賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

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第百十八話 夢の光景

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 その時、ミリアさんはじっと僕を見ていた。いや、みつめて・・・・いた。僕もその眼に惹き付けられるように見入ってしまう。

「ミ、ミリア? どうしたの? 大丈夫?」

 アマンダ先生はそう呼びかけるがその言葉はミリアさんの耳には入っていないようだった。アマンダ先生の言葉に反応する素振りも見せずにじっと僕を見つめ続けている。

「……あのだぁ……」

 ミリアさんが僕を見つめながらそう呟いた。その時、僕はミリアさんの語ったの話を思い出した。恐らく、小さな人ってのはカノダバの事だったのだろう。

「ミリア! ミリア、大丈夫?」

 今度は肩を揺すりながらミリアさんにアマンダ先生は問いかけた。するとアマンダ先生に気付いたミリアさんは、アマンダ先生を見て頷いた。

「……うん、お姉さまぁ……大丈夫よぉ……少し見とれてただけ……」

「え? ミリアがアインス君に見とれるなんて? 男性恐怖症なのに?」

 またもアマンダ先生の言葉に反応せずに、僕をじっと見つめるミリアさん。

「……そぅ……この光景よぉ……この方だったんだわぁ……」

 ふとミリアさんは立ち上がり、まるで夢遊病にでもなったかのように、ゆっくりと僕へ近づいて行った。
 さっきアマンダ先生に止められた距離よりも近く、それでも何事もなく、ゆっくりと……そこにいる全員がその雰囲気にのまれ、じっとミリアさんを見ていた。
 ミリアさんは僕の前まで来ると、急に僕に抱きついてきた。先ほど、ミリアさんがアマンダ先生と先ほど熱い抱擁をしたのと同じように僕を抱きしめてきたのだが、不意打ちすぎて僕はされるがままになっていた。

「ちょっと! ワタクシ御主神様アインスさまに何するのよ! 離れなさいよ!」

 反応出来なかった僕と違って、焦った様子のカタリナがミリアさんを僕から引き離した。でも僕はまだ呆然として動けなかった。そんな僕とミリアさんの間に入るカタリナは、守るように僕をぎゅっと抱きしめていた。引き離されたミリアさんは我に返ったアマンダ先生が抱き留めた。僕にとっては抱きしめている対象がミリアさんからカタリナに変わっただけだった。

「ミリア? 大丈夫なの? 男性に触れると暴力的に変わる性格は治ったの? アインス君、ボコボコに殴られるかと思って心配しちゃった!」

 ぼ、暴力的! 勝手に抱きしめられて、勝手にボコボコに殴られるとこだったの? 僕! アマンダ先生ってミリアさんのことで、言ってない大事なこと多すぎない!?
 そんな僕の思いは露知らず、ミリアさんがボソリと呟きながらアマンダ先生に言葉を返した。

「……この方はぁ……男性として……ノーカウントですぅ……」

 男性として……ノーカウント……その言葉は童貞にとって若干傷つくセリフだった。
 とても微妙な空気漂う中、それ・・を打ち破るべくレオナが大きな声をあげた。

「と、ともかく! なんか悪いやつはやっつけたみたいなんでさっさとここを出ませんか?」

「そ、そうだよ! 早くロザリーバレーに帰ろうよ!」

 レオナの言葉に思い出したかのように動き出した僕はカタリナを押しのけ、大きな声でそう主張した。その言葉に皆、ハッとして頷く。
 その時に奥の扉から物音が聞こえたのだった。
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