ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第5章 夏休み編

第132話「期待と不安の助っ人」

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夏休みに入り、ポスター効果もあってか、突然急増したお客さんを、なんとか捌ききった守里達。

休憩に入った奈々未と珠美に対し、店長と守里は、キッチンで作業を続けていた。



店長: 森崎君も休まないとだよ笑


守里: 店長も一緒ですって笑


店長: でも、森崎君の言う通り、さすがにこれからの時間で来るお客さんは、あんまりいないだろうし、大変な波は乗り越えられたかな。


守里: おそらく…


店長: う~ん、バイトの増員は真剣に考えた方が良さそうだね。


守里: でも、今から募集して面接してってやってたら、持ちます?


店長: …それでなんだけど、森崎君の知り合いで即戦力いない?


守里: 即戦力と言うと、接客ができる人ってことですか?


店長: うん、まぁ経験があるか、得意な子。


守里: …



守里は考える。


まぁ、まず、日向子と祐希は論外。

あと、飛香も既にバイトしてるから除いたとして…


春時…一応聞いてみるか。



守里: 了解です。できそうな人に聞いときます。


店長: 笑、ありがとう。


守里: それにしても、一気に忙しくなり過ぎですよ笑


店長: 僕もびっくり笑


守里: 明日は、奈々未さんと珠美ですか?


店長: そうなるね。今月のシフトは、いつも通り森崎君が月・木・土、中村さんが月・火・木・土、橘さんが月~土。ま、中村さんは木、橘さんは火・木・土が午後からなんだけど。


守里: 午前中は、珠美と店長だけで捌かないとなんですね。


店長: うん。なんとか頑張る。


守里: ほんと、頑張ってください笑


店長: 笑、あ、梅澤さん?に、用意できたって伝えといて。


守里: え?完成したんですか?


店長: 今朝ね。


守里: 新メニューの開発って、それだったんですか。


店長: 今回のは、これまで以上の自信作だから。


守里: 香蓮に声掛けときます。


店長: よろしく笑



ガチャ



店長: 森崎君。


守里: はい、いらっしゃいませ!



扉が開く音が聞こえ、守里が迎えに行くと、そこには…



??: 久しぶりに来たな~


守里: あれ?七星さん!


七星: あと、もう1人…



七星が後ろの方を見る。



祐希: もう!お姉ちゃん!置いてかないでよ!


守里: 祐希もか。


祐希: よっす!守里。



神田姉妹がいた。



七星: 笑、祐希が行こうって言ったから来たんや。


祐希: そういうこと!


守里: なるほど笑…2名様ですね。お好きな席にどうぞ。


七星: 笑


祐希: ここ~


店長: 確か小さい子は、前に来たことあるよね?勉強しに。


守里: 結構前にもう1人の方も、1回だけ来たことありますよ。


店長: そっか、覚えてないや。ってことは、二人共、森崎君の知り合い?


守里: 幼なじみです。


店長: 小さい子がお姉ちゃんって呼んで…森崎君の幼なじみ…もしかして、あの関西弁の子は、前に森崎君が言ってた幼なじみの先輩?


守里: 店長、凄いですね笑。そうです。


店長: あんまり僕を舐めてたらダメだよ笑。こう見えて僕はね~


守里: 店長、おそらく祐希は馬刺しとグレープフルーツジュース頼むんで、用意お願いします。


店長: あ、う、うん…


祐希: 守里~!


守里: …ご注文はお決まりになりましたか?


七星: うん、このたこ焼き2つと、コーヒー。


祐希: あと馬刺しとグレープフルーツジュース。


守里: はい、ありがとうございます。少々お待ちください。


奈々未: 守里君。私が代わるから、休憩がてら、あの子達と話してきたら?



裏から出てきた奈々未が、守里に提案する。



守里: 分かりました。お願いします、奈々未さん。


珠美: 珠美も働きますよ~


守里: 笑、よろしく。



そうして、守里は七星と祐希の元へ。



祐希: あれ?守里、どうしたの?


七星: サボりか?笑


守里: いやいや、休憩に入ったから来た。


祐希: 休憩って、必要なの?


守里: 笑、普段は別にいらないんだけど、今日はめちゃくちゃ忙しくてさ。


七星: そんなお客さん来たん?


守里: うん。今さっきまで、ずっと途切れずに来てた。


祐希: 確かここって、あんまりお客さん来ないんだよね?


守里: 少なくとも僕が働き始めて以降は、そのはずだったんだけど笑


七星: 笑、良いことやん。


祐希: おつかれ!守里。


守里: 笑、ほんとに…


七星: 改めて、良い店やな。雰囲気も良いし、メニューも多いし。何より、たこ焼きとうどんがある。


祐希: 馬刺しも、グレープフルーツジュースもあるし、最高~


守里: ありがと笑


祐希: でもさ、忙しくなったって言ってたけど、お店回せてるの?


守里: ん?


祐希: だって、ここで働いてるのって、店長さんと守里、奈々未さん、珠美ちゃんの4人だけだよね?


七星: え?そうなん?


守里: うん…ものすごく大変だった。だから、店長に即戦力な子を連れて来てって頼まれてるんだ。


七星: へぇ~で、守里は誰に頼もうって思ってんねん。


守里: 今のところ、春時に…


祐希: 祐希達は?


守里: は?


祐希: 祐希、夏休み中暇だし、ここなら…


守里: …



祐希か…



七星: 笑、祐希だけが心配なら、ななもバイトやんで。


祐希: ちょっとお姉ちゃん!でも、どう?守里。


守里: 祐希になぁちゃん…



祐希はともかく、なぁちゃんは適任じゃないか?

