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第十五話 転生者レオナ
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「私……そろそろ大丈夫なので……降ろして下さい」
「うん。わかった」
抱きかかえていたレオナが僕にそう言った。特に重くもないけど、大丈夫だって言うなら無理に抱えてる必要はない。だから僕はレオナをそっと降ろした。
するとレオナは深々とお辞儀をした。
「改めてお礼を言わせてください。一生を救って頂き本当にありがとうございました」
「そんな良いって! 別に偶然通りかかっただけだし……」
あまりこういう事に慣れていない僕は照れて顔を背けてしまった。暫く経ってレオナを見ると、まだ深々とお辞儀をしている。
「ねえ、もういいよ! 本当にやめて?」
僕の制止にやっとレオナが顔を上げてニコリと笑顔を浮かべる。
「かしこまりました! 止めます!」
うぐっ! 可愛い……ってよく見るとイヌミミだし、獣人なのか。銀髪のショートヘアもよく似合っている。
「じゃ、街まで戻ろうか?」
と、二人で並んで歩き出した。
暫く歩いているとレオナが僕に尋ねてきた。
「アインス様は何であそこに居らっしゃったのですか?」
って様付けかー。なんかちょっと嫌だな……メイドとご主人様みたい……
「ってなんで様付けなの? アインスでいいよ」
「ダメです! アインス様は私の一生を救って下さいました! そんな失礼なことは出来ません!」
立ち止まってレオナが大きな声を出した。
うーん……譲りそうにないかも……
「じゃあ、僕はレオナさんでいい?」
「ダメです! レオナにして下さい!」
これも意思が硬そうだ。変えるのは無理かな……
「はぁ……わかったよ……ここはレオナに譲るよ」
僕は一つ大きな溜め息を吐いてから再び歩き出した。
「そうだね……ルーチェ村からの帰りでここを通ったからあそこに居たんだ」
「アインス様はルーチェ村の方なんですね! ってあれ? こっちの山道はもう使えなくなってるはずじゃ……」
ま、だからこっちの山道は人気が全く無いんだけど。
「そうなんだけど、急いで行きたかったから使っちゃったんだ」
「危なくなかったんですか? 以前事故があってから使われなくなったって聞いたんですけど……」
「実はちょっと身のこなしには自信があってね。大丈夫だったよ」
すると荷物の中に潜り込んでいたリアが僕に茶々を入れてきた。
「ちょっと? マスターのちょっとってどれだけよ?」
ま、レオナもいるしほっとくんだけどね。レオナに空間と話す頭がおかしい人だと思われたくないしね……
「え? 何それ……妖精さん?」
レオナが立ち止まって呟いた。
僕も驚いて立ち止まってしまった。
「え? 見えるの!」
レオナはゆっくりと頷いている。どうやらリアの姿が見えるのは間違いないようだ。声も聞こえているみたい。
「じゃあ転生者なの?」
僕はリアに尋ねた。リアはコクリと頷いた。
「うん、転生者だね」
「しかも三十歳以上で童貞ってことなのか……」
レオナの前世は男性だったってことか……
「いや、あれ実は処女でも大丈夫なんだよね」
「ってそうなの?」
「そうそう」
って別にレオナの前世が男でも女でも僕には関係ないな。
レオナを見ると話が理解出来ない様子だった。
「どうしたの?」
「あ、転生者って何ですか?」
「この世界に産まれる前に別の世界にいた人のことだよ」
「別の……世界?」
「そう、別の世界。そこでとある条件を達成して転生すると妖精が見えるようになるんだって」
とある条件とか聞くと偉そうだけど!
「なるほど……なんとなく理解しました」
「しかし、レオナも転生者とは……記憶はないみたいだけど?」
「まあ、普通はそうなんだけどね。あの女神が記憶を制限する操作をしなかったんでしょ」
「ああ、なるほど……」
あのクソ女神は適当にタブレット弄ってたし、リアの言うことは理解出来る。
「つまり、私とアインス様は同じ転生者だけど、アインス様は私と違って特別って事ですね……」
レオナが何度も頷いている。ま、そこを強引に否定するのもな……結構頑固なとこあるみたいだし……普通じゃないのは僕も認めるし……
「ま、そういうことにしとこうか?」
僕は肩を竦めてレオナにそう言った。
「うん。わかった」
抱きかかえていたレオナが僕にそう言った。特に重くもないけど、大丈夫だって言うなら無理に抱えてる必要はない。だから僕はレオナをそっと降ろした。
するとレオナは深々とお辞儀をした。
「改めてお礼を言わせてください。一生を救って頂き本当にありがとうございました」
「そんな良いって! 別に偶然通りかかっただけだし……」
あまりこういう事に慣れていない僕は照れて顔を背けてしまった。暫く経ってレオナを見ると、まだ深々とお辞儀をしている。
「ねえ、もういいよ! 本当にやめて?」
僕の制止にやっとレオナが顔を上げてニコリと笑顔を浮かべる。
「かしこまりました! 止めます!」
うぐっ! 可愛い……ってよく見るとイヌミミだし、獣人なのか。銀髪のショートヘアもよく似合っている。
「じゃ、街まで戻ろうか?」
と、二人で並んで歩き出した。
暫く歩いているとレオナが僕に尋ねてきた。
「アインス様は何であそこに居らっしゃったのですか?」
って様付けかー。なんかちょっと嫌だな……メイドとご主人様みたい……
「ってなんで様付けなの? アインスでいいよ」
「ダメです! アインス様は私の一生を救って下さいました! そんな失礼なことは出来ません!」
立ち止まってレオナが大きな声を出した。
うーん……譲りそうにないかも……
「じゃあ、僕はレオナさんでいい?」
「ダメです! レオナにして下さい!」
これも意思が硬そうだ。変えるのは無理かな……
「はぁ……わかったよ……ここはレオナに譲るよ」
僕は一つ大きな溜め息を吐いてから再び歩き出した。
「そうだね……ルーチェ村からの帰りでここを通ったからあそこに居たんだ」
「アインス様はルーチェ村の方なんですね! ってあれ? こっちの山道はもう使えなくなってるはずじゃ……」
ま、だからこっちの山道は人気が全く無いんだけど。
「そうなんだけど、急いで行きたかったから使っちゃったんだ」
「危なくなかったんですか? 以前事故があってから使われなくなったって聞いたんですけど……」
「実はちょっと身のこなしには自信があってね。大丈夫だったよ」
すると荷物の中に潜り込んでいたリアが僕に茶々を入れてきた。
「ちょっと? マスターのちょっとってどれだけよ?」
ま、レオナもいるしほっとくんだけどね。レオナに空間と話す頭がおかしい人だと思われたくないしね……
「え? 何それ……妖精さん?」
レオナが立ち止まって呟いた。
僕も驚いて立ち止まってしまった。
「え? 見えるの!」
レオナはゆっくりと頷いている。どうやらリアの姿が見えるのは間違いないようだ。声も聞こえているみたい。
「じゃあ転生者なの?」
僕はリアに尋ねた。リアはコクリと頷いた。
「うん、転生者だね」
「しかも三十歳以上で童貞ってことなのか……」
レオナの前世は男性だったってことか……
「いや、あれ実は処女でも大丈夫なんだよね」
「ってそうなの?」
「そうそう」
って別にレオナの前世が男でも女でも僕には関係ないな。
レオナを見ると話が理解出来ない様子だった。
「どうしたの?」
「あ、転生者って何ですか?」
「この世界に産まれる前に別の世界にいた人のことだよ」
「別の……世界?」
「そう、別の世界。そこでとある条件を達成して転生すると妖精が見えるようになるんだって」
とある条件とか聞くと偉そうだけど!
「なるほど……なんとなく理解しました」
「しかし、レオナも転生者とは……記憶はないみたいだけど?」
「まあ、普通はそうなんだけどね。あの女神が記憶を制限する操作をしなかったんでしょ」
「ああ、なるほど……」
あのクソ女神は適当にタブレット弄ってたし、リアの言うことは理解出来る。
「つまり、私とアインス様は同じ転生者だけど、アインス様は私と違って特別って事ですね……」
レオナが何度も頷いている。ま、そこを強引に否定するのもな……結構頑固なとこあるみたいだし……普通じゃないのは僕も認めるし……
「ま、そういうことにしとこうか?」
僕は肩を竦めてレオナにそう言った。
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