135 / 340
第5章 夏休み編
第135話「頑張れ!飛香ちゃん!!」
しおりを挟む
春時: よっ、飛香。
飛香: …
紗耶と一緒に来たゴールデンマーケットのカフェで、春時は偶然、バイト中の飛香と会った。
店員: やっぱり、飛香ちゃんのことだったんだ。
飛香: クソ…何しにきやがった春時。
春時: 笑、何しにって、普通に食事しに来たんだよ。
飛香: …さっさと食べて帰れ。
春時: いや~でも、ゆっくり食べたい気分で~笑
飛香: この…
紗耶: 飛香先輩!こんにちは!
飛香: やんちゃん…こんにちは…
春時: ここで飛香はバイトしてたんだな。って、前のバイト先は?
飛香: …私はずっとここだよ。
紗耶: え?でも、ここって最近できたばっかなんじゃ…
店員: ここは2号店なんだよ。元々飛香ちゃんは、私と一緒に1号店で働いてたんだけど、ここができた時に一緒に移ってきたの。
春時: なるほど。
店員: 2人は、飛香ちゃんのお友達?
飛香: …違います。
春時: 飛香の幼なじみやってます。コイツは俺の妹です。
紗耶: 飛香先輩の後輩です!
店員: あら、そうなの。ってことは、2人も能高?
春時: そうですよ。
店員: なら私の後輩でもあるわね笑
紗耶: え?
店員: 私は能高のOGなんだ。
春時: へぇ~
飛香: もう、仕事しましょうよ。
店員: 別に大丈夫だって、他のお客さんも…
客: ニコッ
店員: あっちの常連さんのおじいちゃんだし。
飛香: はぁ…
春時: 飛香、そんなため息ばっかで大丈夫なのか?ちゃんと働けてる?笑
飛香: 春時に心配されてなくても、問題ないわ。
店員: 飛香ちゃんは、超優秀!
春時: ぜひ、仕事ぶりを聞かせてください笑
店員: 良いわよ~じっくり、飛香ちゃんのこと話しましょうか。他のお客さんが来るまで。
飛香: ちょっ…
紗耶: お願いします!
店員: あ、私は"新井眞衣"。飛香ちゃんの先輩。よろしくね。
春時: 新井さんですか。よろしくお願いします。
新井: というか、ちゃんと飛香ちゃんにもお友達がいたんだ。
紗耶: どういうことですか?
新井: だって、お店に全然、お友達連れてこないんだもん。
春時: コイツ、バイト先がどこなのかとか、バイトについて、全く話してくれませんから笑
新井: へぇ~笑、なんでなの?飛香ちゃん。
飛香: 別に理由はないです。
新井: あぁ~お友達にバイトしてる姿を見られるのが、恥ずかしかったのね笑
飛香: そ、そんなわけ…
紗耶: 飛香先輩!可愛いです!
新井: か~わい!
飛香: やめてください。
春時: 笑
飛香: はぁ…はい、できたよ。オムライスとパンケーキ、あとオリジナルコーヒーにいちごミルク。
紗耶: ありがとうございます!
春時: ありがとう。
飛香: 早く食べて。
新井: 良いじゃん。ゆっくり話しながらで笑
飛香: そんなことしてると、向こうの店長からなんか言われるかもですよ。
新井: 大丈夫だって笑。私、ここの店長だし。
飛香: はぁ…
春時: ため息ばっかついてると、幸せが逃げるぞ~
飛香: うるさい。
紗耶: このパンケーキめちゃくちゃ美味しいです!
新井: ありがとう笑
春時: 飛香は、どんな感じですか?
新井: よく働いてくれる良い子だよ。コーヒーに詳しいし、何より可愛いから集客効果もある。
春時: そうですか笑
新井: ちなみに、あのおじいちゃんも飛香ちゃん目当てよ。
春時: え?
