194 / 340
第6章 修学旅行編
第194話「小さい頃の日向子」
しおりを挟む
陽芽叶が起きてから、およそ30分後…
ピピピピピピピ
陽芽叶: 2度目のアラームだ。
梅澤: コイツら起きるかな笑
外に出る準備を終わらせた2人は、襖を開けた広縁から、部屋の中で寝る3人を、椅子に座って眺めていた。
陽芽叶: 朝食の時間まで残り30分。この辺で起きないと、キツくなってくるか…
梅澤: もう起こす?
陽芽叶: う~ん、あと少し寝かせてあげよう笑。あんな気持ち良さげな顔で寝てるんだし、起こしにくいよ。
梅澤: 確かに笑
陽芽叶: 3度目のアラームで起きなかったら、起こそう。
梅澤: おう。
陽芽叶: にしても、ここのお茶、美味しいよね。
梅澤: さすが、京都のお茶ってとこなんじゃないか?
陽芽叶: 旅館のお茶まで美味しいとは…笑
梅澤: 笑、ってかさ、陽芽叶って守里のこと好きなんだろ?
陽芽叶: え?いきなり、そんなこと聞く?
梅澤: いや、昨日の様子を見て聞きたくなったから。
陽芽叶: ふ~ん、まぁ良いや。うん。好きだよ。梅は美月を応援してるみたいだから、私の敵?になるのかもしれないけど笑
梅澤: 敵って笑……はぁ~あ、ほんと守里はモテるね~
陽芽叶: ライバルは、美月と飛香、春時の妹の紗耶ちゃん、守里のバイトの後輩の珠美ちゃん。
梅澤: あぁ。
陽芽叶: そして、最強の敵、日向子。
梅澤: 日向子?
陽芽叶: うん。
梅澤: いや、アイツは違うんじゃないか?
陽芽叶: え、なんで?……日向子は守里のことが小さい頃から好きなはず…
梅澤: そりゃ、幼なじみとして友達としては好きだろうけど、異性として好きって感じではないだろ。実際に日向子も、そんな風なことを言ってたみたいだし。
陽芽叶: …
梅澤: 何をそんなに驚いてるんだ笑
陽芽叶: ……今はそうじゃなくても、日向子が守里と付き合ってたとかもないの?
梅澤: そんな話は聞いたことない。
陽芽叶: 昔はあんなに守里のことが好きだって言ってたのに…
梅澤: 友達としてじゃなくてか?
陽芽叶: うん。絶対、結婚するって…
梅澤: へぇ~で、陽芽叶と守里、そして日向子は昔馴染みなわけ?
陽芽叶: っ!!
梅澤: 転校生のお前が、昔の日向子を知ってるってことは、そういうことなんだろ?
陽芽叶: ……うん。
梅澤: でも、守里と日向子はそのことを覚えてないって感じか?
陽芽叶: うん。
梅澤: なるほどね。
陽芽叶: …5歳ぐらいまでかな。私と守里、日向子は家が近くて、よく一緒に遊んでたんだ。それで、私も日向子も守里のことが好きだった。
梅澤: お互いに気持ちを知ってたのか?
陽芽叶: うん。でも、親の転勤で、私は引越しすることになって、守里と日向子と別れたの。
梅澤: で、高二の秋に、再びこっちに、守里と日向子と同じところに戻って来たと。
陽芽叶: 偶然ね。教室に入った時に、守里と日向子がいて、ほんとびっくりしたんだから笑
梅澤: 笑、そりゃ驚くわな。昔、好きだったヤツと、ソイツを取り合ってた相手と同じ学校、同じクラス、なんなら守里とは隣の席になったんだし。
陽芽叶: でしょ?笑……で、転校してすぐの頃は、日向子が守里のことを家族だと思ってるって聞いて、てっきり守里と日向子は付き合ってて、夫婦レベルで愛し合ってるぐらいに思ってたんだ。
梅澤: 家族を、そっちで捉えたわけか。
陽芽叶: 最初はね笑。でも、美月や飛香の行動を見たり、春時達の話を聞いたりしてると、まだ私にもチャンスはあるのかな?って思って、私も守里にアタックをかけ始めたの。
梅澤: 引越した後も、守里のことがずっと好きだったんだな。
陽芽叶: 当たり前だよ笑
梅澤: ふ~ん笑。ま、その話を聞くと、さっきの日向子と守里の関係性を聞いた時のお前の様子にも、納得がいくわ。
陽芽叶: いや~読みが外れたな~
梅澤: 陽芽叶としては、良かったんじゃないのか?1番の強敵だと思ってたヤツが、そうじゃなかったんだから。
陽芽叶: まぁね……でも、少し悲しいんだ…
梅澤: そういうもんなのか…
陽芽叶: この話は秘密だよ笑
梅澤: おう…(なんかこういうの私、多くね?)
