異世界召喚された回復術士のおっさんは勇者パーティから追い出されたので子どもの姿で旅をするそうです

かものはし

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パルメティの街

弄り回されました

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 アカネに言われた通り一人でゆっくりと休養をとったホイムであったが、少し寂しさも感じていた。
 エミリアと別れ、アカネとルカも去り、その後は夕食もぼっちであった。
 アカネが言い残した発言は気になっていたものの、ベッドに寝転がり天井を見つめてのんびりしているとその事も忘れて眠りに落ちていくところである。
 問題がなければ明日にはフラシュに向けて発つことになるだろう。それを踏まえれば食後間もないが、眠りにつくのも……。

「……」

 そこでホイムは本格的に寝入ってしまった。
 冒険の旅路、洞窟の探索、帰路の情事。度重なる疲労と心労は回復魔法で癒えるものではなく、こうして泥のように眠ることで心身を満たすのであった。
 部屋着のホイムがすやすやと寝息を立て始めてからしばらく、彼の部屋の扉が音もなく開いていく。

「……寝た?」
「……寝てますね」

 僅かに開いた戸の隙間から中を窺うのはルカとアカネであった。そのまま床を踏み鳴らすこともなく、獲物を狙う獣と暗殺者のように静かに静かにホイムのベッドへと近付いていく。
 人間体でほぼほぼ下着しかつけていないような格好のルカと飾り気のない寝巻き姿のアカネの二人が、無防備なホイムの寝顔を覗き込んでいた。

「はう……お可愛い……」
「アカネ。よだれ」

 じゅるりと舌舐めずりする二人は、ホイムに気付かれぬよう早速準備に取りかかった。




「うぅん……」

 悪夢にうなされるようにホイムは悶ていた。
 さっきまではとても健やかに眠れていたはずが、次第に体が熱くなり寝苦しさを感じていた。
 とうとう耐えかねて目を開けたところ、そこには真っ暗な世界しか広がっていなかった。

「あれ……?」

 いくら電灯のない部屋とはいえ、窓から降り注ぐ月光や家屋から漏れる明かりで室内が薄っすら照らされてもいいものである。
 そして何も見えないのが、目に何か着けられているせいであると理解するのに時間はかからなかった。

(まさか襲撃……!?)

 そんな馬鹿なと考えるやいなや、耳元で聞き馴染みのある声が囁かれた。

「お目覚めですか……?」
「アカネさん! 一体これ……えぇ!?」

 手探りで彼女を探そうとしたところで、両手首が後ろ手で固定されていることに気が付いた。
 そしておそらく裸にひん剥かれていることも素肌に触れる感触で分かってしまった。

「い、一体何を……?」
「気になさらず。力を抜いてお休みになられていてください」
「こんな状況で休めるわけあひぃ!」

 アカネが耳元で声を出しているにも関わらず下半身に感じる強烈な吸い付き。この感覚……覚えがあるぞと悟った。

「ルカ……ルカもいるの……?」
「ん! んっ!」

 相変わらず口を離すことを知らないルカの生暖かく力強い口使い。視覚を遮られ聴覚はアカネに犯され、いつも以上に感覚が鋭敏に感じられたホイムはいつもとあまり変わらないがあっさりと果ててしまった。

「んん……じゅるるるる!」
「いやん、待ってタイム! ルカダメ!」

 ホイムの泣き言でようやくルカが口を解放し、

「力の素! 美味し……くはない……」

 苦々しい声がするが、どうやら飲み込んだらしい。
 それにしても何故突然無理やり襲われてしまったのか。じんじんと疼く頭の奥と股間を堪えながら、ホイムは声を振り絞った。
「うう……一体何でこんなことを……?」
 嘆くホイムの耳元に、アカネが細やかな吐息とともに優しく告げてくる。
「それは……女神フォトからのお告げが我らにあったのです」
 ふぅ。
 耳をくすぐる吐息のせいで言ってることが半分くらいしか入ってこない。

「女神から……?」

 喋ると今度は口をそっと塞がれた。何をされているか想像するしかないせいで緊張感と興奮が半端ないって状態である。

「ホイム、エミリアといっぱいしたの教えてもらった」
「んむむ……ッ」
(何を教えてるんだあの邪悪な女神は!)

 口を塞がれているので胸の中でそう毒づくことしかできなかった。

「ホイムとエッチ、エミリア強くなる……ルカ達置いてかれる、イヤ!」
「んむぐぅ……ぷはっ」

 アカネから解放され、今度は彼女がその想いを口にした。

「ですから私たちは話し合って決めました。エミリアに置いていかれぬようにホイム様をとことん頂こう……と」
「あはは……そうですか分かりました」

 ホイムは納得した。

「って言うわけないでしょう!」

 わけではなかった。

「それとこの拘束は何の関係が!?」

 それが全然結びつかない。

「言ってくれれば、こんなことしなくっても二人の相手を……」

 彼女らが強くなりたいと望むのならば、ホイムは悦んでお手伝いするのだ。このように束縛する必要はないはずである。

「フォト神が仰るには」

 アカネがまた囁いた。

「ホイム様はエミリアと本番以外の行為をこれでもかとおやりになって非常にお疲れとのことでした」
「何言ってんのあいつ」
「だからホイムはじっと寝てる!」
「後は私たちにお任せください」
「ちょっと違うってこんなの全然逆に落ち着かないから!」
「ほらほら遠慮なさらずに」
「遠慮とかじゃないですってば!」

 必死にのたまうホイムの口を、今度は顔もろとも塞いでくるものがあった。顔の左右に感じるのは、ほどよく柔らかな女性のシンボル。

「ふふふ……まるで赤ちゃんみたいですね」
「……」

 愛おしそうに口走るアカネであったが、ホイムがどことなく物足りない様子であったことを鋭く察した。

「どうかしましたか?」
「……エミリアさんの方が大きく」
「えいっ」

 こきっ。
 アカネとルカの望み通り、ホイムはぐっすりと夢の世界へと旅立った。
 翌朝目が覚めた時には服も着せられ体も綺麗にされて解放されているのだが、体に蓄積した疲れが全く取れなかったのは言うまでもないことであろう。
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