ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第5章 夏休み編

第172話「いつもの夏祭り 後編」

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小さい頃から一緒に行っている夏祭りにやって来た守里と日向子の2人は、数多く並んでいる屋台を楽しんでいく。


ヨーヨー釣り屋



守里: 笛ラムネ、くわえたままやるの?笑


日向子: ピピピーピピ(もちろんだよ。)


守里: 水の中に落ちちゃったら大変だから、ダメ。食べて。


日向子: ピーピ(はーい…)モグモグ


守里: ほら、頑張って。


日向子: うん!おばちゃん!1回分!


店員: はいよ。元気だね~


日向子: ありがとう!!


守里: 紙の部分、水につけたら終了だよ。


日向子: それを言うなら、諦めたらそこで試合終了ですよ、でしょ笑。まぁまぁ見といて!



そう言って日向子は、水に浮かぶ1番大きなヨーヨーを狙う。



日向子: よいしょっ!



素早くヨーヨーを釣り上げ、見事狙っていたものをゲットする。



日向子: やった!!


店員: 上手だね~


守里: 笑、やったな、日向子。


日向子: うん!でも…


守里: ちぎれちゃったか笑。成果は1つだね。


日向子: 目標達成だから、問題なし!!


守里: そう?なら、次行こう。


日向子: はーい!


◇◇◇


たこ焼き屋



守里: 日向子!6個で良いよね?


日向子: うん!パンパンパンパン…


守里: 6個、お願いします。


店員: あざーす!ちょうどお預かりします!!



さすが若めの兄ちゃん、元気だ。



店員: お待たせしました!!あざした!!


守里: ありがとうございます。ほら、日向子行くよ。


日向子: うん!パンパンパンパンパン…


守里: そろそろヨーヨーつくのやめな?食べれないでしょ。


日向子: ううん、食べれるよ!ほら、あーん!パンパンパン…



ヨーヨーをつきながら、日向子は守里に向かって、大きく口を開ける。



守里: はぁ…どーぞ。


日向子: パクッ!おいしい!!パンパンパン…


守里: ほんと、器用だな。どれ、僕も…パクッ、あ、美味い、これ。


日向子: だよね!パンパンパン…あ~


守里: はいはい笑


◇◇◇


かき氷屋



守里: もう、そんな落ち込まないの。また後で新しいの取りに行けばいいじゃん。


日向子: さっきのが良かったんだもん!


守里: 破れちゃったものは仕方ないって。ほら、気を取り直して楽しもうよ。



そう、日向子のパワーで、短時間にすごい量の衝撃を与え続けた結果、日向子が気に入っていたヨーヨーが破れてしまったのだ。



日向子: …


守里: ほら、かき氷買ってくるから。待ってて。


日向子: うん…


守里: 何味がいい?


日向子: …メロン。


守里: 笑、OK。



そう言って、守里はかき氷を2人分買って、日向子の元にすぐ戻ってくる。



守里: 買ってきたよ。


日向子: ありがとう…って、うわ!メロン乗ってる!しかもオレンジ色!!それにアイス?!


守里: オレンジ色って笑、まぁそうなんだけどさ。良さげなトッピングしてもらったから。これで何とか元気になって。


日向子: うぉぉおお!元気出てきた!!ありがとう!!!守里!!!!


守里: 笑、良かった。


日向子: では、いただきます!!!!バグハグおいしい!!バクバグハグ


守里: おいしいのは分かるけど、そんなにがっつくと…


日向子: あイタタタタタ…


守里: ほら笑


日向子: 頭キーンってする~バクバク


守里: いや食べる手は止めないんかい笑


日向子: だっておいしいんだもん!バクバク…痛っ…バクバク


守里: 日向子みたいに、痛みを我慢しつつ、かき氷をかき込む程の根性は、僕にはないから、ゆっくり食べよ笑。パクッ


◇◇◇


くじ引き屋



日向子: あの駄菓子の大袋当てるぞ!!


守里: 笑、じゃあ僕もそれ狙いで。


店員: 1回、400円ね。


日向子: おっしゃ、どれにしようかな~


守里: これにしよ。


日向子: え?もう守里は決めたの?


守里: なんか当たりそうな雰囲気を感じたからね。


日向子: 当たりそうな雰囲気…



くじが入ってる箱の上に手をかざす。



日向子: う~ん…


守里: 日向子の手はレーダーなの?笑


日向子: これだ!!



当たりの雰囲気を感じ取ったのか、1枚のくじを手に取る。



守里: 笑、一緒に開けようか。


日向子: うん!せーのっ!



2人は同時にくじを開く。



店員: …


日向子: …あ~!!!!!外れた!!!!


守里: そっか、残念。


日向子: くっそ~


店員: 笑、はい、参加賞の飴。


日向子: どうも…はぁ…


守里: そんな落ち込まないの。


日向子: 守里はどうだったの?


守里: 僕は…



開いたくじを日向子に見せる。



日向子: ま、まさか!


守里: 当たり笑


店員: おっ、マジか。おめでとう!ほら、景品の駄菓子大袋だ。


守里: ありがとうございます笑


日向子: やったーー!!!!守里!!!!…でも、私が当てたかった!!!


店員: チラッ笑(兄ちゃん、良いとこ見せろよ。)


守里: 自分で当てたかったか笑。じゃあ、これいらない?



ゲットした駄菓子の大袋を、日向子の前に出す。



日向子: いる!!!!


守里: 笑、だよね。一緒に食べよう。


日向子: うん!!


守里: なら、そろそろ花火の時間だし、いつものとこで食べよ。


日向子: はーい!!