陽芽叶: にしても、日向子、あんなに守里のことが好きだったのにな~
梅澤: 年が経てば変わることもあるんだろ。
陽芽叶: そっか~
梅澤: 美月を応援してる私が言うのも変だが、頑張れよ。
陽芽叶: うん笑
梅澤: 守里は究極の鈍感なのか、幼なじみの飛香とデートに行っても、家族の美月が強めのスキンシップとっても靡かないからな、大変だぞ笑
陽芽叶: それは中々…
梅澤: だろ?ロボットかっての笑
陽芽叶: まぁ、頑張るよ。もちろん、美月にも、誰にも負けない!
梅澤: 笑、そうかよ。
そう言って梅澤は、笑いながらお茶を一口飲んだ。
陽芽叶: ロボットね…
ピピピピピピピ
ここで、3度目の、集合時間10分前のアラームが鳴り響く。
梅澤: ……起きねぇな笑
陽芽叶: よし、みんなを起こそう。
美月: zzzzzz
梅澤: おい、美月。起きろ。
美月: …まだ寝る~……zzz
梅澤: んな事言ってたら、嵐山?だっけか、行けなくなるぞ。
陽芽叶: ほら、志帆ちゃんも。
川嶋: う、う~ん…zz
祐希: zzzzz
梅澤: 言っても聞かないなら、こうするしかないよな笑
笑いながら、梅澤は寝ている美月の鼻を摘む。
美月: …フグ…グガッ!!し、しぬ!!
息ができなくなった美月が、飛び起きる。
梅澤: おはよう、美月。
陽芽叶: おはよ~
美月: ちょっと、何するの?!香蓮!
そう叫んだ声を聞いて…
川嶋: うるさいな……なに?まだ時間は……zz
陽芽叶: あ、志帆ちゃん、また寝ないで。美月よりぐ~たらでどうするの?
川嶋: 美月より…ぐ~たら……起きる。
陽芽叶の言葉を聞き、ムクっと起き上がる川嶋。
陽芽叶: よし、志帆ちゃんも起きたね。
美月: こんの~よくも!
梅澤: 逆に感謝して欲しいぜ笑
川嶋: 私はぐ~たらじゃない!
陽芽叶: 分かったから、早く準備しな?時間ないよ。
川嶋: え?時間?
自分の携帯で時間を確認する。
川嶋: っ!!!……陽芽叶ちゃん、ちょっとほっぺを引っ張ってもらっていい?
陽芽叶: OK~
川嶋: …痛い……夢じゃ…ない………
美月: 起こすにしても殺しにかかるとは!
梅澤: お前も準備始めろって。
川嶋: ……
携帯をじっと見たままの川嶋は一言。
川嶋: ヤバい。
そう言って、一気に体を動かした。
美月: うわっ、いきなりどうしたの?志帆。
川嶋: 美月!!大ピンチ!!残り10分!!
美月: は、え、へ?10分?
目の前に立つ梅澤を見る。
梅澤: 現在、7時50分。朝食の時間は8時。
美月: !!!!!!!!!!!
大きく目を見開いた美月も、一瞬の硬直の後、朝の準備を大急ぎで始めた。
川嶋: あ、美月も洗面台使うの?!!
美月: そりゃそうでしょ!半分!!
川嶋: 分かった!
美月: ちょっ水飛んでる!
川嶋: しょうがないでしょ!!お互い様!!
陽芽叶: 笑、あとは真のぐ~たら娘だけだね。
梅澤: おそらく、コイツが1番起きない。
祐希: zzzzzz
陽芽叶: 先に、志帆ちゃんに起こしてもらえば良かった。
梅澤: 今から呼んで…いや、耳に入らなそうだ笑
陽芽叶: おーい、祐希ちゃん、起きて~
祐希: zzzzzz
梅澤: この、起きろ!
