ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

文字の大きさ
173 / 340
第6章 修学旅行編

第173話「夏休み明けの学校は少し新鮮」

しおりを挟む
二学期初日


とうとう、楽しかった夏休みが終わり、学生達が期待や意欲、もしくは不安、後悔、諦念、そして緊張、空虚といった様々な感情をそれぞれ抱きつつ、体を起こし、学校へと向かう準備を整えているだろうこの時。

木々に囲まれた大きな家に、家族と一緒に住む、異能力持ちの防衛団次期団長、森崎守里は…



守里: zzzzzz



ぐっすりと眠っていた。


それもそのはず。

夏休み最後の土日で、日向子の家に出向き、日向子が残していた夏休みの課題を手伝ったのだが、それでもなお、終わらなかった。

よって、夏休み最終日である日曜日、守里は自宅に帰ってきた後、時計の短針が2を通り越すまで、日向子とテレビ電話をして、なんとか、課題を終わらせようと奮闘していたのだ。


まぁ、その結果は、寝ている守里の表情で一目瞭然である。



守里: zzzzzz笑



と、笑顔で、削られた睡眠時間を取り戻していると…



コンコン


「お兄ちゃん?起きてる?」


守里: zzzzz







「やっぱ、寝てるのかな…」



ガチャ



??: 失礼します…



そっと、部屋の扉を開けた??は、守里が眠るベッドに近づく。



??: お兄ちゃん、朝だよ。もう起きないと。


守里: zzzz


??: もう…ほら、お兄ちゃん。



肩に手を添え、体を揺らす。



守里: ん…う~ん…


??: 起きて。美月お姉ちゃんも蓮花も、もう下で準備してるよ。


守里: う、うん…


??: はぁ…お兄ちゃん、だらしない…


守里: ……あ、桜か。起きる。



少し肌寒さを感じた守里は、すぐに目を覚まし、体を起こす。



桜: 昨日、遅くまで起きてた?


守里: うん。ちょっとね。


桜: ま、言わなくても、さくは分かってるけど笑


守里: 笑、お見通しか。よし、先下りてて。


桜: はーい笑



既に、必要な教材や道具が入れられた、学校へ行く準備万端のカバンが、机の上に置かれているのを見た桜は、笑顔で部屋を出て行った。



守里: ふぅ…



やっぱり、あんなに遅くに寝たら、携帯のアラームは効果なしか笑

どうやら、アラームが鳴った瞬間に、寝たまんま止めてたみたい。


それに対して、桜の言葉は効果抜群だな。

一瞬で目が覚めたよ笑


今度、携帯で桜の声を録音して、アラーム音にしようかな…


なんてね笑


よし、寝坊最終防衛機構であるアイツが来る前に、学校へ行く準備を完璧に整えとかないと。

ってか、僕が寝坊しかけた原因もソイツなんだが笑


と思いながら、守里は制服とカバンを持って、リビングに下りる。


ガチャ



守里: おはよう。


結真: 今日は随分と遅かったわね笑。おはよう。


蓮花: お兄ちゃん、おはよう!!パク


美月: おはよう、守里。モグモグ



リビングでは、結真がキッチンで洗い物をし、蓮花と美月はダイニングで朝食を食べていた。



結真: 朝ご飯、運んどくから、先に顔を洗っといで。


守里: うん。ありがとう。



そして、守里は洗面台で顔を洗った後、蓮花や美月と同じく席に座って、朝食を食べ始めた。



美月: ねぇ、守里。結局、日向子の課題は終わったの?


守里: まぁ、なんとか笑モグモグ


美月: よく、土日だけで終わったよね笑。ほとんど残ってたんでしょ?