客: ニコッ
新井: なんか、お孫さんの小さい頃に似てるらしくてね笑
春時: あぁ笑、飛香は童顔ですから。
飛香: 童顔って言うな!
新井: まぁまぁ笑、飛香ちゃん。
紗耶: その割にスタイル抜群なんですもんね。羨ましいです。
飛香: 何言ってるの、やんちゃんもスタイル良いじゃない。
紗耶: 飛香先輩に比べたら全然…
新井: 笑、どういう言い合い。
飛香: ま、1番は新井さんですけど笑
新井: え~嬉しい!
紗耶: 確かに…新井さん、足長い。
新井: そんな褒められたら照れちゃう笑
しばらくして…
紗耶: ごめん、ちょっと行ってくる。
新井: あ、店長から電話…
紗耶はトイレに、新井は1号店の店長と電話をしに行く。
春時: パク…
飛香: いつまで食ってんのよ。
春時: あと少しだって…
飛香: はぁ…まさか、最初に春時にバレるとは。
春時: よくもまぁ、ここまで隠し通したよな笑
飛香: これまでの私の隠す努力を…
春時: 笑、楽しい?
飛香: …うん。私、コーヒー好きだし、先輩も優しいし。
春時: それなら良かった。
飛香: …
春時: …なぁ飛香。
飛香: なに?
春時: なんか、久しぶりに2人きりで話せるから言うけど…
飛香: うん。
春時: 早く動かないと、守里、とられるぞ。
飛香: な…
春時: これまでは飛香の他に、守里を狙う人がいなかったから、ゆっくりとアピールすれば良かったかもだけど…
飛香: …
春時: 紗耶も珠美も高校生になって、守里へ確実に家族とは別の愛情を向けている美月が来て。のんびりしてると本当に…
飛香: …分かってるよ。
春時: …祐希も日向子もどう思ってるかは分からないけど、もしものことを考えたら、この2人ほどの強敵はいないだろうし…それに他の人も…
飛香: だから、分かってるって!
春時: …そうか…だったら良い。
飛香: …
春時: 小学生の頃から飛香を見てるから、ここで他の人に持ってかれるのは、俺も嫌なんだよ。だから…
飛香: うん。
春時: この夏休みは重要だぞ。
飛香: …
春時: ここで1歩リードしないと。
飛香: …分かった。頑張ってみる。
春時: 笑、頑張れよ、飛香。
飛香: 私を応援して良いの?やんちゃんもでしょ?笑
春時: そりゃあ妹だからな。紗耶が1番だよ。でも、飛香も応援してる。ずっと。
飛香: ふ~ん笑、ありがと。
紗耶: おまたせ~
新井: はぁ…
ここで、席を立ってた2人が戻ってくる。
飛香: 新井さん、どうしたんですか?
新井: いや、なんか今日帰りに、寄ってくれって。
飛香: あぁ、頑張ってください。
新井: はぁ…
紗耶: 兄貴、食べ終わった?
春時: パク…おう、今食べ終わった。
飛香: よし、じゃあさっさと帰ってください。
春時: 笑、はいはい。
紗耶: おいしかったです。
新井: ほら、飛香ちゃん、お会計。
飛香: はい。
紗耶: 行こ。
春時: おう。
飛香: 2300円になります。
春時: え~っと、はい。
飛香: ちょうどお預かりします。ありがとうございました。またのご来店お待ちしておりません。ニコッ
新井: また来てね~
紗耶: また、今度です!
