ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第8章 生徒会選挙編

第282話「裏の生徒会役員」

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守里達がいつメンで昼食を食べていた時に、放送が鳴る。



「2年1組森崎守里君、生徒会室まで来てください。繰り返します、2年1組森崎守里君、生徒会室まで来てください。」



ピンポンパンポーン



春時: おっと…


美月: え~!行かないでよ!守里!


守里: いや、呼び出しは行かないとだから笑


春時: 選挙に向けての手伝いだろうな、用件は。


飛香: さすが裏の生徒会役員笑


守里: え、僕、そんな風に呼ばれてるの?笑


飛香: うん。ね?日向子?


日向子: 璃勇君や雅史君が言ってた!!


守里: へぇ~


紗耶: もういっそのこと、生徒会役員になったらどうですか?


守里: う~ん、僕は今みたいに仕事の手伝いをするだけで、正式に役員になるつもりはないかな。


紗耶: そうなんですか。


守里: だって、僕より相応しい人がいるわけだし。


紗耶: 別にそんなことは…


春時: 紗耶、良いのか?守里が役員になったら、こうやって昼に集まれなくなるぞ笑


紗耶: あ、確かに……守里先輩、ダメです!役員になったら!


守里: 笑、元からそのつもりだって。


飛香: ほら、早く行きな。櫻宮先輩や七星先輩が次の行動をとる前に。


春時: そうだな笑。特に、七星先輩はめちゃくちゃだし。


紗耶: うんうん。


桜: やんちゃんもそう思うの?


紗耶: まぁ、中学の時から知ってるからね。


桜: そういえばそっか。


飛香: さくはまだ分からない?


桜: はい。あんまり会ったこともないので。


飛香: ふ~ん笑……美月はよく分かったでしょ?七星先輩のめちゃくちゃなところが。


美月: よ~く、分かってる!文化祭の時も勝手に守里を連れ出したし、家に泊まらせたし!!


日向子: そうだそうだ!!七星先輩ズルい!!


春時: 笑、そうだな。さ、そんな七星先輩が動き出す前に、守里は行ってこい。


守里: …うん笑



単なる笑顔とは違うような、どこか負の感情を含んだ笑顔を浮かべながら、守里は席を立つ。



飛香: ん?


美月: ?


守里: じゃ、行ってくるよ。


春時: おう、頑張ってこいよ~


日向子: 頑張れーー!!守里!!


紗耶: 頑張ってください!


桜: いってらっしゃい。


美月: ちょっと待っ…


飛香: 美月。



一瞬だけ見えた、守里の表情の違和感に気づいた美月が、歩いていく守里を引き止めようとしたが、同じく違和感に気づいた飛香が、それを止める。



守里: なに?


飛香: いや、なんでもないよ。ね?美月。


美月: …うん。頑張って!守里!!


守里: 笑、了解。



みんなに見送られて、守里は生徒会室に向かった。




生徒会室前



守里: ……ふぅ…


コンコン


「どうぞ。」



ガチャ



守里: 失礼します。


櫻宮: よし、ちゃんと来たね、守里。


守里: はい、呼ばれましたから。


櫻宮: 諦めの表情って感じだね笑


守里: まぁ、用件は何となく分かってましたし、今のここの状況を見たら、確信しましたよ。


櫻宮: お、それなら話が早い。手伝ってくれる?


守里: …僕が手伝うとして、具体的には、何を手伝えば良いんですか?


櫻宮: 生徒会選挙に関する仕事を、主にやって欲しいかな。他の報告書関係や、新生徒会への引き継ぎ関係は各々にやってもらわないとだし。


守里: じゃあ、生徒会選挙関係の仕事だけで良いんですね?


櫻宮: 笑、そこまで念押しされると、逆に他の仕事も…


倉田: 会長。


櫻宮: 冗談だって笑


守里: 櫻宮さん…完全に、倉田さんの尻に敷かれたんですね。


中谷: 1年近く経って、やっとだよ笑


鹿川: え~桃ちゃんは、会長の上に座ってるの?!


灰崎: 惜しい。


鹿川: くっそ~


櫻宮: ……で、手伝ってくれる?


守里: 生徒会選挙に関する仕事だけだったら、手伝います。櫻宮さん達3年生の最後の依頼として。


櫻宮: 笑、最後か~どうしようかな~


倉田: 森崎君、よろしくお願いします。


中谷: とうとうツッコまれもしなくなった笑


櫻宮: ひど~い!


守里: 自業自得ですよ。


灰崎: よろしくね、森崎君。


守里: うん、よろしく。


鹿川: ってことは、守里君は、毎日ここに来るの?


守里: あ、やっぱりそんな感じになりそうな仕事量?


