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パルメティの街
やらかしました
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「あの……」
「ナニ?」
「あなた本当に女神様……ですよね?」
「ハァ? 見て分からんし?」
分かりません。
「薄情ぅ、信じられんしぃ」
「あの時は姿見せてくれなかったですし……」
「それは、あれだし……」
その口答えに対して初めて自称女神は言い淀んだ。かと思えばすぐに声を荒げてくる。
「姿いったらあんたもナニソレ! あたし喚んだ時はもっとむっさいオジさんだったし! なんでソンナ……ちょっとよく顔見せるし」
女神はホイムに近付くとすぐ隣に立ち、体を向き直らせて正面から彼の顔をジッと見つめた。
「……」
「……あの」
「……」
黙って見つめられることに落ち着かない気分になる。
態度や口調は生意気なギャルっぽいが、女神と言うだけあって顔立ちは美しく、何よりエクササイズ直後の温もりが空気を通じて伝わってくるようだった。
「……ヤバ。めっちゃ好みかも」
「はい?」
「うん。あんたおっさんよりちびっ子の方が全然素敵だし」
ほっぺを両手でぐにぐに弄ばれ、ホイムは顔をしかめた。
しかし案外好意的に受け止められているように思え、今はこの容姿に感謝しつつ、上手く女神と話せるように慎重に会話の言葉を選んでいく。
「気に入ってもらえたのなら何よりですけど……。僕がこうなったのは、フォトナームで苦労したのが原因でして」
「苦労ってなぁに? お姉ちゃんに話ちてごらん」
両手でぐにぐにから熱い抱擁に切り替わる。ジャージ越しでも分かる豊満な胸とぷにぷにのお腹に包まれるし汗の匂いも香しい。
魅了の効果でもあるんじゃないかと思えてしまうほどの魅力は流石女神というところか。
ホイムは流されそうになる意識をしっかりと保ち、お姉ちゃんにこれまでの経緯や出来事を説明していく。
「んん。大変だったしぃ……お姉ちゃんが慰めたげるし」
頭を撫でられ可愛がられ、思わずそのまま堕ちたくもなるが、
「……い、いやいや違う! 僕はそんなことしてもらいに来たわけじゃないんでした!」
体を引き剥がして立ち上がるホイムを不満げで名残惜しそうに見つめる女神だったが、矢継ぎ早に語る彼の言葉には耳を傾けていた。
「今言ったように僕は現在大変困ってるわけでして。フォトナームで生きていけるくらいの強さはいただいてましたけど、最近あった色々な出来事を鑑みて、これじゃあいけないと思いました」
「……要望通りの力はあげたし。それじゃ足りなかったし?」
「そうじゃありません。確かに僕はあの時色んな力をあなたから授かりました。でもそれはよくある思いつきの能力を並べ立てただけで、本当に必要な力ではなかったのです」
「ナニソレ。折角あげたチートいらないってコト?」
「そこまでは言ってませんけど、不必要なものが多かったと思うんです。それなら、今必要なものをブラッシュアップしていく方が僕にはプラスだと感じたんです」
ホイムが女神に会いたかったのはそれを伝えるためだった。
異世界スーパーもアイテムボックスも便利な能力ではあるが、彼女たちと共に強くなるにはもっと違う力が必要……回復術創造だけでは物足りないと感じて進言に来たのであった。
「異世界スーパーも」
「はいはい」
「アイテムボックスも」
「あぁはいはい」
「察知スキルとかアカネさんやルカがいるし」
「はいはいはいはい」
「あとステータス鑑定するスキル」
「いらないチートがどんどんでるし」
「……は役立つから必要か」
「あ…………」
「とにかく、そんなチートスキルばかりでなくて、創造スキルを強くしたり、あと成長がしやすくなる……あってなんですか?」
「なんでもないし」
「なんでもないってことなくないですか?」
急に女神フォトの態度がよそよそしくなったことに目ざとく気付いたホイムは少し食いついて質問した。
目が泳ぎ始めたことでいよいよ何かしでかしたなと思ったホイムだったが、このタイミングでこの反応は問い詰めるのが怖くもあったようで、じっと睨み続けて女神の反応を待った。
「いやつうかあんたの言い方が悪いし。能力いらねって言ってると思うし」
「……つまり?」
「……没収しちゃった」
てへぺろ☆。
ウィンクで本物の星を出す光景に突っ込むこともなく、ホイムは今しがた言われた事を理解しようとしていた。
おそるおそる伸ばす手はかすかに震えている。そのまま、いつものイメージで異世界スーパーを起動しようとするが、反応なし。何も起きない。
アイテムボックスも呼び出そうとするが同じこと。
「どうゆうことでしゅか!」
焦りで口の上手く回らぬホイムが、フォトの肩を両手で掴んでかくかく揺さぶる。その際にステータスを確認しようとしてみても、それができないのは相手が女神という高等な存在だから……などではなく、なくなってしまったからである。