春時: 頑張れよボソッ…じゃあな。
飛香: (分かってる…)
こうして、春時と紗耶はジコチューカフェを出て、隣のパン屋でパンを買い、3階でゲームソフトを買い、ゴルマを後にした。
◈◈◈◈
その日の夜
飛香の家
飛香: はぁ…
自分のベッドの上で1人、携帯とにらめっこをしている飛香。
自分でも分かってたけど、今日、春時に改めて言われちゃった…
ライバルが増え過ぎてる…
しかも強敵ばっかり。
美月は家族ってのを生かして、スキンシップが異常だし。
まぁこの前、対抗して私も頑張ってみたけど…
やんちゃんも、頑張ってアピールしてる。
珠美は、守里もかなり気掛けてるし、何より守里と同じカフェでバイトをしてるから…
あとは、七星先輩。
春時は気づいてないかもだけど、守里は確実に、七星先輩を意識してる。
守里自身が、それを好意だと気づいているかは分からないけど。
私も早く動かなければ…
でも…
恥ずかしい…
なんか、これまで幼なじみとして一緒に過ごしてきたのに、急にこう、2人きりのお出かけに誘ったりするのは…
飛香: あぁ~もう!
ボスン
飛香は悩みに悩み、携帯を手放して枕に顔を押し付けてしまう。
どうしよう…
今日はもう…
ピロン
飛香が一歩踏み出すのを諦めようとした寸前に、携帯にメッセージが届く。
飛香: 誰だろ…
メッセージを確認する飛香。
春時 M: そっかそっか、飛香は諦めちゃうのか。
飛香: クソ!
心を読まれたみたいで、すっごい悔しいんですけど!
春時のくせに!!
いいよ、やってやるよ!!
飛香: フンッ!
そのままの勢いで、飛香は携帯を操作し、守里にメッセージを送る。
飛香 M: 明日、空いてる?
と、送り終わった後で…
飛香: あ…やっちゃった。
ど、どどどど、どうしよう~
勢いで送っちゃった!
まだ心の準備が…
ピロン
慌てて飛香がベッドから立ち上がった瞬間、守里からの返信が来る。
守里 M: 空いてるけど、どうした?
飛香: …
ふぅ…もう逃げられない…
落ち着くんだ、山室飛香。
勝負に出ろ。
飛香は覚悟を決める。
飛香 M: 明日、水族館行かない?中間の時のお願いごと使う。
守里 M: なるほど。良いよ、行こう。
飛香 M: じゃあ、9時に駅前集合。
守里 M: 了解。
飛香: …
携帯をベッドに放り投げる。
飛香: …っ!!やった!!!!!!
そして大声で叫び、ガッツポーズをする。
「どうしたの?飛香!いきなり大声出して!」
下の階から母親の声が聞こえる。
飛香: あ、いや、なんでもない!
「夜なんだから、あんまり大声はダメだよ~」
飛香: はーい!…///
ボスン
再びベッドに倒れ込む飛香。
やった!守里を誘えた!!
良くやったぞ、私!!
これで、明日…
明日?
明日、守里と…
2人きりで水族館?!!!!
ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待って!
私、何いきなり、そんな…
ハードルの高いことを…
いや、もう誘っちゃったんだから、覚悟を決めろ、山室飛香。
で、でも…
明日、なんの服を着ていけば…
明日、守里となんて話したら…
それに、守里に…
好きだって伝える?…
…
ああああああああぁぁぁ…
悩みすぎて、若干キャラ崩壊してしまった飛香であった。
to be continued
飛香: …
紗耶と一緒に来たゴールデンマーケットのカフェで、春時は偶然、バイト中の飛香と会った。
店員: やっぱり、飛香ちゃんのことだったんだ。
飛香: クソ…何しにきやがった春時。
春時: 笑、何しにって、普通に食事しに来たんだよ。
飛香: …さっさと食べて帰れ。
春時: いや~でも、ゆっくり食べたい気分で~笑
飛香: この…
紗耶: 飛香先輩!こんにちは!
飛香: やんちゃん…こんにちは…
春時: ここで飛香はバイトしてたんだな。って、前のバイト先は?
飛香: …私はずっとここだよ。
紗耶: え?でも、ここって最近できたばっかなんじゃ…
店員: ここは2号店なんだよ。元々飛香ちゃんは、私と一緒に1号店で働いてたんだけど、ここができた時に一緒に移ってきたの。
春時: なるほど。
店員: 2人は、飛香ちゃんのお友達?
