ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第7章 文化祭編

第233話「大事なスタートダッシュ」

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正門受付前


文化祭が始まり、受付からどんどん人が流れ込んで来る。

平日ということもあり、学生はほとんどおらず、地域の人々や、学校の卒業生、そして生徒の家族らしき人などが多かった。



「3年2組、粉物ランドです!!!その名の通り、お好み焼きやたこ焼き、もんじゃ焼きから、パンケーキまで、たくさんの粉物を提供してます!!!お昼にピッタリなので、外で遊んだ後は、是非中央の校舎3階まで来てください!!!」



「3年1組のガチ遊園地です!!コーヒーカップやバイキング、そしてスリル満点のジェットコースターもあります!!第1グラウンドでやってます!!」



「3年3組は、読書喫茶です。計30000冊の本を揃えています!!本と共に、落ち着いた空間でゆったりとした時間を過ごしませんか?図書室でお待ちしてます!!」



正門前では、宣伝をする生徒の声が飛び交う中、3年生の声がよく響いており、持っている看板も一段と大きく、お客さん達の注目を特に集めていた。



美月: やっぱ、3年生凄い…


飛香: 初日のこの時間が、どれだけ大切か分かってるんだよ。


美月: よし、私達も負けないように頑張ろう!!


飛香: うん…(仕事仕事仕事仕事………よし。)


美月: 2年1組、執事&メイド喫茶です!!!


飛香: お好きな執事やメイドを担当に選び、美味しい料理を食べ、至福の時間を過ごせます!



大声で人混みに向かって呼びかける。



祐希: う~ん、前が見えない…


執事(宣伝): 神田さん、これ乗って。



用意していた踏み台を、祐希の前へ。



祐希: わっ、ありがとう!これで祐希も……スゥー…2年1組!!!!執事&メイド喫茶です!!!!!



更に、日向子並の大声が響く。



美月: 中央の校舎の2階です!!是非いらしてください!!


飛香: 待ってます!!!


祐希: 来てーー!!!!!



そう3人が一生懸命呼びかけていると…



「見て見て、あの子達、めちゃくちゃ可愛いんだけど。」


「え、やっば……中央の校舎の2階か…」


「私達もメイド喫茶やったけど、アレは…レベルが違い過ぎる笑」


「ねぇ、行こうよ!」


「メイドがあれってことは、執事も期待できる…」



注目が、2年1組の宣伝にも集まる。



メイド(宣伝): 行こう。


執事(宣伝): うん。



それを確認した3人以外の宣伝担当は、興味を持った様子を見せた人々に、チラシを配り始める。



メイド(宣伝): 2年1組の執事&メイド喫茶です、お願いします。


女性: これって、指名制なんですか?


メイド(宣伝): はい。入店の際に写真を見て、お好きな執事かメイドを1人、選べますよ。


執事(宣伝): 執事&メイド喫茶です。


男性: あ、あの、あの子達みたいな子もいます?


執事(宣伝): はい。色んなタイプのメイドがいます。それと、あの3人は、今日は12時から14時まで、お店にいます。



「12時…お昼時からか…」


「絶対行く!ねぇ、私にもそのチラシを!」


「おっふ…」



美月: 執事&メイド喫茶です!!


女性: あ、あの、握手してもらえませんか?



1人の女性が一歩を踏み出し、呼びかけをしている美月の前へ。



美月: えっと…チラッ


飛香: …ブンブン



首を横に振る飛香。



美月: ごめんなさい。ここだとちょっとアレですし…


女性: す、すみません…



明らかに落ち込んだ顔をする女性。



美月: でも、お店だったらできるので、お姉さんを待ってますね♡


女性: は、はぁ///……行きます!!絶対行きます!!では!!



慌てた様子で、その場から去って行く。



美月: これでOK?


飛香: うん。上出来。



「おいおい、見たか?あの対応…」


「あぁ…あれは、プロだったな。」


「うっわ、俺も目の前で受けてぇ!」



飛香: お願いしまーす。(人が多い…)



「あっちの小顔の子の冷たい目……ゾクゾクするんだが…」


「隣の子とは、また別タイプなんだろ。」


「S…か?」



祐希: 皆さん、是非来てくださーい!!!!



「クッ…なんだあの、キラキラとした純粋な目は…俺みたいなのが近くにいて良いのか…」


「か、可愛い…他2人と違う、小動物的可愛さだ…」


「あの子が、一生懸命仕事をしている所を想像するだけで……グフッ…心に刺さる…」



と、先程の美月の対応をきっかけに、更に3人への注目が高まるのだった。




一方、同じ頃、教室では…



東野: みんな、そろそろ校舎にお客さんが入ってくるから、気合い入れて!!



「はい!!」



守里: ふぅ…


料理女子1: 緊張してるの?


守里: ま、少しね。今は集中してる。


料理女子1: 笑、最初からそんなに人は来ないだろうから、気楽にいけば良いんじゃない?力入れ過ぎると、最後まで持たなくなっちゃうよ。守里君は今日1日仕事なんだし。


料理女子2: 確かにそうだけど、最初からそんなに人が来ないってことはないと思う。


料理女子1: え?


料理女子2: さっき、外の宣伝にいく子達に、美月と飛香と祐希がついて行ってた。


料理女子1: ほんと?


料理女子2: うん。ってことはさ、宣伝効果は抜群だよ。


料理女子1: …ゴクン……だね。


料理女子2: 森崎君は、3人の宣伝効果が分かってたから、そうやって集中してるんでしょ?初っ端から、たくさんお客さんが来る可能性を考えて。


守里: う~ん、考えるっていうか、信じてかな。3人だったら、絶対に上手くやってくれるって信じてるし、何より、こんな良い店なのに、お客さんが来ないわけないじゃん笑


料理女子2: 笑、さすが。


料理女子1: だよね…そうだよね!私も集中して、気合い入れないと!!みんな、頑張るぞ!!



「おう!」


「頑張ろう!!」



ガヤガヤ



守里: あ、お客さんが来たみたい。みんな準備して!


料理女子2: う、うん…(耳良すぎでしょ。私には全然分かんないんだけど……まぁ、森崎君が言うんなら…)



「お帰りなさいませ、ご主人様。」



壁の向こうからメイドの声が聞こえる。



料理女子2: …すご。


料理女子1: この声は、陽芽叶かな?


守里: さ、頑張るよ!



こうして、執事&メイド喫茶が動き出した。


◇◇◇


1組教室



春時: チョコレートパフェでございます。


女性: ありがとうございます。(写真でもカッコよかったけど…直で見ると、更に……って、そういえば…)


春時: …それでは、ごゆっくり…


女性: あ、あの!


春時: どうかされましたか?お嬢様。


女性: 頼んだら、あ~んしてもらえるって、本当ですか?


春時: はい。お嬢様がお望みであれば。


女性: じゃあ、お願いします!


春時: 笑、それでは失礼します。



スプーンを取り、パフェを一口すくう。



春時: お嬢様、お口を。


女性: は、はい///(恥ずかしい…)


春時: どうぞ。


女性: パクッ…


春時: どうですか?


女性: とても、美味しいです///


春時: それは良かったです笑ニコッ…では、ごゆっくりお過ごしください、お嬢様。


女性: …///(またなんか頼も。)




執事(受付): では、担当の執事かメイドを1人、お選びください。


男子生徒1: おい、雅史にしようぜ笑


男子生徒2: いや、このチャンスを無駄にするとか、お前はバカか?


男子生徒3: そうだぞ…こ、ここは…ゴクン……みんなの太陽にするべきだ。


男子生徒1: ……分かってるよ、そんなこと……だが…恥ずかしいじゃないか!


男子生徒2: お前……みんなで一緒に行けば、大丈夫だ。


男子生徒1: …あぁ。


男子生徒3: じゃ、じゃあ、南雲日向子さんでお願いします。


執事(受付): かしこまりました。少々お待ちください。


男子生徒1: ふぅ…


男子生徒2: そうだ、心を落ち着けろ。興奮し過ぎると、せっかくの時間を存分に楽しめないから。


男子生徒3: …あ~緊張してきた!!


男子生徒2: お前も落ち着けって……ゴクン


男子生徒1: だって、みんなの太陽なんだぞ。特に、俺ら男子バスケ部からしたら、南雲さんなんて光り輝くアイドル…


日向子: お帰りなさいませ!!ご主人様方!!


男子生徒1: っ!!!!!は、はい!


男子生徒2: か、かわ、かわ…


男子生徒3: やっばボソッ…


執事(受付): D席にお願いします。(こりゃダメだな笑)


日向子: はい!では、こっちへどうぞ!!


男子生徒1: ひゃい!!


男子生徒2: …


男子生徒3: ほ、ほら、行くぞ……って、お前が固まってどうすんだ!


日向子: ん?大丈夫ですか?ご主人様。



1人その場で固まってしまった男子生徒2を見て、日向子は心配し、至近距離から顔を覗き込む。



男子生徒2: /////////……プシュー


日向子: え?


男子生徒3: あ、えっと、その…コイツは俺らで支えるんで、席に行きません?


男子生徒1: そ、そうです!お願いします!


日向子: 了解です!!では、こっちへどうぞ!ご主人様方!!



完全にやられた男子生徒2を見た2人は、自然と冷静になり、倒れかけた男子生徒2をすぐさま支え、日向子の後について行き、席に座る。



日向子: こちらがメニューになります!ご注文がお決まりになったら、このボタンを押してお呼びください!!それでは、失礼します!!



お辞儀をして、日向子は別のお客さんさんの所へ。



男子生徒1: おい、大丈夫かよ。


男子生徒2: あ、あぁ…


男子生徒1: あれはヤバかったろ。俺だったら、絶対そのまま天国に行ってた。


男子生徒2: うん。俺も、白い羽根が生えて、頭の上に輪っかがある、めちゃくちゃ可愛い南雲さんが見えたよ…


男子生徒1: そうか…


男子生徒3: …よし、注文を決めよう。


男子生徒2: そうだな…って、確か1000円以上頼んだら、ゲームができるんだよな?担当のメイドさんと。


男子生徒1: ってことは、南雲さんとゲームを…


男子生徒3: 頼むぞ。たくさん。3000円分。


男子生徒2: おう。




青春ど真ん中な男達の奮闘は続く。




to be continued



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