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第二十六話 掃除
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「え? なんでレオナが居るの?」
朝食を取りに食堂へ向かおうと部屋の扉を開けた僕は、驚いてそう声を上げてしまった。なんせ、目の前に居ないはずのレオナが居たのだから。デジャブかな?
「はい! 昨日、迎えに来てってお話を頂いたので……」
「うん。そうだね。それは確かに言った覚えがある。でもさ、二時過ぎって話だったよね?」
「はい、そうですけど……何か?」
さも当然と言った様子でレオナは可愛く首をかしげた。
「で、今は何時かな?」
「今は一時をちょっと過ぎた所です!」
うん! 正解!
「だよねー。って自分で言ってておかしいと思わないの?」
「何がですか?」
この様子じゃ随分前から待っているのだろう。そう思った僕は頭を抱えた。
「……もういいや。朝食、食べてくるよ。ってそうだ! レオナも行こ?」
「いえ、私はもう頂いてますので……」
「じゃあ、中で待っててよ」
「いえ、私はこちらで……二時にお迎えに上がるという約束でしたので」
いや、既にここに居るのなら言ってる意味が……でも、レオナのこの様子じゃ聞かないだろうしな。
「んーこのまま部屋の前に立たせておくのも罰ゲームみたいだし……」
「私は一向に構わないのですが……」
「そういう問題じゃないんだけど……あ、そうだ!」
「じゃあさ、僕のいない間、部屋の掃除をしておいてくれない? ね、頼むよ?」
「ご主人様がそう仰るのであれば……」
最初の指示と違うことに葛藤しているのだろう。レオナは少し困ったような表情でそう答えた。ただ、僕は見逃さなかった。嬉しさからか、耳はぴょこぴょこと動き、尻尾が何度も振られるのを。
「じゃ、お願いね?」
僕はレオナを部屋に押し込み、食堂へと向かったのだった。
「もぐもぐ……どうしたもんかな」
僕はパンを方ばりながらそう呟いた。と言うのも、ここ二日間のレオナの行動について、少し思うところがあったからだ。好いてくれるのは嬉しいんだけど、それで体調を崩されても困るから。ずっとこんな調子じゃレオナも満足に睡眠時間を取れないだろうし……
すると横でふわふわと浮いていたリアが呆れた様子でこう話しかけてきた。
「もう一緒に住むしか無いんじゃない? レオナのお家、部屋も空いてるんだし」
「んー。まださすがに出会って三日目だよ? それは早いんじゃないかな」
「レオナはまんざらでもないわよ」
「どうだろ……」
確かに言えば住ませてくれるかも。でも、そこまでレオナにさせるのも……と僕が思っていると、リアがこう続けた。
「ま、冗談はさておき、マスターの前の部屋空いてるんじゃない? そこ、使わせて貰えば?」
「冗談だったの? って、ま、まぁ確かに空いてるね。後で聞いてみようか……さて、戻ろ?」
僕はリアの提案に同意し、部屋に戻ろうと席を立った。
「メイドの片付けってどんな感じなんだろ?」
「そもそもマスターの私物、そんなにないじゃん。期待するのも無駄だと思うけど?」
「ま、そうなんだけどね」
僕はリアとそんな会話をしながら部屋の扉を開けた。
そして閉めた……
「何してんのよ」
「あれ? ここ僕の部屋だっけ?」
僕はドアノブに手をかけたまま辺りを見渡した。
「馬鹿なこと言ってんじゃないわ。端っこなんだから間違えようが無いじゃない?」
「デスよねー。あれ、おかしいな?」
部屋を間違えたのかな? と思ったが、そもそもリアの言う通り、間違うはずなんかなかった。じゃあやっぱり今のは見間違いかも。
そう思った僕は、扉を再度開けてみると……
部屋の中は泥棒でも入ったかのように物が散乱し荒れていた。そんな中レオナがせっせと片付けている。
あ、転んだ……また散らばった。
と、その時、床に転がっているレオナと目が合った……
「も、申し訳ありません!」
「えっとー。レオナって掃除苦手だったんだね」
僕はそんな言葉を絞り出すのがやっとだった。
