賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

文字の大きさ
117 / 123

第百十七話 恐怖心

しおりを挟む
 しかし、そんなカタリナの言葉をアマンダ先生が否定する。

「カタリナちゃん、それはさすがに……Aランクまでは分かるわ。私だって、Aランクなら倒したことあるから。でもね、Sランクってのは別格なの。Aランクの枠組みに入れられないのがSランクなのよ。Sランクは強さの指標がないの。私の経験上、村長が悪魔と化したあの魔物はAランク相当。それでカノダバはSランクでも上位な感じはしたわ。一国を滅ぼせるくらいの力を持っているくらいの……それをゴブリンと一緒なんて、冗談でも同意できないわ」

 真剣な表情でそう話したアマンダ先生がカタリナを見ると、カタリナも真剣な表情で言葉を返した。

「冗談なんかじゃありませんわ」

 そしてアマンダ先生はレオナを見る。するとレオナもカタリナと同じ表情で頷いていた。

「で、しょうね。二人ともそういう表情してるもの。余っ程信じてるのね、アインス君のことを」
 
「でもね、私は……」

 アマンダ先生はそう言いかけながら言葉に詰まった。多分、アマンダ先生は経験が沢山あるからレオナやカタリナとは違った感覚があるのだろう。それは恐怖。未知で理解の及ばない強さを目にしたら、恐怖心を抱いても当然だと思う。アマンダ先生がカノダバに抱いたように、僕に対して抱いても不思議でもなんでもない。

「アインス君……き、君って何者なの……?」

 ふと尋ねたアマンダ先生は僕に尋ねた。やっぱり瞳の奥から恐怖心があるのが分かった。

「んー。何者って言われても……ね……でも、そういう目で見て来る人も多いと思うんです……僕の事を知ってるアマンダ先生でもそうなんですから、出来れば他の人には黙ってて貰えませんか?」

 僕は努めて優しく答えを返した。別にアマンダ先生が恐怖心を僕に抱くのは仕方がないと思う。ある意味、その覚悟は出来ていたのだから。そうじゃなかったら、話そうなんて、手助けしようなんて思わない。実際に恐怖心を抱かれた事実をこうやって突き付けられると、なんか胸が締め付けれれるような感じはするけど……でも、だからこそ周りには黙っていて欲しいというのが僕の本心であり、それを伝えたのだった。

「ご、ごめん。そういうつもりじゃ……た、確かにその強さは恐いと言っても過言じゃないかもしれないけど、別にそれで私はどうと言うことはないわ。時間も経てば落ち着くでしょうし……」

 それはつまり、現在は恐怖心を抱いているということだと僕は思った。でも、その言葉を僕は追求するつもりもない。

「ただ、アインス君の言いたい事のわかるわ。生憎ここには私たちだけだし、カノダバも含めて私とカタリナちゃんで倒した事にしましょう……あ!」

「あ!」

 と、そこまで言ってアマンダ先生は何か思い出した表情になった。それを見て僕も多分、同じことを考えたのだと思う。それはこの場にもう一人いるということ。ミリアさんである。ミリアさんだけは僕の事をよく知らない、前もって口止めをしていないのだ。
 ミリアさんに口止めする間もなく、僕がカノダバを倒してしまった。まあ、そんなことをする時間を設けていたら、アマンダ先生が殺されてたかもしれないけど。

「大丈夫。話せば理解してくれるわ。ミリアだって私を助けるためにアインス君が動いてくれたのは分かるはずだもん。そう、絶対に何としても協力して貰わないと、アインス君に申し訳が立たないから……」

 アマンダ先生もそう思ってくれていたようで、僕にそう話したアマンダ先生はふとミリアさんの方へ視線を送った。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

処理中です...