店員: 笑、お幸せにボソッ(全く…見せつけやがって笑)



その後、守里と日向子は、小さい頃から行っていた、花火を見るには絶好の場所へと向かった。


◇◇◇


夏祭り会場近くの山道



守里: 相変わらず、ここは人がいないね。


日向子: そりゃそうだよ!こんな良い場所知ってるの、私達ぐらいだもん!


守里: 父さん達に教えてもらったんだっけ?


日向子: そうそう、小さい時に私達とパパ達で一緒に夏祭りに来た時に、教えてもらった!


守里: お、見えてきたよ。


日向子: 1年ぶりだ~


守里: 去年は、飛香と春時と一緒に来たの?


日向子: うん!



2人は、山の中で、そこだけぽっかりと穴が空いたように、夜空が開けて見える草原に座る。



守里: 濡れてないから、泥まみれになることは無いかな笑


日向子: よし!さっそく食べよう!!


守里: 食べ過ぎはダメだよ笑。あとゴミはちゃんと、この袋の中に入れて。


日向子: もちろん!


守里: 笑、いや~にしても、懐かしいな。


日向子: 何が?モグモグ


守里: 小さい時…ほら、小学校に入るまでは、僕と日向子の2人だけで……2人…?



「ほら、早く!!」


「コラ、走るな!」


「待ってよ~」



日向子: モグモグ


守里: ねぇ日向子。2人だったよね。小さい時、ここに来てたの。


日向子: ん?そうだよ!モグモグ


守里: だよね…



う~ん…そうだよな。

僕と日向子の2人だったよな…


でも、なんか…



日向子: あ!始まるみたいだよ!!


守里: …


日向子: ほら!守里!!花火!!



日向子が守里の肩を掴み、めちゃくちゃ揺らす。



守里: っ!!もうそんな時間か。


日向子: もう!見逃しちゃうよ!


守里: ごめん、ごめん笑。よし、しっかり見よう!


日向子: うん!!



そうして、花火が打ち上がり始めた。



日向子: うわぁ~


守里: 綺麗だね。


日向子: だね~



2人は肩を寄せあって、夜空を彩る花火を見た。




同時刻


夏祭り会場の近くの駐車場

車内



??: 葵波、綺麗だったね。


葵波: そうですね。すごく綺麗でした。


??: 守里と日向子も見てたかな?


葵波: 情報によると、2人で夏祭りに行くとの事でしたので見ていたかと。


??: そっか。なら、あそこにいたのかな。守里と日向子。


葵波: …もうすぐ、会えますよ。


??: 笑、そうだね……思い出してくれると良いけど…


葵波: 絶対に大丈夫ですって笑。日向子の方はアレですけど、守里は賢いですから。


??: 期待しとく笑


葵波: …もう、準備は終えられましたか?


??: ある程度は。制服も届いたし、教材もバッチリ。


葵波: 再度申し上げますが、理事長にしか、お嬢様の素性はお伝えしていませんので、くれぐれも他の方にバラす事のないよう、お願いします。


??: あと、守里とか日向子にバレた場合は、しっかりと口止めをするように、でしょ?


葵波: はい。お嬢様を守るためですので。


??: 笑、分かった。じゃあ、護衛、頼んだよ。


葵波: お任せ下さい。麻里も既に準備を整えています。


??: ほんと頼もしい。ありがと。


葵波: いえ。


◇◇◇◇◇


翌日


日向子の部屋



守里: おい!日向子!あとどんぐらいだ!!


日向子: まだ半分残ってるよ~


守里: もう!ちゃんと全部終わらせてから、夏祭りとか誘えっての!


日向子: ごめんって!


守里: とにかく、僕が教えるから、速攻で終わらせるぞ。


日向子: うん!!



夏祭りからの帰り道、日向子が夏休みの課題を全く終わらせていないことが判明し、夏休み最後の土日に、日向子の家で課題を手伝うこととなった守里。



日向子: 守里!!これ分かんない!!


守里: あぁ、それはって…飛香から、この前教えてもらってたろ!


日向子: だって、忘れちゃったんだもん!


守里: はぁ…飛香を呼ぶか?


日向子: どうかそれだけは勘弁下さい!!


守里: …もう1回教えるから、ペン握って。


日向子: はい!



守里は日向子の手伝いに、飛香も呼ぼうとしたが、めちゃくちゃに怒られるから嫌という理由で、日向子に止められた。


まぁ、確かに日向子が課題を終わらせてないって言ったら、飛香は激おこだろうな笑



守里: 日向子、分かった?


日向子: うん!


守里: じゃ、続けて。


日向子: はーい!!



そういえば、もう1人のおバカさん…僕が面倒見ている方は大丈夫なのだろうか…

一応、連絡してみよう。


守里は携帯を取り出し、祐希に課題が終わっているかを聞く。

するとすぐに、返信が来た。



祐希 M: 今、やらせてる。


守里: …笑



これは…



守里 M: 頑張って下さい。僕も日向子を手伝うの頑張りますから笑


祐希 M: 同じやな笑。こっちは何がなんでも終わらせたるから、安心しとき。


守里 M: 了解です。よろしくお願いします。


日向子: グヘ~


守里: 日向子、集中。


日向子: はい!…カキカキ



今頃、祐希もこんな感じなんだろうな。




祐希の部屋



祐希: ねぇ、今の連絡誰から?


七星: 守里や。アンタが課題終わっとるか聞いてきたんやで。


祐希: 返信した?


七星: もちろん。祐希の代わりにな。


祐希: チェッ


七星: アンタは課題に集中しぃや!


祐希: は、はい!



こうして、夏休み最後の時間は過ぎて行った。




to be continued
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