ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第9章 飛香編

第330話「七星とのデート Last part」

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従業員: では、いってらしゃいませ。



ガチャン



守里: 多分、これが1周して、少し経ったらパレードが始まる時間になるね。


七星: ほんと、ちょうどええ、時間潰し……あと、空間やわ。


守里: 空間?どういうこと?


七星: ……守里と2人きりで、ちゃんと話せるような空間ってことや。


守里: っ……そう。



2人は、観覧車のゴンドラの中で、向かい合って座る。


だが、守里と七星は、外の景色を見るのでもなく、俯いて、それぞれの足元を見ていた。



七星: ……


守里: ……


七星: ……ふぅ……こうやって、改めて話をしようとすると、なんか緊張するな笑


守里: …うん。



自分を安心させるためなのか、それとも守里の不安を取り除くためなのか、七星は笑顔のままで、話を始める。



七星: もう、守里も分かってると思うけど、ななが今日、守里をテーマパークに誘ったのは…


守里: ……


七星: 守里にちゃんと謝りたかったからや。


守里: え?



予想外の言葉に守里は驚く。



守里: 謝るって…


七星: …あの、文化祭の後の、空き教室で話したこと。


守里: ……いや、あれは別に……事実だし…


七星: 確かに、ななが防衛団員で、守里の護衛を出会った時からやっとったのは、事実。


守里: …


七星: でも、ななは一つだけ、守里に嘘をついた。


守里: 嘘?


七星: 守里が聞いてくれたやろ?ななにとって、守里はどんな存在なのかってことを。


守里: …うん。


七星: その質問に答える時……まぁ、後夜祭で春時に同じ質問をされて、それに答えた時もやけど……その時、ななは……いや、私は、守里に護衛であることがバレてしまった以上、今の距離感では、危機が迫った時に、仕事を全うできない可能性が高いと思った。



防衛団員の守里の護衛として、七星は話を続ける。



七星: 守里が私のことを護衛として認識していなければ、アンチの魔の手が守里に近づいた時に、守里は私が護衛としてどう動くのかを推測できない。でも、私が護衛だと知ってしまったら、それが推測できてしまう。賢い守里だったら。


守里: …


七星: そして、長く守里と一緒にいたから、守里の性格はよく分かってる。体育祭の時にドッキリを仕掛けて、次期団長になった後に、守里の考え方が変わってないかも確認したし。


守里: 別に変わんないよ。


七星: 予想通りね。それで、もし、本当にそういう状況になった時に、自分を犠牲にしてでも、周りを助けたいと思う、優しい守里なら、護衛として身を呈して守里を守ろうとする私の動きを推測した上で動くでしょ?


守里: …うん。


七星: そうなると、私は守里を守れない。私の動きを推測した守里の動きを、さらに推測して動くこともできはするけど……どちらにしても、守里がより危険な目に遭うことになるのは確実。


守里: …


七星: それなら、守里と距離を無理やりにでも離すことで、守里が近くにいない私の動きを推測しにくいようにし、私が動きやすいようになるべきだと思った。そして、たとえ私が犠牲になっても、守里の心の負担をできる限り減らして、前を向けるようにしないといけないとも思った。


守里: それで…あんなことを?


七星: …うん。守里は護衛対象であり、未来の上司だって言った。そう言った上で、私が守里と距離を取るようになれば、守里の方から近付いてこようとはしないだろうと思ったし。


守里: …でも、事実じゃん。なぁちゃんにとって、僕は護衛対象であり、未来の上司……僕が防衛団の次期団長である限り、それは変わらない。


七星: 確かに変わらないよ。その2つは。でも、私が……ななが答えるべきはそれやなかった。この前、飛香に言われて気づいたんや。ちゃんと、本心を言うべきやったって。



顔を上げ、七星は真っ直ぐに守里の目を見る。



七星: だから、ごめん。あの時、嘘ついて、守里を傷つけて。


守里: いや…………



謝罪を受けた守里は、様々な感情が入り交じる中、七星が言った考えや気持ちを頭で整理し切る前に、今、1番聞きたいことを、七星に聞く。



守里: じゃあ、なぁちゃんにとって、僕はどんな存在?