「いえ、そ、そんなことは」
「大丈夫だよ。怒ってないから。別に掃除も出来るようになればいいだけだし。でも、嘘はダメだよ」
「は、はい……実は掃除はすごい得意と言う訳ではないのですが……家でも普段は普通に出来るんですけど。きっと、ご主人様の部屋だと思うと緊張しちゃって上手く動かないのかなって……」
「うーん。一つだけ叶えられるって言う技能で掃除、上手くなってもらう?」
僕は冗談でそんなことを言うと、レオナは勢いよく僕の両手を取り上目遣いで懇願してきた。
「是非お願いします!」
いや、レオナはそれでいいのか? 自分の仕える人の願いで自分を成長させようって意味わからんぞ。
そんな様子を見かねたリアが横から溜息混じりに口を挟んでくる。
「ふー。大丈夫よ。メイドのレベルが上がれば技能の効果で掃除も上手くなるわ」
一瞬でレオナの目の色がキラキラと輝いたのが分かった。
「ご主人様! レベル上げお願いします! い、今、今すぐに!」
「い、今ってこれから学校じゃん」
「学校と私の掃除の技能とどっちが大事なんですか?」
「え、普通に学校だけど……」
「そ、そんな……」
今度は逆に今にも泣きそうな表情になった。コロコロと変わるのがとても可愛い。
「ってかそんな今日明日でレベル上がる範囲で効果出る訳ないでしょ? レベル2とか3とかの話じゃないんだろうし……」
僕がそう言いかけると、そこでリアが口を挟んできた。
「レベル2からよ」
「ってすぐじゃん!」
「じゃあすぐ行きましょう!」
レオナの瞳がより一層キラキラと輝いていてしまった。
「ま、待って、逆にさ、そんなすぐなら今じゃなくてもいいんじゃない?ほら! 明日はちょうど休みだし、明日にしよ?」
「うーん。私は少しでも早くレベルを上げたいのですが……」
「じゃあさ、今日はレオナの家に泊まって朝一で行こうよ? ね、それで我慢して?」
「か、かしこまりました……」
渋々と言った様子ではあるが、レオナは一応納得してくれた。
「じゃ、じゃあ遅れるし、取り敢えず教室に行こうか?」
そして僕は時間も無いので散らかった部屋をそのままに、教室に向かったのだった。
朝食を取りに食堂へ向かおうと部屋の扉を開けた僕は、驚いてそう声を上げてしまった。なんせ、目の前に居ないはずのレオナが居たのだから。デジャブかな?
「はい! 昨日、迎えに来てってお話を頂いたので……」
「うん。そうだね。それは確かに言った覚えがある。でもさ、二時過ぎって話だったよね?」
「はい、そうですけど……何か?」
さも当然と言った様子でレオナは可愛く首をかしげた。
「で、今は何時かな?」
「今は一時をちょっと過ぎた所です!」
うん! 正解!
「だよねー。って自分で言ってておかしいと思わないの?」
「何がですか?」
この様子じゃ随分前から待っているのだろう。そう思った僕は頭を抱えた。
「……もういいや。朝食、食べてくるよ。ってそうだ! レオナも行こ?」
「いえ、私はもう頂いてますので……」
「じゃあ、中で待っててよ」
「いえ、私はこちらで……二時にお迎えに上がるという約束でしたので」
いや、既にここに居るのなら言ってる意味が……でも、レオナのこの様子じゃ聞かないだろうしな。
「んーこのまま部屋の前に立たせておくのも罰ゲームみたいだし……」
「私は一向に構わないのですが……」
「そういう問題じゃないんだけど……あ、そうだ!」
「じゃあさ、僕のいない間、部屋の掃除をしておいてくれない? ね、頼むよ?」
「ご主人様がそう仰るのであれば……」
最初の指示と違うことに葛藤しているのだろう。レオナは少し困ったような表情でそう答えた。ただ、僕は見逃さなかった。嬉しさからか、耳はぴょこぴょこと動き、尻尾が何度も振られるのを。
「じゃ、お願いね?」
僕はレオナを部屋に押し込み、食堂へと向かったのだった。
「もぐもぐ……どうしたもんかな」
僕はパンを方ばりながらそう呟いた。と言うのも、ここ二日間のレオナの行動について、少し思うところがあったからだ。好いてくれるのは嬉しいんだけど、それで体調を崩されても困るから。ずっとこんな調子じゃレオナも満足に睡眠時間を取れないだろうし……
