ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第6章 修学旅行編

第203話「負けない意志」

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ある建物の中



中位A: おいおい、昨日のは何だったんだよ!!


ボコッ!



右頬に拳が。



中位B: ったく、これじゃあ張合いがないじゃん。聞いてた話と違うぞ!っと…


ドスッ



左腿に蹴りが。



中位C: ま、楽しいんだけどっ!


ドンッ!!



腹に膝が。



守里: グッ…


中位A: お、やっと声出した。良いぞ良いぞw、苦しむ声を出してくんないと、こっちも楽しめないからなww


ボスッ!!



再び腹に蹴りが。



守里: …ふぅ…



閉じられた薄暗い部屋の中で、男達の攻撃を、ただ受け続けるだけの時間が続く。


ここに来て、どれぐらい経った…

さすがにダメージを受け過ぎて、頭が回らない…



中位B: ほらほら、まだまだ行くぞ!!


バコッ


守里: …


中位C: にしてもコイツ、耐久力って言うのか?強すぎだろ、ずっと立ったままだしっ!


ドフッ!!


守里: …


中位A: ww、いつまで立ってられるか、賭けるか?


中位B: 俺、あと10発。


中位C: なら、俺は…残り15発だな。


中位A: おいおい、もうこんなに血をダラダラ流してんだから、もって7発ってとこだろw


中位B: じゃあ、賭け開始~まず、1発!!


ドスッ


守里: …


中位A: 2発目!!


ボコッ!!!


中位C: 俺か…3発目っと!


ドンッ!!



店内の中央で、守里への地獄のような暴力の嵐が降り注いでいる中、壁際に立っている下位構成員達は…



下位f: うわぁ、良いの入ったなw


下位c: だな。


下位g: もう殴られ始めて、20分ぐらいだろ?


下位h: あんなに血流して…そろそろ死ぬんじゃね?w


下位i: にしても、あんな木偶の坊に負けたとか、お前雑魚すぎw


下位a: いや、昨日のアイツはマジで強かったんだって…でも、何故か今日は…



と、観戦していた。



中位B: じゃ、7発目だなw


中位A: おい、それは俺にやらせてくれよw


中位B: 賭けに勝つために、全力で殴るのか?


中位A: まぁもしかしたら、これまで以上に、気持ちは乗るかもだがw


中位C: wやってみろよ。


中位A: おう。さぁ行くぞ…


守里: …


中位A: オラッ!!


バキッ!



全力の蹴りが、守里の左腕に炸裂し、守里は少し横にふらつく。



守里: ガッ……はぁ…


中位B: 残念w、まだコイツ立ってるぞ。


中位A: チッ、痩せ我慢しやがって。


中位C: もうフラフラだけどなw


守里: …



身体中が痛い…

多分、左腕は折れたな…



中位B: 俺は10発だから、あと3発。


中位C: いや~この感じだと、全然耐えるだろ。


中位B: 足狙えば、いけんじゃね?w


中位C: ま、やってみろよ。


中位B: 8発目!


バシンッ!!


守里: っ!!…



もう立つのもやっとな足に、ローキックが入るが…



守里: ふぅ…



なんとか地面に膝をつけることなく、耐える。



中位B: ヒュ~これを耐えんのかw


中位C: 全く。何がコイツをここまでさせるのか、分かんねぇなw



何が?


そんなの、お前らに負けるかっていう気持ちだけだよ。


たとえ、僕が倒せなくても、勝てなくても…

負けない。



守里: …


中位C: じゃ、9発目行きま~すw


中位A: ……いや、賭けは終わりだ。


中位C: あ?


中位B: 自分が負けたからって、それは無いだろ。


中位A: もう、コイツが立ってられるかとか、くだらねぇことは、どうでもいい。俺はとにかく、コイツのこの目が気に食わねぇんだ!


中位B: ふ~ん、まぁ、元はお前の獲物だし、どうぞ。


中位C: 結構楽しんだしな。それに俺らは、コイツの女で遊べれば良いし。


中位A: なら少し待ってろ。コイツの目を死なせるから…


守里: …


中位A: w覚悟しろ!!


バタンッ!



そう叫び、中位Aは守里を掴み、床に叩きつけ、マウントポジションをとる。



守里: 負けて…たまる…か…


中位A: まだ、そんなことを言う気力が残ってるとはなww…すぐに使い果たさせてやるよ!!