脇の下に腕を通し、無理やり祐希を持ち上げる。
祐希: zzzzzz
陽芽叶: 嘘…これでも起きないの?守里から、いつも見てる日中の睡眠とは、レベルが違うってことは聞いてたけど…
梅澤: 日中の睡眠は、まだマシだったんだな…
陽芽叶: ……最終兵器を使うしかない。
梅澤: 最終兵器?
陽芽叶: 守里から託されてたんだ。美月、志帆ちゃん、祐希ちゃん、それぞれを確実に起こせる最終兵器を。
梅澤: そんなのがあるなら、初めから使えば…
陽芽叶: 最終兵器って言うぐらいだから、ほんとにどうしようもない時に使わないとでしょ!
梅澤: お、おぉ…
自分の携帯を手に取った陽芽叶は、梅澤が持ち上げている祐希の耳元へ、携帯を近づける。
陽芽叶: これで、どうだ!
「はよ起きんかい!!祐希!!」
祐希: っ!!!は、はい!!!!
梅澤: おっ、起きた。
祐希: あ、あれ?お姉ちゃん?……?
陽芽叶: おはよう、祐希。
祐希: なんで陽芽叶ちゃん?…
梅澤: まだ寝ぼけてんのか?修学旅行中だろ。
祐希: はっ!そうだった……じゃあなんで、お姉ちゃんの声が…
陽芽叶: 笑、まぁ良いから、準備しないと。朝食まで時間ないよ。
祐希: グー
梅澤: 腹の虫も鳴ってんじゃねぇか笑
祐希: 朝ご飯食べる!!!
陽芽叶: その前に、顔洗ってこなきゃ。
祐希: 分かった!!!
自分の状態と周りの状況を理解した祐希は、梅澤の手から離れ、川嶋と美月がいる洗面台へと走る。
祐希: 朝ご飯!!
美月: 祐希!
川嶋: 3人はキツくない?!
祐希: 顔洗う!!バシャバシャ
川嶋: 水めちゃくちゃ飛んでるって!祐希!
美月: 服が…いや、気にしてらんない!!急ぐよ!!
梅澤: ほんと騒がしい笑
陽芽叶: さすがにギリギリ過ぎたね笑。明日はもうちょっと早く起こそう。
梅澤: (何気に陽芽叶も意地悪なんだよな……飛香と似てる…か。)
10分後…
川嶋: 5分遅刻だ!!急げ!!
美月: 分かったから!!
祐希: 朝ご飯!!!
陽芽叶: ちゃんと靴履きなよ~
梅澤: 笑
ガチャ!!!
5人はドタバタと部屋を出て、食事処へ向かった。
そして、美月達のあまりの慌てようを見て、笑う剣崎先生に、まず挨拶をして遅れたことを謝る。
その後、美月達は、既に席についている守里と春時のテーブルへ行き、梅澤は、先に席に座っている灰崎を見て、少し嫌な顔をしながらも、そっちの方向へ向かった。
to be continued
ピピピピピピピ
陽芽叶: 2度目のアラームだ。
梅澤: コイツら起きるかな笑
外に出る準備を終わらせた2人は、襖を開けた広縁から、部屋の中で寝る3人を、椅子に座って眺めていた。
陽芽叶: 朝食の時間まで残り30分。この辺で起きないと、キツくなってくるか…
梅澤: もう起こす?
陽芽叶: う~ん、あと少し寝かせてあげよう笑。あんな気持ち良さげな顔で寝てるんだし、起こしにくいよ。
梅澤: 確かに笑
陽芽叶: 3度目のアラームで起きなかったら、起こそう。
梅澤: おう。
陽芽叶: にしても、ここのお茶、美味しいよね。
梅澤: さすが、京都のお茶ってとこなんじゃないか?
陽芽叶: 旅館のお茶まで美味しいとは…笑
梅澤: 笑、ってかさ、陽芽叶って守里のこと好きなんだろ?
陽芽叶: え?いきなり、そんなこと聞く?
梅澤: いや、昨日の様子を見て聞きたくなったから。
陽芽叶: ふ~ん、まぁ良いや。うん。好きだよ。梅は美月を応援してるみたいだから、私の敵?になるのかもしれないけど笑
梅澤: 敵って笑……はぁ~あ、ほんと守里はモテるね~
陽芽叶: ライバルは、美月と飛香、春時の妹の紗耶ちゃん、守里のバイトの後輩の珠美ちゃん。
梅澤: あぁ。
陽芽叶: そして、最強の敵、日向子。
梅澤: 日向子?