飛香: …違います。
春時: 飛香の幼なじみやってます。コイツは俺の妹です。
紗耶: 飛香先輩の後輩です!
店員: あら、そうなの。ってことは、2人も能高?
春時: そうですよ。
店員: なら私の後輩でもあるわね笑
紗耶: え?
店員: 私は能高のOGなんだ。
春時: へぇ~
飛香: もう、仕事しましょうよ。
店員: 別に大丈夫だって、他のお客さんも…
客: ニコッ
店員: あっちの常連さんのおじいちゃんだし。
飛香: はぁ…
春時: 飛香、そんなため息ばっかで大丈夫なのか?ちゃんと働けてる?笑
飛香: 春時に心配されてなくても、問題ないわ。
店員: 飛香ちゃんは、超優秀!
春時: ぜひ、仕事ぶりを聞かせてください笑
店員: 良いわよ~じっくり、飛香ちゃんのこと話しましょうか。他のお客さんが来るまで。
飛香: ちょっ…
紗耶: お願いします!
店員: あ、私は"新井眞衣"。飛香ちゃんの先輩。よろしくね。
春時: 新井さんですか。よろしくお願いします。
新井: というか、ちゃんと飛香ちゃんにもお友達がいたんだ。
紗耶: どういうことですか?
新井: だって、お店に全然、お友達連れてこないんだもん。
春時: コイツ、バイト先がどこなのかとか、バイトについて、全く話してくれませんから笑
新井: へぇ~笑、なんでなの?飛香ちゃん。
飛香: 別に理由はないです。
新井: あぁ~お友達にバイトしてる姿を見られるのが、恥ずかしかったのね笑
飛香: そ、そんなわけ…
紗耶: 飛香先輩!可愛いです!
新井: か~わい!
飛香: やめてください。
春時: 笑
飛香: はぁ…はい、できたよ。オムライスとパンケーキ、あとオリジナルコーヒーにいちごミルク。
紗耶: ありがとうございます!
春時: ありがとう。
飛香: 早く食べて。
新井: 良いじゃん。ゆっくり話しながらで笑
飛香: そんなことしてると、向こうの店長からなんか言われるかもですよ。
新井: 大丈夫だって笑。私、ここの店長だし。
飛香: はぁ…
春時: ため息ばっかついてると、幸せが逃げるぞ~
飛香: うるさい。
紗耶: このパンケーキめちゃくちゃ美味しいです!
新井: ありがとう笑
春時: 飛香は、どんな感じですか?
新井: よく働いてくれる良い子だよ。コーヒーに詳しいし、何より可愛いから集客効果もある。
春時: そうですか笑
新井: ちなみに、あのおじいちゃんも飛香ちゃん目当てよ。
春時: え?
客: ニコッ
新井: なんか、お孫さんの小さい頃に似てるらしくてね笑
春時: あぁ笑、飛香は童顔ですから。
飛香: 童顔って言うな!
新井: まぁまぁ笑、飛香ちゃん。
紗耶: その割にスタイル抜群なんですもんね。羨ましいです。
飛香: 何言ってるの、やんちゃんもスタイル良いじゃない。
紗耶: 飛香先輩に比べたら全然…
新井: 笑、どういう言い合い。
飛香: ま、1番は新井さんですけど笑
新井: え~嬉しい!
紗耶: 確かに…新井さん、足長い。
新井: そんな褒められたら照れちゃう笑
しばらくして…
紗耶: ごめん、ちょっと行ってくる。
新井: あ、店長から電話…
紗耶はトイレに、新井は1号店の店長と電話をしに行く。
春時: パク…
飛香: いつまで食ってんのよ。
春時: あと少しだって…
飛香: はぁ…まさか、最初に春時にバレるとは。
春時: よくもまぁ、ここまで隠し通したよな笑
飛香: これまでの私の隠す努力を…
春時: 笑、楽しい?
