ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第7章 文化祭編

第269話「皆で見る花火」

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教室を出た春時と祐希は、守里を探していた美月、飛香、陽芽叶、紗耶、珠美、そして日向子に、すぐ囲まれた。



春時: おぉ、日向子も探してたんだ。


日向子: うん!楽しそうだったから!


春時: そうか笑


美月: で、どういうことなの?


春時: どういうことって?


美月: 守里が七星先輩と一緒にいるってこと!


春時: 別にそのままの意味だけど…


飛香: それは、どっちの意味で言ってんの?って聞いてんの。


春時: 笑、七星先輩の仕事を、守里が手伝ってるって方の意味。


日向子: なんだ、そうだったのか!!


祐希: モグモグ


飛香: ……じゃあ、今はどこに?七星先輩がいそうな、生徒会室や3年2組の教室、イラスト部の展示があった教室とかには、いなかったけど。


春時: そういえば、今回の文化祭に協力してくれたところに、お礼を言いに行くって、ちょろっと言ってたかも、七星先輩。


美月: え~~!!


珠美: 外に…ですか…


紗耶: 兄貴!それ本当なの?!


春時: 多分、そう言ってたと思う。


珠美: 守里先輩と花火見たかった…


美月: 私の計画が~!!


祐希: モグモグ


飛香: …春時、嘘ついてないよね?



春時の目を覗き込んで、そう尋ねる飛香。



春時: もちろん。ほんとの話。


飛香: …う~ん…


祐希: モグモグ…チラッ


春時: チラッ


祐希: …あ、あと、今日、守里はうちに泊まるらしいから。モグモグ


飛香: っ!!!!


美月: え…


紗耶: は?


珠美: うそ!


陽芽叶: …



突然投下された爆弾に、5人は驚き固まった。



日向子: へぇ~久しぶりじゃない?!守里が祐希ちゃんのお家に泊まるの。


祐希: うん。小3の時ぶりとかかな。モグモグ


日向子: 私もそのぐらいだ!また私も泊まりに行っていい?!


祐希: 良いよ~モグモグ


日向子: ねぇ、1つちょうだい!それ!


祐希: はい。モグモグ


日向子: ありがとう!モグモグ…うん!美味い!!


祐希: でしょ?笑


春時: …うん、みんな、そろそろ意識を取り戻せ~



その春時の言葉で、5人の時間が再び動き出す。



美月: はっ!今なんか、ヤバいことを聞いたような…


珠美: 祐希先輩!本当ですか!!


祐希: うん。さっき聞いた。


飛香: …(七星先輩の家に守里が……)


美月: なんて…ことだ……


紗耶: じゃ、じゃあ、今日祐希先輩は、守里先輩と1つ屋根の下で寝るってことですよね?


祐希: まぁ、そうなるかな、モグモグ


美月: っ!!!…ちょっと祐希…独占はダメだよ!


春時: 笑、少なくともそのセリフは、毎日同じ家で暮らしてる美月が言うことではない。


紗耶: ほんとですよ!!


珠美: 美月先輩、欲張りです!!


美月: なっ!…で、でも、いつもいる守里がいないってことに、耐えられないの!!


春時: 笑、修学旅行でそれは経験済みでしょ。


美月: クッ…と、とにかく、祐希と…いや、七星先輩が1番ズルい!!今も、守里を独占してるんだから!!


春時: じゃ、そういうことだから。美月は、守里が祐希の家に泊まることを、家族に伝えとくんだよ。


美月: いやだ~守里~!!


祐希: 日向子、向こうにもっと美味しいのがあったよ。モグモグ


日向子: ほんと?!食べる!!


紗耶: はぁ…紗耶は自分の教室に戻ります。


珠美: 珠美も…


陽芽叶: …私は、もうちょっと校内を歩き回ってみようかな。


飛香: ……


美月: どこなの~守里~!!



こうして、1組教室前の廊下には、悲しげな表情を浮かべる飛香と、駄々をこねる美月が残った。



飛香: はぁ……上手くいかないもんだね、美月。


美月: う~~はぁ……そうだね。おかげで私の、後夜祭の花火でドキドキ作戦もパーだよ。


飛香: 笑、何その作戦名。ダサ。


美月: ひっど笑……じゃあ、飛香の作戦はどんな感じだったの?


飛香: 教えないよ笑


美月: え~せっかく、私の作戦も教えようと思ってたのに~


飛香: 別に教えてもらわなくて良いよ。美月の作戦は参考にしないから笑


美月: なんで?笑


飛香: だって、私と美月は真反対に近いじゃん。だから、美月の作戦と似たようなヤツを、私がやっても変なんだよ。


美月: ふ~ん…私はそう思わないけど。


飛香: 絶対に変だって。守里も戸惑うだろうし。


美月: あっそ笑


◇◇◇


そして時は過ぎ、本来であれば、みんなが待ち望んでいた瞬間がやってくる。




「3!2!1!」




ヒュー



ドン!!