すると横でふわふわと浮いていたリアが呆れた様子でこう話しかけてきた。
「もう一緒に住むしか無いんじゃない? レオナのお家、部屋も空いてるんだし」
「んー。まださすがに出会って三日目だよ? それは早いんじゃないかな」
「レオナはまんざらでもないわよ」
「どうだろ……」
確かに言えば住ませてくれるかも。でも、そこまでレオナにさせるのも……と僕が思っていると、リアがこう続けた。
「ま、冗談はさておき、マスターの前の部屋空いてるんじゃない? そこ、使わせて貰えば?」
「冗談だったの? って、ま、まぁ確かに空いてるね。後で聞いてみようか……さて、戻ろ?」
僕はリアの提案に同意し、部屋に戻ろうと席を立った。
「メイドの片付けってどんな感じなんだろ?」
「そもそもマスターの私物、そんなにないじゃん。期待するのも無駄だと思うけど?」
「ま、そうなんだけどね」
僕はリアとそんな会話をしながら部屋の扉を開けた。
そして閉めた……
「何してんのよ」
「あれ? ここ僕の部屋だっけ?」
僕はドアノブに手をかけたまま辺りを見渡した。
「馬鹿なこと言ってんじゃないわ。端っこなんだから間違えようが無いじゃない?」
「デスよねー。あれ、おかしいな?」
部屋を間違えたのかな? と思ったが、そもそもリアの言う通り、間違うはずなんかなかった。じゃあやっぱり今のは見間違いかも。
そう思った僕は、扉を再度開けてみると……
部屋の中は泥棒でも入ったかのように物が散乱し荒れていた。そんな中レオナがせっせと片付けている。
あ、転んだ……また散らばった。
と、その時、床に転がっているレオナと目が合った……
「も、申し訳ありません!」
「えっとー。レオナって掃除苦手だったんだね」
僕はそんな言葉を絞り出すのがやっとだった。
「いえ、そ、そんなことは」
「大丈夫だよ。怒ってないから。別に掃除も出来るようになればいいだけだし。でも、嘘はダメだよ」
「は、はい……実は掃除はすごい得意と言う訳ではないのですが……家でも普段は普通に出来るんですけど。きっと、ご主人様の部屋だと思うと緊張しちゃって上手く動かないのかなって……」
「うーん。一つだけ叶えられるって言う技能で掃除、上手くなってもらう?」
僕は冗談でそんなことを言うと、レオナは勢いよく僕の両手を取り上目遣いで懇願してきた。
「是非お願いします!」
いや、レオナはそれでいいのか? 自分の仕える人の願いで自分を成長させようって意味わからんぞ。
そんな様子を見かねたリアが横から溜息混じりに口を挟んでくる。
「ふー。大丈夫よ。メイドのレベルが上がれば技能の効果で掃除も上手くなるわ」
一瞬でレオナの目の色がキラキラと輝いたのが分かった。
「ご主人様! レベル上げお願いします! い、今、今すぐに!」
「い、今ってこれから学校じゃん」
「学校と私の掃除の技能とどっちが大事なんですか?」
「え、普通に学校だけど……」
「そ、そんな……」
今度は逆に今にも泣きそうな表情になった。コロコロと変わるのがとても可愛い。
「ってかそんな今日明日でレベル上がる範囲で効果出る訳ないでしょ? レベル2とか3とかの話じゃないんだろうし……」
僕がそう言いかけると、そこでリアが口を挟んできた。
「レベル2からよ」
「ってすぐじゃん!」
「じゃあすぐ行きましょう!」
レオナの瞳がより一層キラキラと輝いていてしまった。
「ま、待って、逆にさ、そんなすぐなら今じゃなくてもいいんじゃない?ほら! 明日はちょうど休みだし、明日にしよ?」
「うーん。私は少しでも早くレベルを上げたいのですが……」
「じゃあさ、今日はレオナの家に泊まって朝一で行こうよ? ね、それで我慢して?」
「か、かしこまりました……」
渋々と言った様子ではあるが、レオナは一応納得してくれた。
「じゃ、じゃあ遅れるし、取り敢えず教室に行こうか?」
そして僕は時間も無いので散らかった部屋をそのままに、教室に向かったのだった。
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