんと、面白い。なんか夏休み入ってからの美月は、積極的に守里に近づいてるし。蓮花もそれに感化されて対抗してるし。まぁ守里には全く響いてないみたいだけど笑)


美月: (まだまだ!頑張れ!私!!)



美月は、夏休み期間中に、自分の独壇場となる自宅で、守里に振り向いてもらえるよう、様々な作戦を考えていた。

朝から守里のベッドに入ったり、あ~んをしたりしたのも、その作戦の一部である。



美月: (思ったよりも蓮花が厄介ね…家なら他に邪魔が入らないって思ってたけど…また別の作戦を…どれにしようか…あれを…いや、これも…)



美月は自宅にいるはずなのだが、まるでテスト中かのように、脳を高速回転させていた。



桜: (さくもお兄ちゃんに甘えたい…頑張る!)



その裏で、桜も動き出そうと、静かに心を燃やしていた。



守里: ごちそうさまでした。


蓮花: ごちそうさまでした!!


美月: モグモグ…


守里: 笑、美月、顔怖いよ。


美月: はっ!


守里: なにか考えごと?


美月: ううん、今日何しよっかな~ってさ笑


守里: 笑、まぁ早く食べたら?冷めちゃうし。


美月: 分かった笑モグモグ


結真: あ、食器は置いといて。


守里: いや、自分で洗うよ。


蓮花: 蓮花も!


結真: 笑、ありがと。



こんな感じで、守里の家では時間が過ぎて行った。


◈◈◈


木村道場



春時: ふぅ…



広い道場で1人、集中する春時。



春時: フンッ!



春時の足が綺麗な弧を描く。



春時: …



続いて、流れるように、もう片方の足が空気を切り…



ドンッ!!


春時: ハッ!!



拳が空気を押し出す。



春時: ふぅ…


紗耶: ねぇ兄貴。何時までやってんの?


春時: ん?あぁ、紗耶か。


紗耶: こんな暑い中。


春時: 笑、なんか最近物騒だからさ、体動かしとかないとって思ってな。


紗耶: ふ~ん。


春時: で?どうしたんだ?


紗耶: ちょっと買い物に付き合って欲しいの。


春時: え、やだよ。どうせ荷物持ちさせられるだけだし。


紗耶: …じいじに、紗耶の頼みを断ったって言うよ。


春時: はぁ…分かったから、ちょっと待っとけ。


紗耶: 笑、はーい!ありがと、兄貴!



紗耶は満足気に道場から出て行く。



春時: 全く。



こんな暑い中、紗耶の買い物に付き合う方が、大変だって。

ま、適当に付き合ってやるか。


紗耶からそんな頼み事をしたら、じいちゃんが何して来るか、分かったもんじゃない。



春時: ありがとうございました!



春時は一礼をして、道場を出た。




to be continued


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