飛香: …うん。私、コーヒー好きだし、先輩も優しいし。
春時: それなら良かった。
飛香: …
春時: …なぁ飛香。
飛香: なに?
春時: なんか、久しぶりに2人きりで話せるから言うけど…
飛香: うん。
春時: 早く動かないと、守里、とられるぞ。
飛香: な…
春時: これまでは飛香の他に、守里を狙う人がいなかったから、ゆっくりとアピールすれば良かったかもだけど…
飛香: …
春時: 紗耶も珠美も高校生になって、守里へ確実に家族とは別の愛情を向けている美月が来て。のんびりしてると本当に…
飛香: …分かってるよ。
春時: …祐希も日向子もどう思ってるかは分からないけど、もしものことを考えたら、この2人ほどの強敵はいないだろうし…それに他の人も…
飛香: だから、分かってるって!
春時: …そうか…だったら良い。
飛香: …
春時: 小学生の頃から飛香を見てるから、ここで他の人に持ってかれるのは、俺も嫌なんだよ。だから…
飛香: うん。
春時: この夏休みは重要だぞ。
飛香: …
春時: ここで1歩リードしないと。
飛香: …分かった。頑張ってみる。
春時: 笑、頑張れよ、飛香。
飛香: 私を応援して良いの?やんちゃんもでしょ?笑
春時: そりゃあ妹だからな。紗耶が1番だよ。でも、飛香も応援してる。ずっと。
飛香: ふ~ん笑、ありがと。
紗耶: おまたせ~
新井: はぁ…
ここで、席を立ってた2人が戻ってくる。
飛香: 新井さん、どうしたんですか?
新井: いや、なんか今日帰りに、寄ってくれって。
飛香: あぁ、頑張ってください。
新井: はぁ…
紗耶: 兄貴、食べ終わった?
春時: パク…おう、今食べ終わった。
飛香: よし、じゃあさっさと帰ってください。
春時: 笑、はいはい。
紗耶: おいしかったです。
新井: ほら、飛香ちゃん、お会計。
飛香: はい。
紗耶: 行こ。
春時: おう。
飛香: 2300円になります。
春時: え~っと、はい。
飛香: ちょうどお預かりします。ありがとうございました。またのご来店お待ちしておりません。ニコッ
新井: また来てね~
紗耶: また、今度です!
春時: 頑張れよボソッ…じゃあな。
飛香: (分かってる…)
こうして、春時と紗耶はジコチューカフェを出て、隣のパン屋でパンを買い、3階でゲームソフトを買い、ゴルマを後にした。
◈◈◈◈
その日の夜
飛香の家
飛香: はぁ…
自分のベッドの上で1人、携帯とにらめっこをしている飛香。
自分でも分かってたけど、今日、春時に改めて言われちゃった…
ライバルが増え過ぎてる…
しかも強敵ばっかり。
美月は家族ってのを生かして、スキンシップが異常だし。
まぁこの前、対抗して私も頑張ってみたけど…
やんちゃんも、頑張ってアピールしてる。
珠美は、守里もかなり気掛けてるし、何より守里と同じカフェでバイトをしてるから…
あとは、七星先輩。
春時は気づいてないかもだけど、守里は確実に、七星先輩を意識してる。
守里自身が、それを好意だと気づいているかは分からないけど。
私も早く動かなければ…
でも…
恥ずかしい…
なんか、これまで幼なじみとして一緒に過ごしてきたのに、急にこう、2人きりのお出かけに誘ったりするのは…
飛香: あぁ~もう!
ボスン
飛香は悩みに悩み、携帯を手放して枕に顔を押し付けてしまう。
どうしよう…
今日はもう…
ピロン
飛香が一歩踏み出すのを諦めようとした寸前に、携帯にメッセージが届く。
飛香: 誰だろ…
メッセージを確認する飛香。
春時 M: そっかそっか、飛香は諦めちゃうのか。
飛香: クソ!
