ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

文字の大きさ
202 / 340
第6章 修学旅行編

第202話「捜索開始」

しおりを挟む
美月: ハァハァ…まだ追って来てるの?


陽芽叶: うん…


美月: なんなの?!アイツら…昨日から…


陽芽叶: …



守里のおかげで、アンチの囲いから逃げ出すことができた美月と陽芽叶は、アンチに追われながらも、春時達と待ち合わせしているバス停に向かって走っていた。



美月: ハァハァ…ヤバい、そろそろ…


陽芽叶: ……美月。


美月: なに?…ハァハァ…


陽芽叶: ここからは、1人で逃げて。


美月: は、え?


陽芽叶: 絶対に、春時達のところまで止まらないで。


美月: 何を言ってるの…って、陽芽叶!!



繋いでいた手を離し、その場に立ち止まる陽芽叶。



美月: 一緒に逃げないと!


陽芽叶: ここは、私が食い止めるから!


美月: マジで、本当に…


陽芽叶: 早く行って!!



その言葉を聞き…



美月: 絶対に陽芽叶も、守里も助けるから!!



再び、美月は走り出した。



陽芽叶: …


下位b: どうして止まった。


陽芽叶: …


下位d: 何だこの子、俺らと遊びたかったのかな?


下位e: まぁ実際に、ここで黙ってるわけだしw…少しぐらい味見しても…



そう言って、下位構成員の1人が陽芽叶の体に触ろうとするが…



下位b: やめろ。


下位e: はぁ?なんでだよ。


下位b: 俺達はあそこに連れくるようにって命令されてるんだ。手を出しても良いとは言われてない。


下位d: …確かに…


下位e: チッ…堅物が。


下位b: 大人しくついて来い。


陽芽叶: …



そうして、陽芽叶は黙って下位構成員達の指示に従うのだった。




一方、1人、逃げ続けていた美月は…



美月: ハァハァ…あ、見えた!春時ー!!!


春時: おう、美月じゃん。


川嶋: そんな走ってきて、どうしたの?笑


祐希: お土産ぐちゃぐちゃになるよ。


??: ってか、守里達は?


美月: え、香蓮?


梅澤: あぁ。


川嶋: 偶然、そこで会ってね。


美月: ちょ、ちょうど良かった!!


梅澤: 何が。


美月: 大変なの!!守里と陽芽叶が!!


春時: っ!!2人がどうしたんだ?!


美月: 昨日のアイツらに捕まっちゃったの!!


梅澤: っ!!!


川嶋: つ、捕まった?!


祐希: 本当に?


美月: グスン…



美月の大きな目から涙が溢れる。



春時: …ゆっくりで良いから、詳しく話して。


美月: …しゅ、守里は私と陽芽叶を逃がすためにって、アイツらの所に残って……陽芽叶は、私を逃がすために、追って来てた奴らに捕まっちゃった…グスン


春時: …守里が残ったところと、陽芽叶と別れた場所は分かるか?



携帯に表示したマップを、美月の前に出して尋ねる春時。



美月: 守里は…ここで…グスン……陽芽叶と別れたのは…多分、この辺だと思う…


春時: 分かった。よく逃げてきたな。あとは俺と…梅。


梅澤: もちろんだ。


春時: 俺達に任せろ。


美月: お願い春時、香蓮。2人を助け…て…


川嶋: ちょっ、美月!


美月: …


梅澤: 気絶したか……相当ストレスがかかってたんだろ。寝かせてやっといてくれ。


川嶋: 分かった…


春時: 志帆と祐希は、ここで美月と一緒にいて。


川嶋: う、うん。先生達と警察にも連絡しとく。


春時: あぁ、たの…


梅澤: いや、止めとこう。


川嶋: え?


春時: は?なんで。


梅澤: 大事にするのはマズいと思う。昨日、守里に聞いた感じだと、相手は何するか分からないタイプだろうから、下手に刺激しない方が良い。


春時: …一理あるな。志帆、先生と警察に連絡するのは無しだ。


川嶋: うん…


梅澤: じゃあ行くぞ。


春時: おう。


祐希: ……梅。



守里と陽芽叶を探しに行こうとした梅澤を、祐希が引き止める。



梅澤: なんだ?


