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アルデスの言葉にホールは少しざわめいた。ことがことなだけに当然といえば当然だった。
他の貴族達もアルデスの身勝手さは嫌という程知っている。でも、絶大な力を持っているブラックムーン家。その長男に逆らう者などいない。
ま、そのお零れを頂戴している人達がここにいる人達なんだけどね。あ、私とか極々一部を除くだけれども。
だから、ざわめいたと言っても私への嘲笑が主だった。ほら、あそこの二人とかこっちみてにやにや何か話してるし。
でも、そんなことは慣れているから気にも止めない。
私がそんなことを考えているとアルデスの大きな声が続いた。
「セリア! 入っておいで!」
その声と同時に扉が開かれる。と、同時に姿を現したのは一人の人物。眩いばかりの金色をしたショートヘア。フワッフワのドレスで着飾った、小さくて可愛らしいお人形さんのような人だった。
ペコリとお辞儀をして、おずおずとまるで何かに怯えるようにホールに入ってきたセリアは、すぐにアルデスの後ろに隠れてしまった。
セリアはこういう場所に慣れていないのだろう。恥ずかしくて緊張している、といった様子が垣間見える。
「皆! 紹介しよう! 我が婚約者のセリアだ!」
と、同時にまたもホールがざわめく。しかもさっきよりもずっとだ。
そりゃそうだ。目の前で婚約破棄が行われ、今度は新たな婚約を結ぶと宣言しているのだ。このバ……アルデスは。その傍若無人ぶりは流石に誰でもビビるわ。
アルデスの言葉を受けたセリアは、隠れるようにアルデスの影から出てこようとしないで、ただただ深くお辞儀をしただけだった。
恥ずかしさからかその真紅に染まった頬や奥ゆかしさは単純に私から見ても可愛らしかった。うん、これならアルデスが惚れるのも仕方ないよね。
続けてアルデスがのたまう。こいつは大声をあげることしか出来ないのか?
「俺は真実の愛に目覚めたのだ! このセリアと結婚する!」
他の貴族達もアルデスの身勝手さは嫌という程知っている。でも、絶大な力を持っているブラックムーン家。その長男に逆らう者などいない。
ま、そのお零れを頂戴している人達がここにいる人達なんだけどね。あ、私とか極々一部を除くだけれども。
だから、ざわめいたと言っても私への嘲笑が主だった。ほら、あそこの二人とかこっちみてにやにや何か話してるし。
でも、そんなことは慣れているから気にも止めない。
私がそんなことを考えているとアルデスの大きな声が続いた。
「セリア! 入っておいで!」
その声と同時に扉が開かれる。と、同時に姿を現したのは一人の人物。眩いばかりの金色をしたショートヘア。フワッフワのドレスで着飾った、小さくて可愛らしいお人形さんのような人だった。
ペコリとお辞儀をして、おずおずとまるで何かに怯えるようにホールに入ってきたセリアは、すぐにアルデスの後ろに隠れてしまった。
セリアはこういう場所に慣れていないのだろう。恥ずかしくて緊張している、といった様子が垣間見える。
「皆! 紹介しよう! 我が婚約者のセリアだ!」
と、同時にまたもホールがざわめく。しかもさっきよりもずっとだ。
そりゃそうだ。目の前で婚約破棄が行われ、今度は新たな婚約を結ぶと宣言しているのだ。このバ……アルデスは。その傍若無人ぶりは流石に誰でもビビるわ。
アルデスの言葉を受けたセリアは、隠れるようにアルデスの影から出てこようとしないで、ただただ深くお辞儀をしただけだった。
恥ずかしさからかその真紅に染まった頬や奥ゆかしさは単純に私から見ても可愛らしかった。うん、これならアルデスが惚れるのも仕方ないよね。
続けてアルデスがのたまう。こいつは大声をあげることしか出来ないのか?
「俺は真実の愛に目覚めたのだ! このセリアと結婚する!」
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