守里: 日向子の場合、早めに課題終わらせるぞって意気込んで、夏休みの初日の1時間だけは、集中してやるんだけど…


結真: その後が続かないんだ笑


守里: うん。だから、毎年、少しだけやった課題が、最終日近くまで残ってるんだよね。


美月: まぁ、なんというか…日向子らしい笑


守里: もはや、日向子の習性だよ。モグモグ


桜: それで、お兄ちゃんは慣れてたんだ。


結真: 日向子ちゃんの家に行く準備とか流れが、スムーズだったもんね笑


守里: 桜の言う通り、慣れっ子。僕も飛香も。


美月: でも、今年は前以上に大変だったんじゃない?飛香がずっとバイトだったわけだし。


守里: う~ん、そうだけど、日向子も成長してるからね。それこそ、飛香のおかげで。だから、まぁ、前と変わんなかったよ笑


結真: プラマイゼロか笑


美月: いや~改めて、夏休みの課題とかは、早めにやっとくことに越したことはないね。


桜: うん。


結真: そうね~チラッ


蓮花: モグモグ…


守里: 蓮花は、宿題終わった?


蓮花: な、なんとか…


結真: 昨日、ギリギリで終わらせたもんね笑


蓮花: その節は、ありがとうございます…


守里: 笑、これでみんな、危機は免れたってことか。モグモグ…よし、ご馳走様でした。


美月: 私も!ご馳走様でした。


結真: ほら、蓮花もあと一口。


蓮花: うん!…パク…ご馳走様でした!!


結真: 笑、みんな同時だったか。


守里: じゃ、洗い物は、僕がシンクに運んどくから、2人は先に準備してて。


美月: ありがとう!!蓮花、行くよ。


蓮花: お兄ちゃん!ありがとう!




こうして、守里達は準備を進め…


ピンポーン



守里: よし、行くか。いってきます。


美月: うん。お姉ちゃん!いってきます!


蓮花: いってきまーす!!!


桜: いってきます。


結真: はーい、いってらっしゃい笑



ガチャ



日向子: うぉ!みんな、おはよう!!


美月: おはよう!日向子。


蓮花: おはようございます!!


桜: おはようございます。日向子ちゃん。


守里: 笑、ちゃんと起きれたんだな。

 
日向子: もちろんだよ!


美月: 守里の方は、寝坊寸前だったんだけどね笑


日向子: なんだって?!


守里: いや、日向子が課題残してたせいだから。


日向子: それはごめんって~


蓮花: 蓮花も無事に終わりましたよ!


日向子: お!良かったね!私もなんとか終わったよ~


桜: 笑


守里: ほら、行こう。


美月: うん!


蓮花: はーい!


桜: うん。


日向子: レッツゴーー!!!


◇◇◇


伊衛能高校

教室


ガラガラ



日向子: おっはよう!!!



扉を開け、元気よく挨拶をする日向子。



飛香: 全く…朝から元気ね。おはよう。


東野: 日向子おはよう笑。まぁ、それが良い所なんだからさ。


秋吉: おはよう!


日向子: もう、みんな来てたんだ!


美月: おはよう!


守里: おはよう。



日向子の後に続いて、守里と美月も挨拶をしながら教室に入り、自身の席に荷物を置く。



飛香: それで、そこまで元気だってことは、無事、課題は終わったのね。


日向子: うん!!


東野: 笑、大変だったでしょ。守里君。


守里: まぁね。


美月: 昨日、夜遅くまでやってたからね~笑


飛香: やっぱりか。


秋吉: 日向子、ちゃんと課題は早めにやっとかないと。


日向子: 次からは気をつけるって!


飛香: 何回同じセリフを聞いたことか…


日向子: ホントのホントに、次は気をつける!


守里: じゃあ、来年からは、飛香が見張っとけば?日向子がやるかどうか。


飛香: え?


美月: それいいじゃん笑


東野: 飛香がいれば、日向子もやるでしょ。


秋吉: うんうん!


飛香: い、いや…


守里: ほら、見てみ。この目を笑


日向子: あっしゅん?キラキラキラ


飛香: うっ…


美月: 飛香には効果抜群みたいね笑


東野: 笑、普通に、課題の進捗を直接でも電話でも良いから、ちょくちょく聞けばいいじゃん。それで、進んでなかったら、飛香か守里君が面倒見るようにしたら?