「ナニ?」
「あなた本当に女神様……ですよね?」
「ハァ? 見て分からんし?」
分かりません。
「薄情ぅ、信じられんしぃ」
「あの時は姿見せてくれなかったですし……」
「それは、あれだし……」
その口答えに対して初めて自称女神は言い淀んだ。かと思えばすぐに声を荒げてくる。
「姿いったらあんたもナニソレ! あたし喚んだ時はもっとむっさいオジさんだったし! なんでソンナ……ちょっとよく顔見せるし」
女神はホイムに近付くとすぐ隣に立ち、体を向き直らせて正面から彼の顔をジッと見つめた。
「……」
「……あの」
「……」
黙って見つめられることに落ち着かない気分になる。
態度や口調は生意気なギャルっぽいが、女神と言うだけあって顔立ちは美しく、何よりエクササイズ直後の温もりが空気を通じて伝わってくるようだった。
「……ヤバ。めっちゃ好みかも」
「はい?」
「うん。あんたおっさんよりちびっ子の方が全然素敵だし」
ほっぺを両手でぐにぐに弄ばれ、ホイムは顔をしかめた。
しかし案外好意的に受け止められているように思え、今はこの容姿に感謝しつつ、上手く女神と話せるように慎重に会話の言葉を選んでいく。
「気に入ってもらえたのなら何よりですけど……。僕がこうなったのは、フォトナームで苦労したのが原因でして」
「苦労ってなぁに? お姉ちゃんに話ちてごらん」
両手でぐにぐにから熱い抱擁に切り替わる。ジャージ越しでも分かる豊満な胸とぷにぷにのお腹に包まれるし汗の匂いも香しい。
魅了の効果でもあるんじゃないかと思えてしまうほどの魅力は流石女神というところか。
ホイムは流されそうになる意識をしっかりと保ち、お姉ちゃんにこれまでの経緯や出来事を説明していく。
「んん。大変だったしぃ……お姉ちゃんが慰めたげるし」
頭を撫でられ可愛がられ、思わずそのまま堕ちたくもなるが、
「……い、いやいや違う! 僕はそんなことしてもらいに来たわけじゃないんでした!」
体を引き剥がして立ち上がるホイムを不満げで名残惜しそうに見つめる女神だったが、矢継ぎ早に語る彼の言葉には耳を傾けていた。
「今言ったように僕は現在大変困ってるわけでして。フォトナームで生きていけるくらいの強さはいただいてましたけど、最近あった色々な出来事を鑑みて、これじゃあいけないと思いました」
「……要望通りの力はあげたし。それじゃ足りなかったし?」
「そうじゃありません。確かに僕はあの時色んな力をあなたから授かりました。でもそれはよくある思いつきの能力を並べ立てただけで、本当に必要な力ではなかったのです」
「ナニソレ。折角あげたチートいらないってコト?」
「そこまでは言ってませんけど、不必要なものが多かったと思うんです。それなら、今必要なものをブラッシュアップしていく方が僕にはプラスだと感じたんです」
ホイムが女神に会いたかったのはそれを伝えるためだった。
異世界スーパーもアイテムボックスも便利な能力ではあるが、彼女たちと共に強くなるにはもっと違う力が必要……回復術創造だけでは物足りないと感じて進言に来たのであった。
「異世界スーパーも」
「はいはい」
「アイテムボックスも」
「あぁはいはい」
「察知スキルとかアカネさんやルカがいるし」
「はいはいはいはい」
「あとステータス鑑定するスキル」
「いらないチートがどんどんでるし」
「……は役立つから必要か」
「あ…………」
「とにかく、そんなチートスキルばかりでなくて、創造スキルを強くしたり、あと成長がしやすくなる……あってなんですか?」
「なんでもないし」
「なんでもないってことなくないですか?」
急に女神フォトの態度がよそよそしくなったことに目ざとく気付いたホイムは少し食いついて質問した。
目が泳ぎ始めたことでいよいよ何かしでかしたなと思ったホイムだったが、このタイミングでこの反応は問い詰めるのが怖くもあったようで、じっと睨み続けて女神の反応を待った。
「いやつうかあんたの言い方が悪いし。能力いらねって言ってると思うし」
「……つまり?」
「……没収しちゃった」
てへぺろ☆。
ウィンクで本物の星を出す光景に突っ込むこともなく、ホイムは今しがた言われた事を理解しようとしていた。
おそるおそる伸ばす手はかすかに震えている。そのまま、いつものイメージで異世界スーパーを起動しようとするが、反応なし。何も起きない。
アイテムボックスも呼び出そうとするが同じこと。
「どうゆうことでしゅか!」
焦りで口の上手く回らぬホイムが、フォトの肩を両手で掴んでかくかく揺さぶる。その際にステータスを確認しようとしてみても、それができないのは相手が女神という高等な存在だから……などではなく、なくなってしまったからである。
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