ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第8章 生徒会選挙編

第289話「熾烈な料理対決 part3」

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守里: じゃ、始めようか。



この守里の言葉で、全員が準備を始め、すぐに舞台が整う。



桜: そ、それでは…えっと……


守里: 笑、端折って良いよ。


美月: ダメ!せっかく考えたんだから!


桜: …ならお姉ちゃんが代わりに言って。


美月: しょうがないな~笑


飛香: とか言いながらニヤけてんじゃん。自分で考えた大会名を、ドヤ顔で言いたいだけでしょ笑


美月: そ、そんなことない!こんな歴史的な大会だから、ちゃんとその名前ぐらいは言わないとさ!


守里: もう分かったってば笑。美月、早く言いな。


美月: うん!それでは、第1回"守里の胃袋をガッシリと掴む最高の料理上手決定戦"を開催します!


珠美: おぉー!!


陽芽叶: え、そんな名前だったの?


紗耶: はい、そうですよ…


陽芽叶: なんか…ダサくない?


美月: ん?陽芽叶、今なんか言った?


陽芽叶: ……笑、別に何も。


美月: それなら良かった!ってことで、あとは進行役さん、お願いね。


桜: うん。では改めて、この大会のルールを説明します。



昨日の夜、美月に仕込まれた通りに、今大会の進行役に任命された桜が話し始めた。


今回の料理対決のテーマは、白米に合うおかず。


参加者全員がそのテーマに沿った料理を作り、その料理を審査員が食べる。

審査員は守里、日向子、春時、結真、蓮花の5人で、全ての料理を食べ終わった後、最もテーマに沿っていると思った料理を選択し、1番多く選ばれた料理を作った人が勝利となる。


また、キッチンは黒い布で覆われており、審査員は料理をしている様子を見られないようになっていて、これは、審査員が潜在的にも、作った人で料理を贔屓しないための対策である。

ちなみに、キッチンを覆う黒い布は、この対決の話を聞いて、すごく楽しみにしていた結真が、伊衛能大学の学祭の準備で余っていたものを持ってきたものだ。



桜: よし、まずは料理をする順番を決めますので、皆さんはこちらに来てください。



そう言って、桜が参加者5人を別の部屋に連れて行く。



結真: みんな、頑張ってね~


守里: 料理、楽しみにしてるよ。


美月: 守里~私を応援しててね!!


珠美: 珠美を応援しててください!!


紗耶: さ、紗耶を…


守里: 笑、みんなを応援してるから。


桜: はぁ………皆さん、行きますよ。


陽芽叶: すごい溜息笑


飛香: まぁ、この役も、美月にお願いされて渋々って感じだろうから笑


桜: お兄ちゃんに自分の料理を早く食べさせたいんでしょ?なら、さっさとしないと。


美月: それもそうだ。


珠美: はい!



5人と桜がキッチンに繋がる別の部屋に行き、リビングからはその6人の姿が見えなくなった。



結真: 私達はしばらくの間、待ち時間だね。


蓮花: なら、みんなでゲームしません?!


日向子: お!蓮花ちゃん、ナイスアイデア!


春時: 暇だし、俺もやる。守里と結真さんはどうしますか?


結真: もちろん、私もやるよ。


守里: 笑、僕も。


蓮花: やった!じゃあ、コントローラーを選んでください!



こうして、料理の完成を待つ守里達は、みんなで楽しくゲームをして、時間を潰すのであった。


その一方で、料理を作る側の人達は…



待機部屋



桜: キッチンには、2人分しか同時に料理ができるスペースがないので、じゃんけんで順番を決めてもらいます。1番と2番の人が最初に料理をして、片方が終わったら、すぐに3番の人が入ってって感じです。


美月: よっしゃ、勝つぞ~


飛香: これは勝った順?


桜: いえ、勝った人から好きな順番を決めていってもらいます。


飛香: そっか。なら勝たないと。


陽芽叶: これは、料理をする順番もかなり重要だからね。


紗耶: え、なんでですか?


陽芽叶: だって、最初の料理が、審査員達にとって、それより後に出てきた料理の基準になるわけじゃん。この料理は前のよりも美味しいな、ならこっちにしよう、とかさ。


紗耶: あ、なるほど……


飛香: あとは、後半になれば、審査員達もお腹に溜まってくるわけだから、少し不利にもなるよ。


珠美: おぉ……何番にするのかの見極めが、めちゃくちゃ重要ってことですね。


美月: さっ、順番決めるよ!最初はグー、じゃんけん…



「ポン!」



盛り上がったじゃんけんの結果、勝った順番は、


珠美→美月→陽芽叶→紗耶→飛香


となった。



桜: たまちゃんは、何番目がいい?


珠美: う~ん…1番で!


紗耶: え、1番?


珠美: うん!もうここは、真っ向勝負だ!


飛香: 笑、珠美らしいじゃん。真っ向勝負の意味は、ちょっと分かんないけど。


桜: OK。なら次は、お姉ちゃん。


美月: 私は……笑、5番で。最後に選ぶ時に、1番記憶に残ってる方が有利に決まってるからね。


陽芽叶: へぇ~美月は、そういう考え方か笑


桜: 陽芽叶先輩は?


陽芽叶: 私はとりあえず真ん中。


桜: 3番ですね?


陽芽叶: うん。


桜: やんちゃんは?


紗耶: え~っと……あの、飛香先輩はどっちが良いとかあります?


飛香: 笑、私に選ばせてくれるの?