陽芽叶: うん。
梅澤: いや、アイツは違うんじゃないか?
陽芽叶: え、なんで?……日向子は守里のことが小さい頃から好きなはず…
梅澤: そりゃ、幼なじみとして友達としては好きだろうけど、異性として好きって感じではないだろ。実際に日向子も、そんな風なことを言ってたみたいだし。
陽芽叶: …
梅澤: 何をそんなに驚いてるんだ笑
陽芽叶: ……今はそうじゃなくても、日向子が守里と付き合ってたとかもないの?
梅澤: そんな話は聞いたことない。
陽芽叶: 昔はあんなに守里のことが好きだって言ってたのに…
梅澤: 友達としてじゃなくてか?
陽芽叶: うん。絶対、結婚するって…
梅澤: へぇ~で、陽芽叶と守里、そして日向子は昔馴染みなわけ?
陽芽叶: っ!!
梅澤: 転校生のお前が、昔の日向子を知ってるってことは、そういうことなんだろ?
陽芽叶: ……うん。
梅澤: でも、守里と日向子はそのことを覚えてないって感じか?
陽芽叶: うん。
梅澤: なるほどね。
陽芽叶: …5歳ぐらいまでかな。私と守里、日向子は家が近くて、よく一緒に遊んでたんだ。それで、私も日向子も守里のことが好きだった。
梅澤: お互いに気持ちを知ってたのか?
陽芽叶: うん。でも、親の転勤で、私は引越しすることになって、守里と日向子と別れたの。
梅澤: で、高二の秋に、再びこっちに、守里と日向子と同じところに戻って来たと。
陽芽叶: 偶然ね。教室に入った時に、守里と日向子がいて、ほんとびっくりしたんだから笑
梅澤: 笑、そりゃ驚くわな。昔、好きだったヤツと、ソイツを取り合ってた相手と同じ学校、同じクラス、なんなら守里とは隣の席になったんだし。
陽芽叶: でしょ?笑……で、転校してすぐの頃は、日向子が守里のことを家族だと思ってるって聞いて、てっきり守里と日向子は付き合ってて、夫婦レベルで愛し合ってるぐらいに思ってたんだ。
梅澤: 家族を、そっちで捉えたわけか。
陽芽叶: 最初はね笑。でも、美月や飛香の行動を見たり、春時達の話を聞いたりしてると、まだ私にもチャンスはあるのかな?って思って、私も守里にアタックをかけ始めたの。
梅澤: 引越した後も、守里のことがずっと好きだったんだな。
陽芽叶: 当たり前だよ笑
梅澤: ふ~ん笑。ま、その話を聞くと、さっきの日向子と守里の関係性を聞いた時のお前の様子にも、納得がいくわ。
陽芽叶: いや~読みが外れたな~
梅澤: 陽芽叶としては、良かったんじゃないのか?1番の強敵だと思ってたヤツが、そうじゃなかったんだから。
陽芽叶: まぁね……でも、少し悲しいんだ…
梅澤: そういうもんなのか…
陽芽叶: この話は秘密だよ笑
梅澤: おう…(なんかこういうの私、多くね?)
陽芽叶: にしても、日向子、あんなに守里のことが好きだったのにな~
梅澤: 年が経てば変わることもあるんだろ。
陽芽叶: そっか~
梅澤: 美月を応援してる私が言うのも変だが、頑張れよ。
陽芽叶: うん笑
梅澤: 守里は究極の鈍感なのか、幼なじみの飛香とデートに行っても、家族の美月が強めのスキンシップとっても靡かないからな、大変だぞ笑
陽芽叶: それは中々…
梅澤: だろ?ロボットかっての笑
陽芽叶: まぁ、頑張るよ。もちろん、美月にも、誰にも負けない!
梅澤: 笑、そうかよ。
そう言って梅澤は、笑いながらお茶を一口飲んだ。
陽芽叶: ロボットね…
ピピピピピピピ
ここで、3度目の、集合時間10分前のアラームが鳴り響く。
梅澤: ……起きねぇな笑
陽芽叶: よし、みんなを起こそう。
美月: zzzzzz
梅澤: おい、美月。起きろ。
美月: …まだ寝る~……zzz
梅澤: んな事言ってたら、嵐山?だっけか、行けなくなるぞ。
陽芽叶: ほら、志帆ちゃんも。
川嶋: う、う~ん…zz
祐希: zzzzz
梅澤: 言っても聞かないなら、こうするしかないよな笑
笑いながら、梅澤は寝ている美月の鼻を摘む。
美月: …フグ…グガッ!!し、しぬ!!