心を読まれたみたいで、すっごい悔しいんですけど!
春時のくせに!!
いいよ、やってやるよ!!
飛香: フンッ!
そのままの勢いで、飛香は携帯を操作し、守里にメッセージを送る。
飛香 M: 明日、空いてる?
と、送り終わった後で…
飛香: あ…やっちゃった。
ど、どどどど、どうしよう~
勢いで送っちゃった!
まだ心の準備が…
ピロン
慌てて飛香がベッドから立ち上がった瞬間、守里からの返信が来る。
守里 M: 空いてるけど、どうした?
飛香: …
ふぅ…もう逃げられない…
落ち着くんだ、山室飛香。
勝負に出ろ。
飛香は覚悟を決める。
飛香 M: 明日、水族館行かない?中間の時のお願いごと使う。
守里 M: なるほど。良いよ、行こう。
飛香 M: じゃあ、9時に駅前集合。
守里 M: 了解。
飛香: …
携帯をベッドに放り投げる。
飛香: …っ!!やった!!!!!!
そして大声で叫び、ガッツポーズをする。
「どうしたの?飛香!いきなり大声出して!」
下の階から母親の声が聞こえる。
飛香: あ、いや、なんでもない!
「夜なんだから、あんまり大声はダメだよ~」
飛香: はーい!…///
ボスン
再びベッドに倒れ込む飛香。
やった!守里を誘えた!!
良くやったぞ、私!!
これで、明日…
明日?
明日、守里と…
2人きりで水族館?!!!!
ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待って!
私、何いきなり、そんな…
ハードルの高いことを…
いや、もう誘っちゃったんだから、覚悟を決めろ、山室飛香。
で、でも…
明日、なんの服を着ていけば…
明日、守里となんて話したら…
それに、守里に…
好きだって伝える?…
…
ああああああああぁぁぁ…
悩みすぎて、若干キャラ崩壊してしまった飛香であった。
to be continued
0
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります
チャビューヘ
ファンタジー
いいね、ブックマークで応援いつもありがとうございます!
ある日突然、クラス全員が異世界に召喚された。
この世界では「職業ガチャ」で与えられた職業がすべてを決める。勇者、魔法使い、騎士――次々と強職を引き当てるクラスメイトたち。だが俺、蒼井拓海が引いたのは「情報分析官」。幼馴染の白石美咲は「清掃員」。
戦闘力ゼロ。
「お前らは足手まといだ」「誰もお荷物を抱えたくない」
親友にすら見捨てられ、パーティ編成から弾かれた俺たちは、たった二人で最低難易度ダンジョンに挑むしかなかった。案の定、モンスターに追われ、逃げ惑い――挙句、偶然遭遇したクラスメイトには囮として利用された。
「感謝するぜ、囮として」
嘲笑と共に去っていく彼ら。絶望の中、俺たちは偶然ダンジョンの最深部へ転落する。
そこで出会ったのは、銀髪の美少女ダンジョン主・リリア。
「あなたたち……私のダンジョンで働かない?」
情報分析でダンジョン構造を最適化し、清掃で魔力循環を改善する。気づけば生産効率は30%向上し、俺たちは魔王軍の特別顧問にまで成り上がっていた。
かつて俺たちを見下したクラスメイトたちは、ダンジョン攻略で消耗し、苦しんでいる。
見ろ、これが「外れ職」の本当の力だ――逆転と成り上がり、そして痛快なざまぁ劇が、今始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
まほカン
jukaito
ファンタジー
ごく普通の女子中学生だった結城かなみはある日両親から借金を押し付けられた黒服の男にさらわれてしまう。一億もの借金を返済するためにかなみが選ばされた道は、魔法少女となって会社で働いていくことだった。
今日もかなみは愛と正義と借金の天使、魔法少女カナミとなって悪の秘密結社と戦うのであった!新感覚マジカルアクションノベル!
※基本1話完結なのでアニメを見る感覚で読めると思います。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる