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第40話:重なる手、膨らむ想い
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翌朝。
まだ少しひんやりとした空気の中、店の戸を開けると、石畳の道に陽の光が斜めに差し込んでいた。
(今日は……いつもより少しだけ楽しみ)
胸の奥がじんわりと熱くなる。
昨夜、レオニードと交わした「教えます」という約束が、こんなにも私をわくわくさせるなんて。
開店の準備をしていると、戸口の鈴が小さく鳴いた。
「……おはよう」
低い声。
顔を向けると、そこにはやっぱりレオニードが立っていた。
(今日から本格的に、騎士様にお菓子を教えるんだ)
そう思うだけで自然と頬が熱くなる。
「おはようございます、騎士様」
「……ああ」
いつもより少しだけ落ち着かない様子で、レオニードは店の中を見回し、それからこちらへ歩み寄った。
「今日は……何から始める?」
その真剣な声に、思わず胸がきゅっとなる。
「まずは生地をこねるところからですね」
木のボウルを差し出すと、レオニードは少しだけ眉を寄せてそれを受け取った。
「……この間より柔らかいな」
「今日はバターを多めに使ってるんです。だから力任せにすると潰れちゃいますよ?」
「……優しく、か」
低く呟いて、大きな手でそっと粉を混ぜ始める。
その手つきはまだぎこちなく、力加減を探るように何度も慎重に動いていた。
(でも……なんだか可愛い)
剣を握るときはあんなに強くて頼もしいのに、こうして小さなボウルを前に戸惑っている姿が、妙に胸をくすぐった。
「……こうか?」
「ちょっと違います」
思わずそっと彼の手に自分の手を重ねていた。
大きな手に自分の指を添え、ゆっくりと生地を押し込む。
「力を入れるんじゃなくて、生地を包み込むように……」
「……ああ」
低い声で小さく頷く。
でも次の瞬間、その手がわずかに震えた。
(……触れているだけで、こんなに)
胸の奥がひどく熱くなって、思わず息を浅く吐いた。
ふと顔を上げると、レオニードもじっとこちらを見つめていた。
目が合った瞬間、二人してそっと視線を逸らす。
「……もう一度やってみます」
レオニードがそう言い、小さく息を整えて生地をこね始めた。
先ほどよりずっと優しい動きで、指先に確かに優しさが宿っている。
「……上手です」
そう言うと、レオニードはわずかに口元を緩め、でもまたすぐに顔を赤くして視線を落とした。
(なんで……こんなに嬉しいんだろう)
そっと胸に手を当てる。
心臓は、生地をこねる彼の指先みたいに柔らかく、でも確かに熱を帯びて動いていた。
まだ少しひんやりとした空気の中、店の戸を開けると、石畳の道に陽の光が斜めに差し込んでいた。
(今日は……いつもより少しだけ楽しみ)
胸の奥がじんわりと熱くなる。
昨夜、レオニードと交わした「教えます」という約束が、こんなにも私をわくわくさせるなんて。
開店の準備をしていると、戸口の鈴が小さく鳴いた。
「……おはよう」
低い声。
顔を向けると、そこにはやっぱりレオニードが立っていた。
(今日から本格的に、騎士様にお菓子を教えるんだ)
そう思うだけで自然と頬が熱くなる。
「おはようございます、騎士様」
「……ああ」
いつもより少しだけ落ち着かない様子で、レオニードは店の中を見回し、それからこちらへ歩み寄った。
「今日は……何から始める?」
その真剣な声に、思わず胸がきゅっとなる。
「まずは生地をこねるところからですね」
木のボウルを差し出すと、レオニードは少しだけ眉を寄せてそれを受け取った。
「……この間より柔らかいな」
「今日はバターを多めに使ってるんです。だから力任せにすると潰れちゃいますよ?」
「……優しく、か」
低く呟いて、大きな手でそっと粉を混ぜ始める。
その手つきはまだぎこちなく、力加減を探るように何度も慎重に動いていた。
(でも……なんだか可愛い)
剣を握るときはあんなに強くて頼もしいのに、こうして小さなボウルを前に戸惑っている姿が、妙に胸をくすぐった。
「……こうか?」
「ちょっと違います」
思わずそっと彼の手に自分の手を重ねていた。
大きな手に自分の指を添え、ゆっくりと生地を押し込む。
「力を入れるんじゃなくて、生地を包み込むように……」
「……ああ」
低い声で小さく頷く。
でも次の瞬間、その手がわずかに震えた。
(……触れているだけで、こんなに)
胸の奥がひどく熱くなって、思わず息を浅く吐いた。
ふと顔を上げると、レオニードもじっとこちらを見つめていた。
目が合った瞬間、二人してそっと視線を逸らす。
「……もう一度やってみます」
レオニードがそう言い、小さく息を整えて生地をこね始めた。
先ほどよりずっと優しい動きで、指先に確かに優しさが宿っている。
「……上手です」
そう言うと、レオニードはわずかに口元を緩め、でもまたすぐに顔を赤くして視線を落とした。
(なんで……こんなに嬉しいんだろう)
そっと胸に手を当てる。
心臓は、生地をこねる彼の指先みたいに柔らかく、でも確かに熱を帯びて動いていた。
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