灰崎: そうだね笑。森崎君の仕事をこなす速度にもよるけど。


守里: 笑、灰崎君がそう判断したんなら、僕がどれだけ頑張っても、毎日来ることになりそうだ。


灰崎: もちろん、空いてる時間だけ来てね。無理して来なくては良いから。


守里: 分かった。


櫻宮: 今回は、風紀委員の仕事はそのままで。


守里: じゃあ、放課後に来れるのは、火曜日だけです。


鹿川: え~~今日の月曜日は?


守里: バイト。


鹿川: 水曜日。


守里: 見回り。で、木曜日はバイトで金曜日は見回り。


鹿川: ほんとに他の曜日は全部埋まってる…


中谷: キツくなったら言ってよ。無理させるわけにはいかないし。


守里: あれ、なんか前より優しくないですか?笑


櫻宮: いや~


中谷: えっとね~


倉田: この前、図書委員長に注意されたんです。それで、会長達は少し慎重になってるんですよ。


守里: あ~なるほど、天羽先輩に。


灰崎: あの人、妙に圧があるから笑


鹿川: 噂だと、本を粗末にした人は排除されるらしい…


守里: 笑、排除って、どういう意味?


鹿川: 分かんない。


灰崎: まさかの物理的に、とか?笑


守里: いやいや…


櫻宮: ちなみに絢音は、葵波や愛衣に次ぐレベルで腕っ節があるからね。


守里: マジすか…


灰崎: 絶対に怒らせたらダメなタイプですね笑


中谷: それが分かってるから、僕も麗華もなぁちゃんも、こうして慎重になってるの。ね?なぁちゃん。


七星: うん。そやで。


櫻宮: ってことで、守里にはキツくない程度に手伝ってもらいます!


守里: 了解です笑


櫻宮: さ、じゃあ守里のサポートをするのは…なぁちゃんやる?


七星: …いや、ななは引き継ぎの方が、まだ結構残ってるから無理や。


櫻宮: え?あ、そうなの?…なら仕方ないね。代わりに……桃ちゃんできる?


倉田: 分かりました。


守里: 倉田さん、よろしく。


倉田: はい。では……まずは、森崎君のパソコンを用意しないと、何もできませんから、下の倉庫にあるパソコンを1台持ってきてください。


守里: OK。鍵は…


倉田: すみませんが、職員室にありますので、取ってきてからで。


守里: 職員室ね笑、すぐに行ってくる。



そう言って、守里は生徒会室を出て、職員室に向かった。



中谷: 随分と、スムーズに行ったね。


櫻宮: まぁ、私達の最後の頼みっていうのが効いたんじゃないの?笑


中谷: どうなんだろ笑


鹿川: きっと守里君も、会長達が会長達じゃなくなるのが、悲しいんですよ!!


櫻宮: 笑、そうだったら、なんか嬉しいかも。それだけ、守里にとって、良い会長だったってことだろうから。


倉田: …別に、森崎君にとってだけじゃないです。


櫻宮: え?笑


倉田: 先輩方は、生徒全員にとって、良い会長達だったと思います。


中谷: おっと笑、急に嬉しいこと言ってくれるじゃん。


櫻宮: 桃ちゃんがそういうことを言ってくれるなんて……感激!!桃ちゃん、ありがとう!!


鹿川: あ~~桃ちゃんだけズルい!私も先輩方は最高だと思ってますよ!!


中谷: 笑、後出しでも、まゆちゃんの場合は嘘っぽく聞こえないから、嬉しいわ。


櫻宮: 笑、ありがと。さぁ、あとは謙心だけだけど?


灰崎: 僕ももちろん、そう思ってます。


櫻宮: ……なんか、謙心だけ嘘っぽくない?


中谷: 確かに笑


灰崎: ヒドいですね~笑


櫻宮: なぁちゃんはどう思う?


七星: う~ん…その場しのぎって感じやない?笑


櫻宮: やっぱり、なぁちゃんもそう思うか……なら、ダウト!!


中谷: 残念、謙心。


灰崎: 先輩方がそう思われるのなら、それでかまわないです笑


櫻宮: 張合いがないな~笑


灰崎: 褒めて欲しいんなら、鹿川さんにお願いします。


鹿川: ?…任せてください!!


櫻宮: よろしく笑……ってかさ、なんでなぁちゃんは、守里のサポートを断ったの?せっかく良いパスを出したのに。


七星: 良いパスって笑……余計なお世話や。


櫻宮: ふ~ん…


倉田: さ、皆さん。仕事を再開しましょう。


中谷: だね。


鹿川: 頑張るぞ!


櫻宮: ありがとう、桃ちゃん。じゃあ、みんな。守里と協力して、最後の仕事、完璧にこなすよ。



「はい!」



こうして、生徒会は守里を助っ人に加えて、最後の仕事に取り組んで行くのだった。




to be continued

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