祐希: 2人を助けるためには、どんな手段を使っても良い。何も気にしないで良いから。


梅澤: ?ま、まぁ、分かったよ。



こうして、春時と梅澤は、守里と陽芽叶を探しに行った。




10分後…



春時: 守里が残ったって場所は、この辺か…


梅澤: 怪しい奴は…いない…か?


春時: 陽芽叶さんが捕まったって場所も、何も見つからなかったし、ここで何かしらの手がかりを見つけないと…


梅澤: …チッ、人が多すぎる…


春時: ……っ!!アレは!



道の端に春時は、何かを発見する。



梅澤: どうした?!


春時: 守里のリュックだ!


梅澤: なに!



放置されていた守里の荷物を発見した2人。



春時: うん、やっぱり守里のリュックだ。


梅澤: …ここに荷物を置いて、体1つで連れ去られたってわけか……でもなんで、守里は連れ去られたんだ?あんなに強いのに……いや、それだけヤバい相手がいると考えるべきか……



と、梅澤が状況を考察している間に…



春時: これは…守里の2台目の携帯…



リュックの中から、防衛団用の携帯を取り出す。



春時: でも、これを見つけたところで、どうしようも……やっぱり2人で見つけるのは無理か…


梅澤: …ん?その携帯は…



ここで梅澤が、春時の持つ携帯に気づく。



春時: あぁ、守里の2台目の携帯だ。それよりも、警察を…


梅澤: っ!!(これがあれば、防衛団に…でも、春時にバレちまうか……)



そう考える梅澤の頭に、先程聞いた言葉が思い起こされる。



「2人を助けるためには、どんな手段を使っても良い。何も気にしないで良いから。」



梅澤: (笑、そうだよな。今は関係ねぇよな。)


春時: おい梅、聞いてるか?


梅澤: その携帯を貸せ。


春時: ん?別にいいけど…


梅澤: …うん、守里が言ってた通り、緊急通報先が護衛の人になってるな。これならいける!


春時: は?


梅澤: 春時、今からお前を私達の秘密に巻き込む。


春時: いや…


梅澤: 良いな?


春時: ちゃんと説明を…


梅澤: 守里を助けるためだ。


春時: …ふぅ……分かった。助ける手立てがあるんだな?それだけ聞かせろ。


梅澤: あぁ。確実に事態は好転するはずだ。最高の助っ人達が来てくれるから。


春時: じゃあ頼む。


梅澤: おう。



そうして梅澤は、防衛団用の携帯を通して、森田に電話をかけるのだった。


その頃、森田達は、祇園商店街にあるカフェの中に入っていた。



森田: お、これ美味いなモグモグ


矢口: 絶品だモグモグ…お土産に買って行ったらどうだ?


森田: おう。


矢口: ってか、坊ちゃん動かないな。かれこれ15分ぐらい止まったままだ。


森田: お土産選びに長考してるんだろう。おそらく、怖い相手へのお土産を。


矢口: かもな笑



と、タブレットを見ていた2人だったが…


ブーブー



森田: ん?坊ちゃんの携帯から?


矢口: 何かあったんじゃないのか?!



ピ



森田 T: どうされましたか、坊ちゃん!


梅澤 T: 突然すみません、守里の護衛の方ですよね?!


森田 T: え?女性の声…


梅澤 T: 梅澤…梅刺奴欺です!


森田 T: あぁ!それで、どうされたんですか?坊ちゃんの携帯から…


梅澤 T: 大変なんです!守里と、もう1人生徒がアンチに攫われました!!


森田 T: は、攫われた?!


ガシャンッ!!



予想外の言葉に、勢いよく立ち上がる森田。



ガヤガヤ



森田: …先出るから、会計頼んだ。


矢口: 分かった。


森田 T: 詳しく状況を聞かせて下さい。


梅澤 T: はい…



店を出て、落ち着いた森田は、梅澤から状況を聞き…



森田 T: 分かりました。連絡ありがとうございます。ここからは、我々にお任せ下さい。


梅澤 T: いえ、私達も協力します。


森田 T: 危険です。


梅澤 T: もう仲間が危険な目に遭ってるのに、黙ってられません。


森田 T: …分かりました。ここまで事態に気づけなかった私が言うのもなんですが、梅刺奴欺と、坊ちゃんの相棒の力を信じます。


梅澤 T: ありがとうございます!


