ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第9章 飛香編

第329話「七星とのデート part3」

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昼過ぎ


テーマパーク内の料理屋



守里: ……ここまで綺麗に盛り付けというか、デコレーションされていると、こうスプーンを突っ込みにくいよね笑


七星: でも、崩さな食べれんからな。



向かい合って座っているテーブルの中央にある、大きなパフェを前にして、2人はそう会話をする。



守里: あと、思ってたより大きかった。店員さんが持ってきた時に思わず、デカっ!って言いそうだったもん。


七星: もうお腹の中には、名物ステーキが入ってるからな。頑張って食べんと。


守里: ……



壁側に寄せている、食べ終わったステーキプレートを横目で見た後、目の前の大きなパフェを下から上へと見る。



守里: これを言うのは野暮だけど……なんで、このパフェを頼んだの?


七星: いや、デザートは必須やろ。可愛かったし。


守里: 確かに可愛いけど……


七星: まぁ、まさかこんなに大きいとは思わんかったわ。いわゆるメニューに載ってる写真よりも、現物が大きい、逆詐欺ってやつやな。某喫茶店と同じ。


守里: うん………ふぅ……よし、食べよう。


七星: 笑、そんな覚悟決めんとアカンぐらいに、お腹いっぱいなん?


守里: 逆に、なぁちゃんはステーキでお腹いっぱいになってないの?


七星: う~ん……あ、ほら、女の子はデザートは別腹って言うやん。それが発動してるせいか、全然いけそうや。さすがにこれ全部は無理やけど。


守里: それは良かった。僕は正直、もう腹九分目ぐらいまで行っちゃってるからさ。


七星: 笑、そんなに?


守里: なんか、凄いステーキが胃を圧迫してる…


七星: ふ~ん笑。あ、じゃあ、ななが食べさせてあげるわ。


守里: え?



突然の七星の提案に、守里は驚く。



七星: ななが無理やり口に突っ込んだら、守里も食べれるやろ。


守里: そこまでして、僕に食べさせたいわけ?笑


七星: だって、多分これ、カップル用やから、2人分やろ?なのに、守里があんまり食べんくて、なながたくさん食べたら、不公平やん笑


守里: 不公平って……別にここは僕が払うから、気にしないけど…


七星: え、なんで守里が払うの?



次は、守里の言葉に七星が驚く。



守里: それは……こういう時は男の僕が…


七星: いや、それは違くない?このデートに誘ったのはななの方やし、年上やし。


守里: でも……うん、ここは僕に払わせてよ。少しは男を見せさせて笑



真っ直ぐに、七星の目を見ながら、守里はお願いする。



七星: …笑、しゃあないな。ただ、その代わりに、パフェはちゃんと食べてもらうからな!


守里: どういう理屈なの笑


七星: 無理やりの交換条件や。守里がここを払う代わりに、守里もちゃんとパフェを食べる。ってことで、ほら、口開けや。



そう言って、七星は持っているスプーンで、パフェを一口すくい、守里の口の方に持っていく。



七星: あ~


守里: ……あ~パクッ…モグモグ


七星: どや?美味しいか?


守里: …めっちゃ美味い。


七星: 笑、そうか。じゃ、ななも…って、お返しとして、守里が食べさせてくれる?


守里: え、マジで言ってる?


七星: なんや、嫌なん?笑


守里: …別に嫌ってわけじゃないけど……


七星: なら、よろしく。あ~


守里: ……//もう。



口を開けて、あ~んを待っている七星を見て、守里は恥ずかしい気持ちを押さえつけて、パフェをすくったスプーンを、七星の口に運ぶ。



守里: はい。


七星: パクッ…モグモグ……笑、美味しい。ってか、これは文化祭の時を思い出すな。執事の守里にオムライスを食べさせてもらったわ。


守里: あぁ、あの時ね。


七星: またいつか、執事服を着た守里が、こうやってくれることを楽しみに待っとくな笑


守里: いや、やらないよ。


七星: でも、家に執事服はあるんとちゃうんか?


守里: ……ありはするけど…


七星: なら、楽しみにしとくわ笑


守里: 楽しみにはしないで笑、絶対にやらないから。


七星: 笑、絶対にやらせる。さ、食べるペースを上げないと、いつまで経っても食べ終わらんやろうから。はい、あ~



再び、スプーンでパフェをすくい、守里の口元に近づける。



守里: これ、ずっとやる気?


七星: 守里はお腹いっぱいで、自分では食べられへんのやろ?


守里: ……いや、もう自分で食べるよ。


七星: 笑、なんで?


守里: 別に何でも良いじゃん。ほら、食べよ。パクッ


七星: 恥ずかしいんやろ?笑


守里: …モグモグ……//


七星: 笑、まぁ、ええわ。パクッ…モグモグ



守里の反応を見て、満足した七星は、目の前に向けていたスプーンを自分の口に運び、お腹いっぱいで中々、食べる手が進まない守里と共に、楽しく会話をしながら、パフェの完食を目指した。



そんな2人の様子を、朝からストーキングしている飛香と祐希は、少し離れた席に座って、同じく昼食を食べながら見ていた。



祐希: ふぅ~食べた、食べた。


飛香: 全く…食べ過ぎでしょ。


祐希: そうかな?



テーブルの祐希側に置いてある完食済みのステーキプレート2枚を前にして、祐希はそう言う。



飛香: それで、苦しくなってないのが凄いわ。あと、食べる速度も。


祐希: お腹空いてたからね~


飛香: ほんと、よくそれで太らないね。


祐希: 笑、体質かな。


飛香: ずる笑


祐希: 逆に飛香は、それで足りるの?



小さめの白い皿をチラ見して、祐希は尋ねる。



飛香: うん。これからもアトラクションに乗ることを考えると、そんなに食べれない。


祐希: そりゃ残念。


飛香: …………ってかさ、凄い流れるように、あ~んしたよね。七星さんと守里。


祐希: 確かに笑


飛香: …私はあんなに緊張したのに。


祐希: 緊張したんだ笑


飛香: しかも、なに?あの守里の表情。絶対に、私には見せてくれない表情じゃん…


祐希: まぁ…ねぇ~


飛香: ……



◇◇◇◇





守里と七星は、昼食を食べた後も、アトラクションはもちろんのこと、テーマパーク内を練り歩いて、その世界観も楽しみながら、一緒の時間を過ごした。


そして、夕食も済ませ、閉園前のナイトパレードが始まる少し前の時間となった。



守里: パレードが始まるまで、あと30分ってとこか。


七星: せやな。


守里: どうする?パレードを最前列で見るために、もう並んどく?


七星: う~ん……いや、別に最前列じゃなくてええわ。でもパレードは見たいし…


守里: じゃあ、この辺で30分の時間潰しができるところを探そうか。


七星: 時間潰し………あ、アレとか、ちょうどええんちゃう?



そう言って、七星は上の方を見上げる。



守里: アレ?



その、七星が見た方向を守里も向くと、そこには…




to be continued







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