賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

文字の大きさ
120 / 123

第百二十話 呪いが解けた森

しおりを挟む
「皆、すまない。俺が至らなかったばかりにこんな事に……。父を止められてれば……こんな俺が言っても文句しかないだろう。ただ、悲しいのはわかるが一旦ここを出よう。考えるには村に戻ってからにしよう。ここに居ても悲しみは募るばかりだから」

 ナイジャーノンは大きな声で皆にそう伝えた。ナイジャーノンの言う通り、危険は去ったとは言え薄暗い中では悪い方向に思考が働くことは確かだと僕は思った。ナイジャーノンはその後、アマンダ先生にこう伝えた。

「こちらは何とか話を纏めますので、外を確認してきて貰えますか? 信じていない訳ではありませんが、やはり様子の確認は必要かと思います。申し訳ありませんが、お願いしても宜しいでしょうか? それと……」

 最後少し言いづらそうになったナイジャーノンの言葉へ、アマンダ先生は被せるようにこう言った。

「ええ、もちろん。じゃあそっちはお願いします。さぁ皆、一度外の様子を見に行きましょう」

 そう伝え、すぐに部屋を出るアマンダ先生に僕たちは続いて部屋を出たのだった。

「まぁ仕方ないわね……少し時間は必要でしょう……」

 その言葉に僕は頷いた。

「ナイジャーノンさんはかなりしっかりと受け答えしてたけど、魔物となったとは言え私はナイジャーノンさんの父を殺した相手。それに、子供や知人を亡くした者もあの中には多くいる。目覚めていない者もまだまだ居たみたいだし、ここから移動するにしても、ある程度の時間を置く必要はあるでしょうね。ナイジャーノンさんの言うとおり、暗い所にいると気が滅入るばかりではあるけれども、かと言ってすぐに移動出来る訳でもない。だから私たちを極力遠ざけたかったのでしょう。言い淀むのも仕方ないわね」

 とはアマンダ先生の言葉であり、僕もその通りだと思ったのだった。

 村人たちがいる部屋を出るとそこは先ほどカノダバと戦った部屋である。辺りは筒状の物が壊れ、散らばっている状態のままだった。今考えると、逆にこの状態になっていて良かったかもしれない。そうでなければ、自分たちの知り合いの手足が無かったり、下半身が無かったり、脳だけだったり、そのような姿を村人たちは見なければならなかったからだ。
 で、そこを抜け、長い階段を登る。先ほどと変わらない建物の中である。両側の部屋であろう扉も、シャンデリアも、薄暗さも変わらない。しかし、建物の外に出ると、辺りは先ほどとは違った雰囲気になっていた。酷く空気が乱れているかのようなあの雰囲気が一切無くなっていた。元凶だったカノダバを倒した事により森にかかっていた呪いは解けたのだと僕は思った。

「これなら大丈夫そうですね」

 僕が周囲を見渡してからアマンダ先生に伝えた。磁場の乱れも幻覚を見せる花も無くなっていた。実際にそれ・・がわかるのはリアだけだから、僕がアマンダ先生に伝えたのだった。

 ただ、僕以外にも森の雰囲気が変わっている事はわかっただろう。木々は青々と茂り、鳥のさえずりも聞こえる。小動物が駆けている姿も見受けられた。日の光も森を祝福しているかのように、優しく差し込んでいた。森が生き返ったかのように僕は感じたのである。

「確かに、これなら大丈夫そうね……」

 アマンダ先生も周りの様子を感じ取ったようで頷いていた。無事に村人を送り届けられるかと、外の様子を見に来たのである。僕が居れば大丈夫かもしれないが、人数が人数だし、以前の状態の森を歩かなくて良くなったのは朗報だった。

「とは言ってもアインス君に案内されてるから方向もままならないのよね。何が大丈夫なんだか……帰りも道案内宜しくね?」

 アマンダ先生が苦笑いを浮かべながら僕にそう言った。それを笑顔で頷く事で僕は応えた。

「よし! じゃあナイジャーノンさんに外は大丈夫そうだって話をしてくるから、アインス君たちはここで待ってて。あんまり大勢で行ってもあまり意味無いしね。ミリアも待ってて!」

 そう言ってアマンダ先生は再度、建物の中に入って行ったのだった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

『王都の神童』と呼ばれた俺、職業選定でまさかの【遊び人】三連発で追放される。……が、実は「全職業のスキル」を合算して重ねがけできる唯一のバグ

よっしぃ
ファンタジー
王都で「神童」の名をほしいままにしていた少年、ディラン・アークライト(17歳)。   剣を握れば騎士団長を唸らせ、魔法を学べば賢者を凌駕する。誰もが彼を「次代の勇者」と信じて疑わなかった。  しかし、運命の職業選定で彼が得たのは――【遊び人】。   それも、三つの職業スロットすべてが【遊び人】で埋まるという、前代未聞の怪現象だった。 「期待外れだ」 「国の恥晒しめ」   掌を返した周囲によって、ディランは着の身着のままで街を追放される。  だが、かつて神童と呼ばれた彼の「分析力」は死んでいなかった。 『……Lv1なのに、ステータスが異常に高い? それに経験値が分散せず、すべて加算されている……?』  彼だけが気づいた真実。  それは【遊び人】という名に偽装された、この世界の管理者権限(Free-Hander)であり、全職業のスキルを制限なく使用・強化できるバグ技(デバッグモード)への入り口だったのだ。  これは、理不尽に捨てられた元・神童が、その頭脳とバグ能力で世界を「攻略」し、同じく不遇な扱いを受けていた美少女騎士(中身は脳筋)と共に、誰よりも自由に成り上がる物語。 【著者プロフィール】アルファポリスより『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』を出版、オリコンライトノベル部門18位を記録。本作は2月に2巻刊行予定。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

処理中です...