森田 T: では、すぐに合流しましょう。そこで待機していて下さい。


梅澤 T: はい!



ピ



矢口: なんだって?


森田: 本部に連絡。坊ちゃんがアンチに連れ去られた。


矢口: っ!!マジかよ…


森田: …なんとしてでも助けるぞ。


矢口: おう!


森田: まずは、協力者達と合流だ。それまでに本部への連絡を済ませ、京都にいる団員全員で捜索を開始する。


矢口: 了解!



防衛団の2人が走り出す。



森田: (坊ちゃん、すみません…絶対に助けます!)


矢口: 本部への連絡が終わった。


森田: あぁ。あと20秒で、協力者達の元に着くはずだ。


矢口: その協力者ってのは…



プルルル



森田: ん?……椎名さんだ…



ピ



森田 T: もしも…


椎名 T: ちょっと!!!守里が連れ去られたって、どう言うことなのよ!!!!


森田 T: す、すみません!!!!


椎名 T: それを防ぐのが、護衛の仕事でしょうが!!!!


森田 T: 本当に申し訳ないです!!


椎名 T: ……すぐに見つけるから、助け出すのは頼んだよ。


森田 T: はい!!


椎名 T: そこで、この失態を少しでも払拭しろ!!!


森田 T: はい!!!



ピ



矢口: 急ぐぞ…


森田: あぁ………いた。


矢口: …協力者って、梅澤さんと木村君のことだったのか。



護衛の2人と梅澤、春時が合流する。



森田: 梅澤さん。


梅澤: あ、守里の護衛の人…


春時: 誰…


森田: 話は後です。今、こちらで坊ちゃんを捜索していますので、私達はこの辺に手がかりがないか、探します。


梅澤: 分かりました。


春時: …あなた達は、守里の味方なんですか?


森田: そうです。


矢口: こんな状況になるまで気づかなかった俺達が言うのは、おかしいっすけど、信じて下さい。


春時: …


梅澤: 春時。


春時: 守里の秘密かボソッ……了解です。一緒に守里と陽芽叶さんを助けましょう。


森田: はい。


矢口: もちろんっす。



こうして、防衛団による守里と陽芽叶の捜索が始まったのだった。




to be continued
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります

チャビューヘ
ファンタジー
いいね、ブックマークで応援いつもありがとうございます! ある日突然、クラス全員が異世界に召喚された。 この世界では「職業ガチャ」で与えられた職業がすべてを決める。勇者、魔法使い、騎士――次々と強職を引き当てるクラスメイトたち。だが俺、蒼井拓海が引いたのは「情報分析官」。幼馴染の白石美咲は「清掃員」。 戦闘力ゼロ。 「お前らは足手まといだ」「誰もお荷物を抱えたくない」 親友にすら見捨てられ、パーティ編成から弾かれた俺たちは、たった二人で最低難易度ダンジョンに挑むしかなかった。案の定、モンスターに追われ、逃げ惑い――挙句、偶然遭遇したクラスメイトには囮として利用された。 「感謝するぜ、囮として」 嘲笑と共に去っていく彼ら。絶望の中、俺たちは偶然ダンジョンの最深部へ転落する。 そこで出会ったのは、銀髪の美少女ダンジョン主・リリア。 「あなたたち……私のダンジョンで働かない?」 情報分析でダンジョン構造を最適化し、清掃で魔力循環を改善する。気づけば生産効率は30%向上し、俺たちは魔王軍の特別顧問にまで成り上がっていた。 かつて俺たちを見下したクラスメイトたちは、ダンジョン攻略で消耗し、苦しんでいる。 見ろ、これが「外れ職」の本当の力だ――逆転と成り上がり、そして痛快なざまぁ劇が、今始まる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

なんか人類滅亡直前の世界で勇者召喚にて大ハズレみたいな顔をされた【弱体術師】の俺ですが、実は人生4周目にて過去には【勇者】の実績もある最強

ルシェ(Twitter名はカイトGT)
ファンタジー
なんか人類滅亡直前の世界で勇者召喚にて大ハズレみたいな顔をされた【弱体術師】の俺ですが、実は人生4周目にて過去には【勇者】の実績もある銀河最強レベルの【調停者】

処理中です...