息ができなくなった美月が、飛び起きる。
梅澤: おはよう、美月。
陽芽叶: おはよ~
美月: ちょっと、何するの?!香蓮!
そう叫んだ声を聞いて…
川嶋: うるさいな……なに?まだ時間は……zz
陽芽叶: あ、志帆ちゃん、また寝ないで。美月よりぐ~たらでどうするの?
川嶋: 美月より…ぐ~たら……起きる。
陽芽叶の言葉を聞き、ムクっと起き上がる川嶋。
陽芽叶: よし、志帆ちゃんも起きたね。
美月: こんの~よくも!
梅澤: 逆に感謝して欲しいぜ笑
川嶋: 私はぐ~たらじゃない!
陽芽叶: 分かったから、早く準備しな?時間ないよ。
川嶋: え?時間?
自分の携帯で時間を確認する。
川嶋: っ!!!……陽芽叶ちゃん、ちょっとほっぺを引っ張ってもらっていい?
陽芽叶: OK~
川嶋: …痛い……夢じゃ…ない………
美月: 起こすにしても殺しにかかるとは!
梅澤: お前も準備始めろって。
川嶋: ……
携帯をじっと見たままの川嶋は一言。
川嶋: ヤバい。
そう言って、一気に体を動かした。
美月: うわっ、いきなりどうしたの?志帆。
川嶋: 美月!!大ピンチ!!残り10分!!
美月: は、え、へ?10分?
目の前に立つ梅澤を見る。
梅澤: 現在、7時50分。朝食の時間は8時。
美月: !!!!!!!!!!!
大きく目を見開いた美月も、一瞬の硬直の後、朝の準備を大急ぎで始めた。
川嶋: あ、美月も洗面台使うの?!!
美月: そりゃそうでしょ!半分!!
川嶋: 分かった!
美月: ちょっ水飛んでる!
川嶋: しょうがないでしょ!!お互い様!!
陽芽叶: 笑、あとは真のぐ~たら娘だけだね。
梅澤: おそらく、コイツが1番起きない。
祐希: zzzzzz
陽芽叶: 先に、志帆ちゃんに起こしてもらえば良かった。
梅澤: 今から呼んで…いや、耳に入らなそうだ笑
陽芽叶: おーい、祐希ちゃん、起きて~
祐希: zzzzzz
梅澤: この、起きろ!
脇の下に腕を通し、無理やり祐希を持ち上げる。
祐希: zzzzzz
陽芽叶: 嘘…これでも起きないの?守里から、いつも見てる日中の睡眠とは、レベルが違うってことは聞いてたけど…
梅澤: 日中の睡眠は、まだマシだったんだな…
陽芽叶: ……最終兵器を使うしかない。
梅澤: 最終兵器?
陽芽叶: 守里から託されてたんだ。美月、志帆ちゃん、祐希ちゃん、それぞれを確実に起こせる最終兵器を。
梅澤: そんなのがあるなら、初めから使えば…
陽芽叶: 最終兵器って言うぐらいだから、ほんとにどうしようもない時に使わないとでしょ!
梅澤: お、おぉ…
自分の携帯を手に取った陽芽叶は、梅澤が持ち上げている祐希の耳元へ、携帯を近づける。
陽芽叶: これで、どうだ!
「はよ起きんかい!!祐希!!」
祐希: っ!!!は、はい!!!!
梅澤: おっ、起きた。
祐希: あ、あれ?お姉ちゃん?……?
陽芽叶: おはよう、祐希。
祐希: なんで陽芽叶ちゃん?…
梅澤: まだ寝ぼけてんのか?修学旅行中だろ。
祐希: はっ!そうだった……じゃあなんで、お姉ちゃんの声が…
陽芽叶: 笑、まぁ良いから、準備しないと。朝食まで時間ないよ。
祐希: グー
梅澤: 腹の虫も鳴ってんじゃねぇか笑
祐希: 朝ご飯食べる!!!
陽芽叶: その前に、顔洗ってこなきゃ。
祐希: 分かった!!!