守里: まぁ、それが1番か笑


日向子: よろしくお願いします!!


飛香: はぁ…


秋吉: どっちにしろ、日向子の面倒は守里君か飛香が見るんだ。


守里: いつもと変わらないよ笑


美月: だね笑


飛香: いつまで面倒を見ればいいのやら。


日向子: う~ん…ずっと?笑


飛香: 少しは成長しろ!


ペシッ


日向子: イタッ!もう~あっしゅん~


飛香: この頭が悪いのか?頭が!



日向子の頭を、両手で思いっきり撫で回す飛香。



日向子: ひゃ~


東野: ま、この関係を見てたいから、私も日向子の言葉に賛成かな笑


秋吉: みなみも~


守里: 笑



ガラガラ



春時: おはよう~


守里: あ、春時。おはよう。


春時: で、二学期そうそう何やってんの?笑


美月: いつものだよ~


春時: 笑、なるほどね。


飛香: 喰らえ~


ワシャワシャワシャワシャ


日向子: やめてよ~


東野: ほらほら、大型犬を愛でるようなことは、もうやめなさい笑


飛香: ふぅ…


秋吉: 日向子、こっちおいで!髪を整えてあげる。


日向子: ありがとう!!みなみちゃん!!



そう言って、日向子は秋吉の膝の上に座る。



守里: ってか、春時は体調、もう大丈夫なのか?


春時: あ?あぁ、体調ね…お、おう!大丈夫だ!


守里: なら良かった笑


美月: なんか、やけに焦ってない?笑


飛香: ジー


春時: な、なんだよ。


飛香: (どうせ、守里と日向子の2人だけだからって考えたんだろうけど…)


美月: (個人的には、春時が一緒に行ってくれた方が良かったかな……まぁ、日向子だから…でも…)


飛香 美月: (侮れん…)


東野: 笑、2人とも、顔怖いよ。(2人とも頑張ってるな~)




to be continued
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります

チャビューヘ
ファンタジー
いいね、ブックマークで応援いつもありがとうございます! ある日突然、クラス全員が異世界に召喚された。 この世界では「職業ガチャ」で与えられた職業がすべてを決める。勇者、魔法使い、騎士――次々と強職を引き当てるクラスメイトたち。だが俺、蒼井拓海が引いたのは「情報分析官」。幼馴染の白石美咲は「清掃員」。 戦闘力ゼロ。 「お前らは足手まといだ」「誰もお荷物を抱えたくない」 親友にすら見捨てられ、パーティ編成から弾かれた俺たちは、たった二人で最低難易度ダンジョンに挑むしかなかった。案の定、モンスターに追われ、逃げ惑い――挙句、偶然遭遇したクラスメイトには囮として利用された。 「感謝するぜ、囮として」 嘲笑と共に去っていく彼ら。絶望の中、俺たちは偶然ダンジョンの最深部へ転落する。 そこで出会ったのは、銀髪の美少女ダンジョン主・リリア。 「あなたたち……私のダンジョンで働かない?」 情報分析でダンジョン構造を最適化し、清掃で魔力循環を改善する。気づけば生産効率は30%向上し、俺たちは魔王軍の特別顧問にまで成り上がっていた。 かつて俺たちを見下したクラスメイトたちは、ダンジョン攻略で消耗し、苦しんでいる。 見ろ、これが「外れ職」の本当の力だ――逆転と成り上がり、そして痛快なざまぁ劇が、今始まる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

まほカン

jukaito
ファンタジー
ごく普通の女子中学生だった結城かなみはある日両親から借金を押し付けられた黒服の男にさらわれてしまう。一億もの借金を返済するためにかなみが選ばされた道は、魔法少女となって会社で働いていくことだった。 今日もかなみは愛と正義と借金の天使、魔法少女カナミとなって悪の秘密結社と戦うのであった!新感覚マジカルアクションノベル! ※基本1話完結なのでアニメを見る感覚で読めると思います。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...