人当たりも良いし、物覚えもいいし、とにかく優秀。



守里: めちゃくちゃアリ!


七星: 笑、夏休み暇やったから、ちょうどええわ笑


祐希: 祐希も!


守里: ありがと笑、マジで!


七星: 笑、めっちゃキツかったみたいやな。その様子やと。


守里: じゃあ、早速店長に話してくるよ。


祐希: よろしく~



そう言って、守里が店長の元へ。



祐希: 本当にちょうど良いよね、お姉ちゃん。


七星: うん。ここならな。


守里: 店長!


店長: うおっと、どうしたの?いきなり大声出して。


奈々未: うるさいわよ、守里君。


珠美: 危うく、たこ焼きひっくり返しちゃうところでした!


守里: す、すみません。


店長: それでどうしたの?なんか問題?


守里: いや、あの、今さっきの2人がバイトに入ってくれるって。


店長: え?本当?


守里: はい!


奈々未: 七星と祐希ちゃんがか。


珠美: 嬉しいです!


店長: なら、これ持って行くついでに、色々とお話を…


守里: ですね。




数分後…



守里: お待たせしました、たこ焼きとコーヒー、馬刺しとグレープフルーツジュースです。


七星: ありがとな。


祐希: センキュー!じゃあ早速。


守里: あの食べながらで良いんだけど、バイトの話を店長としてくれない?


七星: 笑、良いで。


祐希: お願いします!


守里: 笑、店長!


店長: はーい。どうも。


七星: …あ、どうも、神田七星です。


祐希: 神田祐希です!モグモグ


店長: 2人とも、食べながらで良いからね笑。それで、2人はここで働いてくれるって聞いたんだけど。


七星: はい、働きたいです。


祐希: 祐希もです!


店長: そうか笑、ありがとう。じゃあ、その契約云々の話をしたいんだけど…



こうして、バイト雇用の話が始まった。



守里: あれ?そういえば、珠美は能高に入ってから、七星さんと会った?


奈々未: 笑、ここでまで、かしこまらなくて良いんじゃない?


守里: え?


奈々未: 普段、七星と二人きりとか、他人の目がないところでは、なぁちゃん呼びなんでしょ?


守里: あ、はい…



バレてやがる。



奈々未: 笑、私に隠し事は出来ないわよ。


守里: それで、あるの?珠美。


珠美: いや、それが無いんですよ!


守里: やっぱりそうだよね。


奈々未: 珠美ちゃんと、七星は同じ中学でしょ?


珠美: はい!守里先輩も祐希先輩も同じくです!


守里: 奈々未さんは…


奈々未: 私はちょっと前に…ほら、美月の一件の時に会ってる。


守里: あぁ、そうだったんですか。


珠美: まさか、祐希先輩と七星先輩と、一緒に働けるとは…


守里: 多分、夏休みだけのバイトになると思うけど…心強い。


奈々未: それは多分、七星だけでしょ?笑


守里: 笑、まぁ。


奈々未: 私が祐希ちゃんを鍛え上げるわ。


守里: それなら、何とかなりそうですね笑


奈々未: 珠美ちゃんも、バイトの先輩になるんだから、しっかり!


珠美: はっ!!珠美が…先輩…



珠美は先輩という響きを久しぶりに聞き、衝撃を受ける。



守里: 珠美?


珠美: 珠美!頑張ります!!!


奈々未: 笑、みんなで頑張りましょう。


守里: ですね。


店長: 話終わったよ~


七星: これから、よろしくお願いします。


祐希: お願いします!!


奈々未: 笑、2人とも、よろしく。


珠美: 先輩方!よろしくお願いします!!


守里: よろしく。


店長: これで、明日からも何とかなりそうだ。


守里: なぁちゃんと祐希はいつに入ったんですか?


店長: 全体でこんな感じ。



そう言って、店長は紙を掲げる。


月: (1日)守里、珠美、奈々未
火: (1日)珠美、七星 (午前)祐希 (午後)奈々未
水: (1日)奈々未、七星 (午後)祐希
木: (1日)守里、祐希 (午後)珠美、奈々未
金: (1日)奈々未 (午前)七星 (午後)祐希
土: (1日)守里、珠美 (午前)七星 (午後)奈々未



守里: なぁちゃんと祐希は、午前か午後が多いんだね。


七星: うん、まぁ生徒会の仕事もあるんよ。


祐希: 祐希は…


守里: 寝たい?


祐希: そう!


店長: 入ってくれるだけで、嬉しいから笑


奈々未: 店長、本当に嬉しそうですね。


店長: だって、今日はお客さんもたくさん来てくれたし、新しい子も入ってくれたし。最高。


奈々未: 笑


珠美: 珠美も最高です!


祐希: 笑、珠美ちゃん、色々と教えてね。


七星: 明日から早速、頼むな、珠美。


珠美: は、はい!頑張ります!!!


守里: 笑、リラックスだよ、珠美。


奈々未: じゃあ、今日のうちに、ある程度教えといた方が良いかも。


店長: そうだね。頼んでいい?


奈々未: もちろんです。


七星: よろしくお願いします、奈々未先輩。


祐希: お願いします!


奈々未: 笑、うん。じゃあ…



この後、お客さんが来ることはなく、七星と祐希に仕事を教えて、この日のバイトは終わった。




to be continued
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