紗耶: いや、参考にしようかと思いまして。


飛香: 参考ね~笑。私は2番かな。


紗耶: 分かりました。


飛香: まさかの、やんちゃんが2番を奪っちゃうの?いや~そんな悪い子じゃないよね?やんちゃんは笑


美月: その言い方は、もはや脅しじゃん笑


陽芽叶: それな笑。やんちゃんは、強制的に4番を選ばされちゃうよ。


珠美: 飛香先輩、怖いです!


飛香: 笑、さて、どうする?やんちゃん。


紗耶: え~なんか、飛香先輩が悪者になっちゃいますけど、紗耶は4番にします笑


美月: あ~~飛香、ひど~い!やんちゃん、可哀想~笑


紗耶: 笑、別に紗耶が4番になりたくて、そう選んだだけですから。飛香先輩のせいじゃないですよ。


美月: 分かってるって笑。ちょっとイジりたかっただけだよ、飛香を。面白いし。


紗耶: そうですか笑。それなら良かったです。


飛香: いや良くないわ。全然。


桜: じゃ、飛香先輩は2番ってことで、決定した順番は、1番がたまちゃん、2番が飛香先輩、3番が陽芽叶先輩、4番がやんちゃん、5番がお姉ちゃん、です。


陽芽叶: 飛香の後か~~ちょっと嫌かも笑


飛香: 笑、なんで?


陽芽叶: だって、確実に美味しい料理を作るって分かってる人の後は、ハードルが高いじゃん。まぁ、あくまで料理を始める順番であって、審査員達に食べてもらう料理の順番ではないけど。


飛香: ふ~ん笑。ここでは一応、残念でした、って煽っとこうかな。


陽芽叶: 笑


桜: それでは、たまちゃんと飛香先輩はキッチンに行きますよ。他の皆さんはここで待機ってことで。


紗耶: あの、キッチンに様子を見に行ったりはして良いの?


桜: …お姉ちゃん?


美月: まぁ、邪魔にならない程度なら大丈夫。


紗耶: 分かりました!


飛香: 早速見に来るの?笑


紗耶: 行きます!


桜: 移動しますよ~


陽芽叶: 笑、敵だけど、頑張って。


珠美: 頑張ります!


飛香: どうも笑



再び、桜に連れられて、珠美、飛香、紗耶の3人が部屋を出てキッチンに向かい、陽芽叶と美月が残った部屋では…



美月: 待ち時間、何する?


陽芽叶: う~ん、どうしよっか笑


美月: あ、ならさ、陽芽叶の家族旅行の話を聞かせてよ。


陽芽叶: え?(やば…)


美月: 1週間ぐらい旅行に行ってたんなら、色々とあったでしょ。面白そうだから、その話を聞かせて笑


陽芽叶: あーうん、分かった。(一応、旅行の話は考えてきたけど、美月相手に誤魔化せるだろうか…)



思いもよらない、陽芽叶の挑戦が始まったのだった。


◇◇◇


キッチン



桜: 後は、各自で最高の料理を作ってください。どぞ!


珠美: おっしゃ~やるぞ~


桜: ふぅ~


飛香: 笑、一旦、桜の仕事は終わりだね。


桜: もう疲れました。


飛香: なら、桜はリビングでゆっくりしときな。少なくとも、20分ぐらいはかかるでしょ?珠美も。


珠美: はい!


桜: ありがとうございます。そうします。


珠美: さくちゃんも、珠美達の料理を楽しみにしといてね!


桜: 笑、うん。では、また。



慣れない仕事をしたせいか、疲れた顔をしている桜が、キッチンを出ていく。



飛香: さぁ、始めますか。


珠美: まずは冷蔵庫から、色々と取り出さないと!


紗耶: どんなの作るんだろうな~


飛香: 笑、ま、見てて。



バタン


冷蔵庫から必要なものを取り出した飛香と珠美は、早速料理を始める。



紗耶: おぉ、たまちゃんはお魚か。


飛香: やんちゃん的に、見た目からして、この切り身は何だと思う?


紗耶: え、えーっと……サーモン?


飛香: 笑、にしては赤くないでしょ。


紗耶: た、確かに。たまちゃん、その魚は何?


珠美: ん?鯖だよ!鯖。


飛香: ふ~ん……白米に合うもので、鯖を使う料理となると…アレしかないね笑


珠美: 分かっちゃいましたか?笑。飛香先輩。


飛香: まぁね笑


紗耶: で、たまちゃんはお湯を沸かしながら、鯖に切込みを入れてるの?


珠美: うん。飾り包丁っていうらしい。


紗耶: あ、聞いたことある!


飛香: その感じだと、珠美はバイト先の店長さんに教えてもらったのかな。


珠美: はい!この料理も、店長にたくさん教えてもらいました!


飛香: そっか笑


紗耶: 飛香先輩は、玉ねぎをみじん切りにした後、バターで炒めて…


飛香: 私の料理は何なのか予想できる?


紗耶: う~ん、玉ねぎを使う料理……たくさんあり過ぎて、絞りきれないです。


飛香: 笑、だろうね。でも、これが終わったら、何を作ってるかはすぐ分かると思うよ。


紗耶: 何かを、そのフライパンに加えるんですか?


飛香: いや、どっちかって言うと、この玉ねぎを、これから冷蔵庫から取り出したものに、混ぜ込むって感じ。


紗耶: 混ぜ混む?


飛香: まぁ、その前にこれを冷ますっていう工程があるんだけど。


紗耶: バターで炒めた玉ねぎを、一旦冷ましてから、何かに混ぜ込む………う~ん…



こうして、紗耶が2人が作る料理が何なのかを考えながら眺める中、飛香と珠美は料理を一生懸命に続けるのだった。




to be continued



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