七星: ななにとって守里は…


守里: …



じっと、七星の目を見ながら、次の言葉を待つ。


そして、ちょうどゴンドラが夜空に最も近くなったところで、その言葉を七星が紡いだ。



七星: 頼りになる幼なじみであり、大好きな親友や。


守里: っ……


七星: 確かに、守里と出会ったのは、防衛団員としてが初めてやったけど、そこから、たくさん話をして、並んで歩いて、遠くに遊びに行ったりもして、お泊まりもして、それぞれの仕事を手伝い合ったりもして……ずっとずっと、一緒に過ごしてきて……防衛団員としての関係性よりも、ただの幼なじみ、友達としての関係性が強くなったんや。


守里: …そっか………それは……


七星: …


守里: 良かった……本当に良かった…



瞳に涙を溜めながら、守里は安心したようにそう言う。



守里: なぁちゃんに、ああ言われた時、僕は、これまで、なぁちゃんがずっと一緒にいてくれたのは、友達として仲良くなったからじゃなくて、僕の護衛だったから……ってことは、仲良くなれたって思ってたのは僕だけで、なぁちゃんは別にそうじゃなかったのか、って思って……正直、悲しかったんだ。


七星: ごめん…


守里: でも、今、なぁちゃんの本当の気持ちを聞けて良かった。ちゃんと、仲良くなれてたんだって。仲良しで頼りになって、大好きな幼なじみだと思っていたのは僕だけじゃなくて、なぁちゃんもそう思ってたんだって、知れて……安心したよ笑


七星: うん…


守里: ……これからも、これまで通り、仲良くしてくれる?



この1ヶ月半の間、ずっと感じていた悲しさや寂しさ、不安といった負の感情を洗い流すかのように、守里は希望を持って尋ねる。


それを受けた七星は…



七星: もちろん。これからも仲良くしよう笑



そう笑顔で答えたのだった。


◇◇◇


ナイトパレード開始直前



守里: う~ん……まぁ、ギリギリ見えるか。なぁちゃんは?


七星: 何とか、人と人の隙間から、って感じやな。でも、十分や。


守里: なら良かった。



無事、仲直りをして、観覧車を降りた守里と七星は、多くの人が並んでいる後ろに立って、パレードの開始を待っていた。



守里: …あ、1つ聞きたかったんだけどさ。


七星: なに?


守里: なぁちゃんと祐希の出身というか、なぁちゃんは関西弁で、祐希は怒った時にだけ福岡弁が出るじゃん。アレは何でなの?ずっと気になってたけど、聞くに聞けなくてさ。


七星: あぁ、それは……まぁ、防衛団の家系やから、かな。ななと祐希は小さい頃に育った場所が違うんよ。


守里: なぁちゃんは関西で、祐希は福岡ってことだよね?


七星: そう。防衛団はな、女性の団員が妊娠したら、ここ…防衛団が守っている伊衛能から、遠く離れた場所で、出産から子供が小学校に入学する前まで過ごすっていう制度があんねん。


守里: そんな制度が…


七星: これは団員とその子供を守るための制度や。防衛団は長らく色んな敵対組織と争ってるせいで、伊衛能で育児をするっていうのは、かなりリスクが高い。敵に顔バレしとる団員は特にな。それで言うと、ななのお母さんは戦闘部やから、まさにその顔バレしまくっとる団員なんよ。


守里: それで、なぁちゃんと祐希のお母さんは、ここから離れた場所……関西でなぁちゃんを産んで…


七星: いや、ななが産まれたのは福岡。


守里: え、そうなの?


七星: うん。祐希が産まれるまでは、ななも福岡でお母さんと一緒に暮らしとったんよ。あ、お父さんは仕事を継続しとっから、ななも祐希も小さい頃は、あんまり会ったことなかったで。


守里: へぇ……で、祐希が産まれるまでは、ってことは、祐希が産まれた後に、なぁちゃんは関西に?