自分の状態と周りの状況を理解した祐希は、梅澤の手から離れ、川嶋と美月がいる洗面台へと走る。
祐希: 朝ご飯!!
美月: 祐希!
川嶋: 3人はキツくない?!
祐希: 顔洗う!!バシャバシャ
川嶋: 水めちゃくちゃ飛んでるって!祐希!
美月: 服が…いや、気にしてらんない!!急ぐよ!!
梅澤: ほんと騒がしい笑
陽芽叶: さすがにギリギリ過ぎたね笑。明日はもうちょっと早く起こそう。
梅澤: (何気に陽芽叶も意地悪なんだよな……飛香と似てる…か。)
10分後…
川嶋: 5分遅刻だ!!急げ!!
美月: 分かったから!!
祐希: 朝ご飯!!!
陽芽叶: ちゃんと靴履きなよ~
梅澤: 笑
ガチャ!!!
5人はドタバタと部屋を出て、食事処へ向かった。
そして、美月達のあまりの慌てようを見て、笑う剣崎先生に、まず挨拶をして遅れたことを謝る。
その後、美月達は、既に席についている守里と春時のテーブルへ行き、梅澤は、先に席に座っている灰崎を見て、少し嫌な顔をしながらも、そっちの方向へ向かった。
to be continued
0
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります
チャビューヘ
ファンタジー
いいね、ブックマークで応援いつもありがとうございます!
ある日突然、クラス全員が異世界に召喚された。
この世界では「職業ガチャ」で与えられた職業がすべてを決める。勇者、魔法使い、騎士――次々と強職を引き当てるクラスメイトたち。だが俺、蒼井拓海が引いたのは「情報分析官」。幼馴染の白石美咲は「清掃員」。
戦闘力ゼロ。
「お前らは足手まといだ」「誰もお荷物を抱えたくない」
親友にすら見捨てられ、パーティ編成から弾かれた俺たちは、たった二人で最低難易度ダンジョンに挑むしかなかった。案の定、モンスターに追われ、逃げ惑い――挙句、偶然遭遇したクラスメイトには囮として利用された。
「感謝するぜ、囮として」
嘲笑と共に去っていく彼ら。絶望の中、俺たちは偶然ダンジョンの最深部へ転落する。
そこで出会ったのは、銀髪の美少女ダンジョン主・リリア。
「あなたたち……私のダンジョンで働かない?」
情報分析でダンジョン構造を最適化し、清掃で魔力循環を改善する。気づけば生産効率は30%向上し、俺たちは魔王軍の特別顧問にまで成り上がっていた。
かつて俺たちを見下したクラスメイトたちは、ダンジョン攻略で消耗し、苦しんでいる。
見ろ、これが「外れ職」の本当の力だ――逆転と成り上がり、そして痛快なざまぁ劇が、今始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『25歳独身、マイホームのクローゼットが異世界に繋がってた件』 ──†黒翼の夜叉†、異世界で伝説(レジェンド)になる!
風来坊
ファンタジー
25歳で夢のマイホームを手に入れた男・九条カケル。
185cmのモデル体型に彫刻のような顔立ち。街で振り返られるほどの美貌の持ち主――だがその正体は、重度のゲーム&コスプレオタク!
ある日、自宅のクローゼットを開けた瞬間、突如現れた異世界へのゲートに吸い込まれてしまう。
そこで彼は、伝説の職業《深淵の支配者(アビスロード)》として召喚され、
チートスキル「†黒翼召喚†」や「アビスコード」、
さらにはなぜか「女子からの好感度+999」まで付与されて――
「厨二病、発症したまま異世界転生とかマジで罰ゲームかよ!!」
オタク知識と美貌を武器に、異世界と現代を股にかけ、ハーレムと戦乱に巻き込まれながら、
†黒翼の夜叉†は“本物の伝説”になっていく!
まほカン
jukaito
ファンタジー
ごく普通の女子中学生だった結城かなみはある日両親から借金を押し付けられた黒服の男にさらわれてしまう。一億もの借金を返済するためにかなみが選ばされた道は、魔法少女となって会社で働いていくことだった。
今日もかなみは愛と正義と借金の天使、魔法少女カナミとなって悪の秘密結社と戦うのであった!新感覚マジカルアクションノベル!
※基本1話完結なのでアニメを見る感覚で読めると思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる