ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第7章 文化祭編

第243話「赤い宝石の正体」

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特別教室校舎3階



川嶋: ハァハァ…


飛香: 笑、なんとか意識を失わずに、外に出れたね。


川嶋: 怖かった…怖かったよ!!



梅澤に頼まれて、川嶋を連れ、お化け屋敷の中を回った守里達は、満足気な表情を浮かべて仁王立ちをする梅澤に見送られ、お化け屋敷を出た。



飛香: 志帆の驚き顔は、最高だったよ笑


川嶋: クッ…この悪魔め!


飛香: 悪魔?私が?


川嶋: うん!


飛香: そんな称号、私よりも相応しい人がいるでしょ。ね?守里。


守里: ま、まぁ…



「誰が悪魔だって?」



守里: はっ!!…いや、ノーコメントで。


飛香: 笑


日向子: いや~楽しかったね、お化け屋敷!


春時: 日向子は驚いてはいたけど、志帆と違って、ずっと笑顔だったな。


日向子: だって、面白かったもん!


川嶋: 考えられない…


飛香: もう1回入る?笑


川嶋: 入らないよ!


守里: 笑、それで、香蓮の頼み事は無事クリアしたわけだけど、次どうする?


春時: 俺はそろそろ、仕事に戻らないとだから。


守里: おっと、もうそんな時間か。


春時: あと、七星先輩が言うには、あと5分ぐらいで、守里に何か起こるんだろ?笑


守里: 忘れようとしてたんだから、思い出させないでよ笑


日向子: 何が起こるんだろうね!



ピンポンパンポーン



春時: あ、これじゃないか?


守里: …ゴクン…




自分の身に何が起こるのか、という不安に、守里が固唾を飲む中、放送が始まる。



「さぁ、とうとうこの時間がやってきました…」



飛香: これは、櫻宮先輩の声だ。


川嶋: 会長様…



「生徒会プレゼンツ、宝探しゲームのお時間です!!」



守里: 宝探し?


日向子: お宝、お宝!!



「では、早速ルール説明に移りますが、まず、このゲームへの参加条件は、ICFカードを所持していること。ということで、文化祭に参加している全員が、このゲームに参加できます!!」



日向子: やったーー!!!私もできる!!


春時: それって、シフト入ってる人もなのかな?笑


飛香: ICFカードは持ってるんだし、大丈夫でしょ。まぁ、宝探しはできないけど笑



「ゲームのクリア条件は、私達がこの学校内に隠した5つの宝石のどれか1つを、今から1時間以内に、第1体育館にいる私のところへ持って来ること。」



守里: っ!!



宝石ってまさか…



春時: うわぁ…なんか、カオスな状況になりそう笑


飛香: 何百人という人が、その5つの宝石を探し始めるんだからね笑



「どれか1つだけで良いですからね!つまり、5人だけがゲームをクリアできます。そして、ゲームをクリアした方には、私達が用意した景品があります!!」



日向子: 景品だって!何だろう?!!


春時: 生徒会が用意した景品とか…



「貰える景品は、持ってきた宝石の種類によって違っていて、学業成就の力を持つ青の宝石は、図書カード5万円分。恋愛成就の力を持つ赤の宝石は、某テーマパークのペアチケット。」



春時: 恋愛成就だってよボソッ


飛香: うっさい。(赤の宝石…)


守里: …



これ、確定じゃん。

ってことは、宝石を失くさないようにって、奪われないように逃げろってことだったのか。



「無病息災の力を持つ緑の宝石は、有名所の温泉旅行券。金運上昇の力を持つ黄の宝石は、新屋山神社への旅行券。運気上昇の力を持つ白の宝石は、生徒会役員全員が褒めてあげる券です!」



春時: なんか、白の宝石だけ毛色が違うんだが笑


川嶋: 白白白白白白白白白白白白白…



「皆さん、どの宝石を探すかを今のうちに決めといてくださいね。これから、それぞれの隠してある場所についてのヒントを言っていくので。」



日向子: みんな、どれ探すの?!


春時: 俺は仕事だけど、一応、緑。


川嶋: もちろん白!!


飛香: 私は…


春時: 赤だろ笑


飛香: …


日向子: あっしゅん、私と一緒じゃん!!


飛香: え、日向子もなの?


日向子: うん!だって、遊園地のチケットでしょ?!


春時: そこか笑。で、守里は?


守里: …僕は…あ…おかな。青!


春時: 図書カード5万円分だな。何気に嬉しいよな、あれ。


守里: うん。



「決まりましたか?!それでは、隠してある場所のヒントを一度だけ言います。ちなみに、各宝石の効力と景品、場所のヒントは、第1体育館前の掲示板に貼ってあるので、聞き逃した!とか、忘れた!っていう方は、そちらの方をご確認ください。」



日向子: スタートダッシュをきめるには、この1回だけのヒントを聞き流さないようにしないと!



「順番に言っていきます…『ありとあらゆる知識が眠る地の番人が、青の宝への道を示す。』『混沌の台風の中心にいる韋駄天が、赤の宝を握る。』」



日向子: 混沌の台風の中心?


飛香: 韋駄天…


守里: …青の宝石は、知識が眠る地の番人に教えてもらうのか。じゃあ、早速僕は、行ってくるよ。バイバイ!!



そう言って、守里はどこかに走って行った。



春時: お、おう…って、もう見えない…


日向子: 相当、青の宝石が欲しいんだね!


飛香: 韋駄天ってことは、仏教の神様…いや、ここは単純に足の速い人かな…


川嶋: (混沌の台風の中心…台風の目にいる……この混沌について、文章中で何も示すものがないってことは、既に何かしらのヒントが別で出ているはず……赤の宝石は恋愛成就の力……恋愛の混沌?…)



ガヤガヤ



春時: 他の人達も、一気に動き出したな笑


川嶋: (恋愛の混沌の台風の中心にいて、足が速い韋駄天…ってそういえば、昨日も韋駄天って文字を見たような………あ、分かった。学校一足が速いって紹介されてて、恋愛の混沌の台風の目にいる…複数人の女性に好意を向けられているものの、それに自分自身では気づいていない人。まぁ、まだ推測に近いけど、あの反応を見ると…)


日向子: でも、どっちにしろ、誰かが赤の宝石を持ってるんだよね!!


飛香: …まさか、手当り次第に、宝石を持ってないか聞こうとか思ってる?


日向子: 正解!!


川嶋: 笑


春時: 無謀だよな笑


川嶋: あ、いや……よし、春時。戻ろ。


春時: え?


川嶋: もうそろそろ戻らないとヤバいよ。


春時: 確かにそうだが……白の宝石は良いのか?


川嶋: 笑、もう白の宝石の場所は分かったし、私は宝石をゲットして、第1体育館に行ってから、戻るつもりだから。


春時: え、マジ?さすがだな。じゃあ、誰が赤の宝石を持ってるかも、分かったのか?


川嶋: もちろん笑


飛香: え?ちょっ、教えて!


日向子: 教えて!!!


川嶋: だ~め笑。こういうのは、自分で解かないと。


飛香: チッ


川嶋: でも、飛香ならすぐに分かると思う。


飛香: …


日向子: 私は?!


川嶋: う~ん、日向子も頑張ればいける…かな?笑


日向子: 分かった!頑張る!!


川嶋: じゃ、そういうことで。春時、行くよ。


春時: おう。後から、俺にだけは教えてな笑


川嶋: 笑、気が向いたらね。


飛香: 韋駄天…混沌…赤い宝石…ブツブツ


日向子: 誰が持ってるんだろうな~



そうして、川嶋と春時が仕事に向かい、飛香と日向子は赤い宝石を見つけるために、必死に頭を動かすのだった。




守里: …



「赤の宝石は誰が持ってるんだ!」


「緑の宝石を探してみない?」


「一旦、ヒントを見直したいから、第1体育館?に行こう。」



守里: ふぅ…



宝石の1つ、赤の宝石を所持している守里は、息を潜めつつ、どこか良い隠れ場所がないか、学校中を歩き回っていた。



ほんと…やってくれたな、櫻宮さん。


まさか、このおもちゃの赤い宝石が、こんなことに使われるなんて。


どこが、全然楽な仕事なんだよ。

宝石を狙う人達から、1時間も逃げ回らないといけないんだぞ。

めちゃくちゃに大変な仕事じゃん!


もう、いっその事、誰かに渡すか、自分で櫻宮さんのところに持ってってやろうか…


…よし、一言文句を言いに、櫻宮さんのところに行こう。

あの場所のヒントが解かれない限りは、僕が追われることはないだろうから、今のうちだ。



そう考え、守里はそれとなく周りを警戒しつつ、急いで、第1体育館に向かうのだった。





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