ドンッ!!ドスッ!!バコッ!!…



その後、部屋の中は、肉を殴る音だけが響き続けた。


◇◇◇


下位b: …本当に良いのか?


陽芽叶: …


下位b: 君、このままだと、何をされるか…


陽芽叶: いいから連れて行って下さい。守里の所に。


下位b: …



数人の下位構成員の後ろについて行く、下位bと陽芽叶。



下位b: ふぅ…私は、君のような高校生…しかも、修学旅行生を巻き込むのは嫌なんだ。


陽芽叶: …


下位b: おそらく、君達は自由行動中なんだろうが、そんな君達を連れ去った場合、すぐに教師が動き、一気に大事になってしまう。まぁ、どちらにせよ、未成年をターゲットにした場合も、すぐに親が騒ぎ立てるから、大事になる。


陽芽叶: で、何が言いたいんです?


下位b: だから、君のような子供じゃなく、独り身の大人をターゲットにすれば良いのにって話だよ。


陽芽叶: アンチが何を言ってるんですか…


下位b: …君、アンチのことを知ってるんだね。

陽芽叶: だって、昨日、仲間の人が誇らしげに言ってたでしょ。


下位b: いや、そういう事じゃなくて…


下位d: おい、ついたぞ。


下位b: あ…


陽芽叶: ここに守里が…


下位e: さっさと入るぞ。



と、守里のいる建物に、陽芽叶達が到着したところで…



椎名 T: 伊藤陽芽叶ちゃんを発見。それと、守里がいると思われる建物も発見。至急向かって。



その様子を、向かいのビルの屋上から見ていた椎名が、本部と森田に情報を伝える。



椎名 T: 私はこのままここで、建物内部の情報を探る。頼んだわよ。



ピ



椎名: ふぅ……私が弱いことを、ここまで悔やむ日が来るとは。守里…私の唯一の友達…どうか無事でいて…


◇◇◇


守里: ハァハァ…


ボコッ!!!


守里: ブハッ…

 

ビチャビチャ


床に血が飛び散る。



中位A: 良い顔になってきたじゃねぇかw


バコッ!!


守里: …ハァハァ…


中位B: そろそろ意識も飛ぶんじゃね?w


中位C: おいおい、意識を飛ばすのはダメだぞ。女を呼べなくなるから。


中位A: 最悪、コイツ殺すから来いって言ったら来るだろ!


ボコッ!!


守里: ブフッ……ハァハァ…



ヤバい、意識が…


ガチャ



中位B: お…来たか。


中位C: 成果は?


下位d: 1人には逃げられましたが、1人は連れて来ました。


中位B: ま、良いか。こっちに連れて来い。


下位d: はい!入れ!


陽芽叶: …


中位A: wwほら、来たぞお前の女が。顔見せてやれ。



そう言って、中位Aは守里の上から退く。



守里: …ハァハァ…


陽芽叶: っ!!!



白い床に飛び散っている赤黒い跡と、その上に横たわる傷だらけの守里を見た陽芽叶は、息を呑んだ。



中位A: ほう~ツインテールの方が来たか。どうだ、イケメンだろ?コイツw


陽芽叶: …


中位C: 怖がって、何も言えないのかなw…まぁ、しょうがないよね。

 
中位B: さ、俺と楽しいことしようぜw



気持ちの悪い笑顔を浮かべた中位構成員の2人が、立ち尽くしている陽芽叶の肩に手を回す。



守里: っ!!ひ、陽芽叶…さん……


陽芽叶: …


中位A: 感動の再開だなwwまぁでも、女が来たんなら、お前は用済みだし、女の方は俺らの遊び道具になるんだから、すぐにお別れだけど…なっ!!


ドスンッ!!



思いっきり、守里の腹を踏みつける。



守里: グアッ!!!!


中位B: 見てみろよ、お前の男。あんな感じで、何も抵抗しないんだ。だらしねぇよな~あんな奴より、俺らの方が…


陽芽叶: スゥー


中位B: あ?


中位C: どうした…


陽芽叶: 守里!!!僕を守って!!!


守里: っ!!!!



陽芽叶の叫びが、守里の頭を貫く。




カチ





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