七星: 関西というか大阪やな。お母さんの実家で育てられたんよ。


守里: なんでまたそんな風に……だって、お母さんは祐希を産んで育てなきゃだから、福岡に残って、お父さんは伊衛能で防衛団として動いてるんだから、なぁちゃん1人で、ってことでしょ?


七星: うん。なんや、おばあちゃんも元は防衛団員、しかもゴリゴリの武闘派やったらしくてな。それが中々厳しい人で、自分の娘がちゃんと子供を育てられるわけがない!とか言って、ななを無理やり連れて行ったみたいなんや。その時はまだ、ななも1歳やから記憶はないけど。


守里: それは…ヒドい……いや……


七星: 笑、ありがとう。でも、今になって考えれば、おばあちゃんとおじいちゃんの元で、防衛団員としての色んなことを叩き込まれながら育てられたからこそ、こうやって、守里の護衛に任命されて、ずっと一緒にいれて、仲良くなれたんやで。


守里: そっ…か………じゃあ、つまり、なぁちゃんが小学校に入学するぐらいまでは、なぁちゃんは大阪で、母方の祖父母と、祐希は福岡でお母さんと暮らしてたから、なぁちゃんは関西弁で、祐希は福岡弁ってことね。


七星: そういうこと。ななの記憶にある中で、最初の祐希との出会いは、小学校に入学する直前。やっと家族4人が、あの家で一緒に暮らせるようになって、みんなが引っ越してきた時や。


守里: そうだったんだ…


七星: で、みんながあの家で暮らすようになって、1年が経った後、祐希がななと同じ小学校に入学するタイミングで、守里と出会った。


守里: …笑、校門でいきなり話しかけられた時は驚いたんだからね。


七星: それは、入学式の前で緊張しとるのもあったやろ笑


守里: まぁね笑。いや~懐かしい。突然、おはようって後ろから話しかけられて、日向子と一緒に後ろを向いたら、笑顔のなぁちゃんと、ウトウトしてる祐希がいてさ。


七星: あの日は、入学式やのに、祐希がずっとウトウトして、準備が進まんかったから、かなり焦ったんやで笑


守里: なんか、想像できる笑


七星: もう、あれから10年半とか……時が経つのは早いなぁ~~あんなに小さかった守里も、こんな大きくなって。


守里: 笑、それは、なぁちゃんも同じだよ。


七星: どうや、昔と比べて、可愛くなったか?笑



いたずらな笑顔を浮かべて、七星は隣に立つ守里の顔を覗き込む。



守里: っ!///……か、可愛くなったよ。


七星: 笑、ありがとう。あ!パレードが始まるみたいや!



照れて赤くなった守里の顔が、美しいパレードの輝きで照らされ始める。



七星: うわぁ……綺麗やな。な、守里!


守里: うん//



こうして、守里は目の前に見える輝きを瞳に映しながら、高まる心臓の鼓動を感じ、幸せな思い出をまた1つ、記憶に焼き付けるのだった。





祐希: ……綺麗だね。


飛香: うん……


祐希: ………


飛香: ………ねぇ、祐希。


祐希: ん?


飛香: ……私、決めた。


祐希: …何を?


飛香: 自分の気持ち。


祐希: ふ~ん……


飛香: ………今日、一緒に行動して、ようやく分かったけど……



パレードを見ようと並ぶ人々から少し離れた場所、守里と七星が見える場所に立つ飛香は、隣の祐希を見る。



飛香: アンタもでしょ?


祐希: ……何が。


飛香: …いつまで様子見をするつもりなの?


祐希: ……分かんない。


飛香: ………後悔しないようにね。


祐希: ………あ~お腹空いたな~


飛香: …はぁ………何か買いに行くか。


祐希: うん!



ピロン



祐希: ん……あぁ笑


飛香: どうしたの?


祐希: 何でもない。早く行こ!


飛香: はいはい笑



2人の様子を観察することを辞めた飛香と祐希は、その場から離れ、軽く食べられるものを買い、それを食べ終わった後、2人よりも先にテーマパークを出たのだった。




to be continued
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