パパパ!!



たくさんの花火が、雲一つない夜空に打ち上がり始めた。




教室校舎2階

2年1組教室



春時: おぉ、去年よりもすごくないか?


杉浦: それな笑。いくらぐらいかかったんだろ。


璃勇: そんな無粋なことを、今考えるなよ笑


祐希: モグモグ


日向子: うわぁ~!!


川嶋: 綺麗だね~


東野: こんな近くで見れる花火はないね。


秋吉: うん!モグモグ




教室校舎1階

廊下



紗耶: はぁ……守里先輩と見たかったな~


珠美: だね~


菊山: まぁまぁ、まだ来年があるんだから。


新里: そうだよ。せっかくの花火なんだから、落ち込んでないで楽しんで見ないと。


菊山: お、良いこと言うじゃん、優太。


新里: そう?笑


珠美: うん、だね!花火は笑顔で見よう!!


紗耶: たまちゃん…


柿谷: あ、みんないるじゃん。そこからなら、綺麗に花火を見れるの?


菊山: うん、見れるよ。2人もこっちにおいで。


柿谷: ありがと。ほら、さくちゃんも。


桜: うん。どうも。


柿谷: いや~教室だと人が集まってて、中々見えなくてさ笑


菊山: なるほどね笑


桜: 綺麗…


紗耶: そうだね!さくちゃん!


珠美: お!今上がって行ってるの、大きそうじゃない?!


柿谷: どれどれ?


新里: 笑(みんな、楽しそうだな~)


菊山: なに優太は後ろで笑ってんの、前に来なよ。


新里: え?


珠美: そうだぞ!ほら、こっちこっち!


新里: …ありがと笑


柿谷: ニヤッ笑




特別教室校舎

3階

生徒会室



中谷: おぉ~良い感じ、良い感じ。


鹿川: 綺麗だな~!!


倉田: うわぁ…


櫻宮: 笑、あの盛り上がり方だと、みんな楽しんでくれてるみたいだね。


灰崎: ですね笑


櫻宮: ま、守里と一緒に見たがってた子達は残念だけど。


灰崎: …しょうがないですよ。来年はこうならないように努めますから。


櫻宮: うん。頼んだよ、3人とも。


灰崎: はい。


倉田: 任せてください。


鹿川: はーい!


中谷: ほんと、頼もしいね~笑




2年6組のお化け屋敷が行われていた教室



美月: …


飛香: …


梅澤: ……うん、なんでここ?


美月: だって、人いなさそうだったし。


飛香: 案の定、梅だけいたし。


梅澤: はぁ…せっかくの特等席だったのにな笑


美月: 独り占めはダメなんだぞ~


飛香: そうだそうだ~


梅澤: だから、今一緒に見てんだろうが。


美月: 笑、いや~綺麗だね。


飛香: うん。


梅澤: …やっぱ、守里と見たかったか?


美月: …うぅぅ…


飛香: ちょっと梅。せっかく忘れようとしてたのに。


梅澤: あ、ごめん。


美月: 守里~!!!!




実習校舎4階



陽芽叶: 綺麗だな~


葵波: ですね。


麻里: …


陽芽叶: …守里の場所は?


麻里: ……伊衛能病院です。


陽芽叶: やっぱりか。


葵波: 今は神田七星がそばについているはずです。


陽芽叶: うん。


葵波: ですので、安心してお嬢様はご帰宅を。


陽芽叶: お見舞いに行くな、ってこと?


葵波: …はい。


陽芽叶: まぁ、分かったよ。


葵波: どうか、よろしくお願いします。


陽芽叶: …麻里。


麻里: なんでしょうか?


陽芽叶: いるんでしょ?裏切り者が。


麻里: …はい。


陽芽叶: なら、ソイツの排除は早めにね。


麻里: かしこまりました。


陽芽叶: ちなみに、誰が裏切り者かの予想はついてるの?


麻里: はい。今、証拠集めをしています。


陽芽叶: そう。じゃ、私は教室に戻る。


葵波: お気をつけて。


麻里: …



1人で歩いていく陽芽叶の背中を見送る2人。



葵波: …まさか、直也がアンチと繋がってるとはな。


麻里: うん、予想外だったよ。


葵波: いつぐらいになりそう?


麻里: ついさっき、直也の鞄から、灰崎君のタブレットに使われたと思われるUSBメモリを発見したって、連絡が来たから…


葵波: その中身を解析して、他の証拠を集めてってすると…


麻里: 来週の頭にはいけそう。


葵波: そうか…しばらくは荒れそうだな。


麻里: うん。そうだね。




to be continued



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